1,583 / 1,649
第五十一章
1540 へぇ〜……そうなんだ
しおりを挟む
(リーフ)
「だけど、あくまで今のところは~だろうねぇ。
悪いヤツは喉元すぎればだから。
それにしても<ないない君>……じゃなくて、ジュワン先生?には驚いちゃったな。
全く……最後までしょうがない坊やだったね。」
今まで聞いた話を纏めながら、俺は現在座っている自室の中の<ベッド・マッシュ>の上にボスンッ!と寝転がった。
すると、天井が見える視界一杯に覗き込んできたレオンの顔が見えたので、よしよしと頭を撫でてやる。
レオンを虐めた<ないない君>こと、ジュワン先生は、この事件にガッツリ加担していた悪役さんだったらしく、グリモア内でレイドとアゼリアちゃんとの戦闘の際、突然苦しみだしてお亡くなりになったそうだ。
恐らく怒りすぎて、血管が切れちゃったのだと思われる。
「前にレオンと戦った時も、怒りすぎて額に浮き出ている血管の数が凄かったもんな~……。
ご家族も相当悪いことをしていたみたいだし、流石に同情はできないよ。」
ね~?と一番の被害者だったレオンに言ったが、レオンは「??」と不思議そうな顔をした後、ウンウン!と大きく頷いていた。
今回の事件の首謀者という事で、当然だがジュワンのご家族全てにも調査のメスが入る。
すると出るわ出るわ、悪どい犯罪の証拠がわんさかと。
なんと貧民街を丸ごと潰した大虐殺までしていたのだというから、そんな奴を野放しにできる上位貴族達の心情がサッパリ分からない。
そのため、それに関わったジュワンの両親や御兄弟は全て犯罪奴隷行きに。
街の自治権は、他の貴族が丸ごと買い取ったそうだ。
そうして『下』がどんどん断罪されていったわけだが……やはり、張本人であるエドワードやメルンブルク家、ライロンド家などには、断罪の手は伸ばす事ができなかったそうだ。
「『上』を崩すのは、やっぱり難しいんだな。
ソフィアちゃんが言う通り、簡単にはいかないや。」
レオンを撫でる手を止め、両手を自分の頭の後ろへ回し、ハァ~……と大きなため息をついた。
すると、レオンが隣に横たわりくっついてきたので、そのままもう一度頭を撫でながら、今度は俺を取り巻く環境の変化を思い浮かべる。
平凡代表の俺。
なんと生まれて初めての、バズりとやらを経験した。
グリモアの外を歩けば「救世主様────!!」と叫ばれ、あれよあれよと街の人達全員に追いかけられる。
そして現在は休院中の学院に顔を出せば、「リーフ様だ!!」「捕まえろ!!」と叫ばれ、ワー!!と追いかけ回されてしまった。
「…………。」
この辺りで、もう少し落ち着いてから皆の前に出ようと決意し、故郷のレガーノへ帰省。
すると、なぜか怪我をしてボロボロの街の人達と対面し、どうしたのかと思って聞いても誰も答えず……。
更に誇らしげに怪我をしている部分を見せつけ、ファイティングポーズまでとってくる!
え……何?何???
意味が分からず見つめる俺に、全員が揃いも揃ってドヤ~とした顔を見せてくるもんだから、気まずさを感じそそくさとレガーノを去った。
そうして結局行き着いたのは、俺とレオン、あげ玉と黒みつが暮らす寮の家。
ここは森の中故か、非常に静かだった。
しかし、ずっとこのまま閉じこもっているわけにも行かない。
────カッ!!
俺は目を見開き、そのままベッドから起き上がると、レオンをべったりくっつけたまま、テーブルの前まで歩く。
そしてその上に置かれている一通の手紙を手に取った。
「『 この度の未曾有の大厄災にて、国を救いし<リーフ・フォン・メルンブルク>殿と<レオン>殿、両名に最大の感謝と報奨を直接渡したい。』か……。」
むむ~ん……と眉を寄せて考えこんでしまったのは、この手紙を書いた主が、ニコラ王だからだ。
まさかの王様からの手紙!!
随分と恐れ多いお手紙を貰ってしまったもんだと、手がブルブルと震えた。
この手紙は、レガーノに帰省している時にカルパスから貰ったのだが、その場で開けた俺はその内容に目玉がスポンッ!
驚きながら気持ちだけ受け取り、辞退しようと思ったのだが……そこで待った!を掛けたのがカルパスだ。
「ニコラ王は、この戦いに参加した全ての者に対し、報奨を与えると宣言しました。
それがもし一番の功労者であるリーフ様が辞退するならば、他の者達も一斉に辞退するでしょう。
他の皆様のためにも、リーフ様はしっかりと貰うべきです。」
「え、えぇ~……。それは困るね。
でも、別に郵送とかで十分なんだけどな~。
高級なお肉セットとか欲し~。」
ササッと塩をふって、軽く炙って食べたい、今。
ちょうどお昼時な事もあり、それを想像してよだれを流すと、カルパスが笑顔で首を振った。
「貴族は上が受け取ったモノ以上のモノを基本は受け取れません。
つまり、それではワンランク低いお肉セットを全員に配る事に……。」
何それ、シュール!
