【第一部完結】天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第五十一章

1540 へぇ〜……そうなんだ

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(リーフ)

「だけど、あくまで今のところは~だろうねぇ。

悪いヤツは喉元すぎればだから。

それにしても<ないない君>……じゃなくて、ジュワン先生?には驚いちゃったな。

全く……最後までしょうがない坊やだったね。」


今まで聞いた話を纏めながら、俺は現在座っている自室の中の<ベッド・マッシュ>の上にボスンッ!と寝転がった。

すると、天井が見える視界一杯に覗き込んできたレオンの顔が見えたので、よしよしと頭を撫でてやる。


レオンを虐めた<ないない君>こと、ジュワン先生は、この事件にガッツリ加担していた悪役さんだったらしく、グリモア内でレイドとアゼリアちゃんとの戦闘の際、突然苦しみだしてお亡くなりになったそうだ。

恐らく怒りすぎて、血管が切れちゃったのだと思われる。


「前にレオンと戦った時も、怒りすぎて額に浮き出ている血管の数が凄かったもんな~……。 

ご家族も相当悪いことをしていたみたいだし、流石に同情はできないよ。」


ね~?と一番の被害者だったレオンに言ったが、レオンは「??」と不思議そうな顔をした後、ウンウン!と大きく頷いていた。


今回の事件の首謀者という事で、当然だがジュワンのご家族全てにも調査のメスが入る。

すると出るわ出るわ、悪どい犯罪の証拠がわんさかと。

なんと貧民街を丸ごと潰した大虐殺までしていたのだというから、そんな奴を野放しにできる上位貴族達の心情がサッパリ分からない。

そのため、それに関わったジュワンの両親や御兄弟は全て犯罪奴隷行きに。

街の自治権は、他の貴族が丸ごと買い取ったそうだ。

そうして『下』がどんどん断罪されていったわけだが……やはり、張本人であるエドワードやメルンブルク家、ライロンド家などには、断罪の手は伸ばす事ができなかったそうだ。


「『上』を崩すのは、やっぱり難しいんだな。

ソフィアちゃんが言う通り、簡単にはいかないや。」


レオンを撫でる手を止め、両手を自分の頭の後ろへ回し、ハァ~……と大きなため息をついた。

すると、レオンが隣に横たわりくっついてきたので、そのままもう一度頭を撫でながら、今度は俺を取り巻く環境の変化を思い浮かべる。


平凡代表の俺。

なんと生まれて初めての、バズりとやらを経験した。


グリモアの外を歩けば「救世主様────!!」と叫ばれ、あれよあれよと街の人達全員に追いかけられる。

そして現在は休院中の学院に顔を出せば、「リーフ様だ!!」「捕まえろ!!」と叫ばれ、ワー!!と追いかけ回されてしまった。


「…………。」


この辺りで、もう少し落ち着いてから皆の前に出ようと決意し、故郷のレガーノへ帰省。

すると、なぜか怪我をしてボロボロの街の人達と対面し、どうしたのかと思って聞いても誰も答えず……。

更に誇らしげに怪我をしている部分を見せつけ、ファイティングポーズまでとってくる!


え……何?何???


意味が分からず見つめる俺に、全員が揃いも揃ってドヤ~とした顔を見せてくるもんだから、気まずさを感じそそくさとレガーノを去った。

そうして結局行き着いたのは、俺とレオン、あげ玉と黒みつが暮らす寮の家。

ここは森の中故か、非常に静かだった。

しかし、ずっとこのまま閉じこもっているわけにも行かない。


────カッ!!

俺は目を見開き、そのままベッドから起き上がると、レオンをべったりくっつけたまま、テーブルの前まで歩く。

そしてその上に置かれている一通の手紙を手に取った。


「『 この度の未曾有の大厄災にて、国を救いし<リーフ・フォン・メルンブルク>殿と<レオン>殿、両名に最大の感謝と報奨を直接渡したい。』か……。」


むむ~ん……と眉を寄せて考えこんでしまったのは、この手紙を書いた主が、ニコラ王だからだ。

まさかの王様からの手紙!!

随分と恐れ多いお手紙を貰ってしまったもんだと、手がブルブルと震えた。


この手紙は、レガーノに帰省している時にカルパスから貰ったのだが、その場で開けた俺はその内容に目玉がスポンッ!

驚きながら気持ちだけ受け取り、辞退しようと思ったのだが……そこで待った!を掛けたのがカルパスだ。


「ニコラ王は、この戦いに参加した全ての者に対し、報奨を与えると宣言しました。

それがもし一番の功労者であるリーフ様が辞退するならば、他の者達も一斉に辞退するでしょう。

他の皆様のためにも、リーフ様はしっかりと貰うべきです。」


「え、えぇ~……。それは困るね。

でも、別に郵送とかで十分なんだけどな~。

高級なお肉セットとか欲し~。」


ササッと塩をふって、軽く炙って食べたい、今。

ちょうどお昼時な事もあり、それを想像してよだれを流すと、カルパスが笑顔で首を振った。


「貴族は上が受け取ったモノ以上のモノを基本は受け取れません。

つまり、それではワンランク低いお肉セットを全員に配る事に……。」


何それ、シュール!
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