【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

文字の大きさ
1,562 / 1,649
第五十章

1519 ジョブチェンジ

しおりを挟む
( リーフ )


「 リ、リーフ様……っ?? 」


「 レオン、レオン、レオン、レオン……! 」


必死に体の状態を確認する俺に、レオンは戸惑いながらも真っ赤になっていった。

そんな事を気にする余裕なくレオンの体を確認し、どこも腐ってない事を確認できた瞬間、安堵からボロボロと涙が出て溢れる。


「 よ、よ、よ…よ”がっだぁ”ぁ”ぁ”~!!

よ”がっだよ”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”!!レオンが無事でよがっだぁぁぁぁ~……っ!! 」


ワンワン泣きわめく俺を見て、レオンは真っ赤な顔で頷き、おずおずと俺の体を抱きしめた。


「 俺はずっとここにいます……。

大丈夫です……。 」


嬉しそうにそう言うレオンだったが、呪いに感染したら、もう二度と会えない。

そのため俺は軽く考えているレオンに頭に来て、大激怒して怒鳴り散らす。


「 レオンっ!!!だから黒いのに触ったら呪いが伝染るから駄目だって言ったじゃないか!!

今回はきっと運良く死ななかっただけだ!!

なんでそんな危ない事をするんだい!! 」


「 う、伝染る……???
        
いや、俺にあんなは……。 」


「 言い訳しない!!

笑いながら死んじゃう所だったんだよ!!

────全く~…………あれ?でも、なんで消えちゃったんだろう?? 」


安心すると、今度は新たな疑問が浮かび上がり、俺は首を大きく傾げた。


もしかして不完全だったとか……。

それとも偽物だった……?


「 …………。 」


俺が無言で変態オジさんの方を見ると、目と口は全開に開かれ、” 信じられない! ” を全身で表現している。

偽物だったら、あんな反応するだろうか?

ソフィアちゃんと顔を見合わせ、不思議がっていると、レオンはあっさりと質問に答えた。


「 汚かったので洗浄魔法を使って消しました。

良かったです。

リーフ様が刺される前に始末できて……。 」


「 せ、洗浄魔法……??! 」


レオンが大好き、洗浄魔法。

それはちょっとして汚れを取るのに大変便利な魔法なのだが……それで呪いって消えるの??


「 呪災の卵が日常の汚れと一緒……。

それが本当なら……俺の苦労は一体……。 」


ガガーン!とショックを受けて黙る俺を、レオンは麦袋スタイルでヒョイッと抱っこした。


「 楽しめましたか?

では、そろそろ帰りますか? 」


「 あ、うんうん。終わった終わった。

あ、でも家に帰る前に、ソフィアちゃんの怪我を診てもらおうね。 」


なんだか分からないけど、ま、いっか!

いつものポジティブさんを発動し、俺はまた晴れ上がった空を、自分が割ったステンドグラスから見上げて喜ぶ。


しかし、それとは逆に、直ぐに家に帰れないと知ったレオンはムスッ!と不機嫌を全開にしてきたので……俺はその頭をクリクリと撫でた。


「 じゃあレオン。悪いけどソフィアちゃんも抱っこしてくれるかい?

酷い怪我だから、そのまま治療院に向かおう! 」


「 …………。 」


「 …………っ!! 」


機嫌が急降下し無言を貫く物語の主人公のレオンと、首がもげる勢いで横に振るヒロインのソフィアちゃんを見て、俺はヤレヤレ……とため息をつく。


「 全く~……今は恥ずかしがっている場合じゃないだろう?

これだから思春期の坊やとお嬢ちゃんは……。

分かった分かった。

じゃあ、ソフィアちゃんは俺が抱っこしてあげよう!

さぁ、おいで! 」


両手を広げてクイクイと動かすと、ソフィアちゃんは真っ赤な顔をしながら近づいてきたが、突然ピタリと止まった。

そして、何故か這って逃げようとしている変態オジさんの方へ視線を向ける。


「 ??どうしたの?ソフィアちゃん。 」


「 ……クールタイムが終わりました。

リーフ様、少々お待ちを……。 」


ソフィアちゃんはキラッ!と目を輝かせると、拳を握りしめて変態オジさんに向かって走り出した。

その足取りはヨロヨロしているが、それでもまっすぐに。


「 う、うわぁぁぁぁぁ────!!! 」


変態オジさんは全力ダッシュしてくるソフィアちゃんに気づき悲鳴をあげたが……ソフィアちゃんは気にせず変態おじさんの真ん前まで来ると────……。


────バキィィィィィィッ!!!!


大きく後ろに引いた拳で、情け容赦なく変態オジさんの顔を殴りつけた。

俺のスキル< 獣王のげんこつ >で。


「 ────っ~~…………っ────っ!!!?? 」


変態オジさんは、悲鳴もあげられないままなすすべもなく吹っ飛び、天井に突き刺さる。

その姿は、プランとぶら下がるブドウの様だ……。


お、俺のスキル……???


色々と衝撃的過ぎてポカーン……としていると、ソフィアちゃんは非常にスッキリした顔で、フゥ~……と大きなため息をついた。


「 あ~!スッキリしました! 」


倍返し以上の復讐を遂げたソフィアちゃんは、満足そうに微笑む。

なんと、ソフィアちゃんは清純派ヒロインから戦うヒロインにジョブチェンジした様だ。


しおりを挟む
感想 274

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。 第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

無能と呼ばれた婚約者は王を完成させる〜替え玉婚約者のはずが、強すぎる王太子に手放してもらえません〜

統子
BL
兄の身代わりとして王太子の婚約者になった伯爵家次男リュシー。 嘘の名を名乗ったはずが、冷静で誠実な王太子リオンは彼を「力の装置」としてではなく、対等な伴侶として扱おうとする。 本物になりたいと願う替え玉と、完成された王太子の静謐な王宮ロマンス。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

処理中です...