「だけど、あくまで今のところは~だろうねぇ。
悪いヤツは喉元すぎればだから。
それにしても<ないない君>……じゃなくて、ジュワン先生?には驚いちゃったな。
全く……最後までしょうがない坊やだったね。」
今まで聞いた話を纏めながら、俺は現在座っている自室の中の<ベッド・マッシュ>の上にボスンッ!と寝転がった。
すると、天井が見える視界一杯に覗き込んできたレオンの顔が見えたので、よしよしと頭を撫でてやる。
レオンを虐めた<ないない君>こと、ジュワン先生は、この事件にガッツリ加担していた悪役さんだったらしく、グリモア内でレイドとアゼリアちゃんとの戦闘の際、突然苦しみだしてお亡くなりになったそうだ。
恐らく怒りすぎて、血管が切れちゃったのだと思われる。
「前にレオンと戦った時も、怒りすぎて額に浮き出ている血管の数が凄かったもんな~……。
ご家族も相当悪いことをしていたみたいだし、流石に同情はできないよ。」
ね~?と一番の被害者だったレオンに言ったが、レオンは「??」と不思議そうな顔をした後、ウンウン!と大きく頷いていた。
今回の事件の首謀者という事で、当然だがジュワンのご家族全てにも調査のメスが入る。
すると出るわ出るわ、悪どい犯罪の証拠がわんさかと。
なんと貧民街を丸ごと潰した大虐殺までしていたのだというから、そんな奴を野放しにできる上位貴族達の心情がサッパリ分からない。
そのため、それに関わったジュワンの両親や御兄弟は全て犯罪奴隷行きに。
街の自治権は、他の貴族が丸ごと買い取ったそうだ。
そうして『下』がどんどん断罪されていったわけだが……やはり、張本人であるエドワードやメルンブルク家、ライロンド家などには、断罪の手は伸ばす事ができなかったそうだ。
「『上』を崩すのは、やっぱり難しいんだな。
ソフィアちゃんが言う通り、簡単にはいかないや。」
レオンを撫でる手を止め、両手を自分の頭の後ろへ回し、ハァ~……と大きなため息をついた。
すると、レオンが隣に横たわりくっついてきたので、そのままもう一度頭を撫でながら、今度は俺を取り巻く環境の変化を思い浮かべる。
平凡代表の俺。
なんと生まれて初めての、バズりとやらを経験した。
グリモアの外を歩けば「救世主様────!!」と叫ばれ、あれよあれよと街の人達全員に追いかけられる。
そして現在は休院中の学院に顔を出せば、「リーフ様だ!!」「捕まえろ!!」と叫ばれ、ワー!!と追いかけ回されてしまった。
「…………。」
この辺りで、もう少し落ち着いてから皆の前に出ようと決意し、故郷のレガーノへ帰省。
すると、なぜか怪我をしてボロボロの街の人達と対面し、どうしたのかと思って聞いても誰も答えず……。
更に誇らしげに怪我をしている部分を見せつけ、ファイティングポーズまでとってくる!
え……何?何???
意味が分からず見つめる俺に、全員が揃いも揃ってドヤ~とした顔を見せてくるもんだから、気まずさを感じそそくさとレガーノを去った。
そうして結局行き着いたのは、俺とレオン、あげ玉と黒みつが暮らす寮の家。
ここは森の中故か、非常に静かだった。
しかし、ずっとこのまま閉じこもっているわけにも行かない。
────カッ!!
俺は目を見開き、そのままベッドから起き上がると、レオンをべったりくっつけたまま、テーブルの前まで歩く。
そしてその上に置かれている一通の手紙を手に取った。
「『 この度の未曾有の大厄災にて、国を救いし<リーフ・フォン・メルンブルク>殿と<レオン>殿、両名に最大の感謝と報奨を直接渡したい。』か……。」
むむ~ん……と眉を寄せて考えこんでしまったのは、この手紙を書いた主が、ニコラ王だからだ。
まさかの王様からの手紙!!
随分と恐れ多いお手紙を貰ってしまったもんだと、手がブルブルと震えた。
この手紙は、レガーノに帰省している時にカルパスから貰ったのだが、その場で開けた俺はその内容に目玉がスポンッ!
驚きながら気持ちだけ受け取り、辞退しようと思ったのだが……そこで待った!を掛けたのがカルパスだ。
「ニコラ王は、この戦いに参加した全ての者に対し、報奨を与えると宣言しました。
それがもし一番の功労者であるリーフ様が辞退するならば、他の者達も一斉に辞退するでしょう。
他の皆様のためにも、リーフ様はしっかりと貰うべきです。」
「え、えぇ~……。それは困るね。
でも、別に郵送とかで十分なんだけどな~。
高級なお肉セットとか欲し~。」
ササッと塩をふって、軽く炙って食べたい、今。
ちょうどお昼時な事もあり、それを想像してよだれを流すと、カルパスが笑顔で首を振った。
「貴族は上が受け取ったモノ以上のモノを基本は受け取れません。
つまり、それではワンランク低いお肉セットを全員に配る事に……。」
何それ、シュール!
207
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました。これもひとえに皆様の応援のおかげです。本当にありがとうございました。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる