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第五十三章
1595 リーフ様の……
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(マリオン)
「そうです。では、ここで話は変わりますが、貴族……特に爵位が高ければ高い程、平民との線引きをしたがりますよね?
私としても、平民と同列にされるのは正直不快です。
それぞれの立場を考え、その線引きはしっかりしたい。その考えは変わりません。」
「フッ。私も同じ考えだ。
メリット、デメリットを受け入れるなら、その線引きは曖昧にすべきではないと思う。」
父の予想通りの答えに満足して、俺はニヤッと笑う。
「では、やはり魔道具が平民の手に渡る様にした方が良いでしょうね。
勿論、そのまま高性能でデザイン的な価値も高いまま売るのではありません。
外見や性能にわざと大きな差をつけて、劣化版を作って販売するのです。
平民用の魔道具として。
そうすれば、今まで用途を知らずにいた平民達はそれを知る事で、貴族の持っている魔道具に対し、嫉妬や羨望の目を向ける様になります。
そうすれば、貴族達の得られる優越感はより一層大きなモノになるでしょう。」
そこで父様と母様は、俺の目的を完全に理解した様だ。
ハッ!とした様子で、お互いの顔を見合わせる。
「そ、そうか……!今まで貴族達が、どんなに素晴らしい魔道具を貴族が持っていても、その使い方を知らなければ、実用性を重視する平民にはピンと来なかったが……。」
「知れば羨ましいと思うでしょうね。
それに劣化版だとしても、それを使う事でより仕事の効率は上がり、経済は回って領は潤いますわ。
結果、もっと優れた魔道具を求めて平民達はより一層仕事に打ち込むでしょうし、貴族たちも負けじと平民より優れた魔道具をより一層もとめる様になるでしょう。
優越感が何より大好きな高位貴族達も……!」
「その通りです。」
全てを言わずとも理解した父様と母様は、脱力した様に体をソファーに沈めた。
「これは完敗だぞ、マリオン……。まさかこんなアイディアまで出してくるとは、私の引退も近いな。」
「母も驚きました。貴方には天武の商才もありそうね。」
二人は嬉しそうに笑っていたが、俺は静かに首を横に振る。
「ありがとうございます────と言いたいところですが……実はこれは私の案ではありません。
リーフ様のご提案なのですよ。」
「「リーフ様の??」」
同時に目を丸くする両親を見てクスクス笑いながら、俺はリーフ様とダンジョン攻略した日のことを思い出していた。
兄レイブンに対する複雑な気持ちと、両親との関係、そして自分の肩にドッシリ乗っている責任と義務と……そんなモノで一杯になって泣いてしまった時の事。
大きく腫れ上がった目のせいで、休憩をとった時の事だ。
俺は気まぐれにリーフ様に尋ねた。
◇◇◇◇
「もし……また兄と会えたら……両親と兄は喧嘩になっちゃいますかね……。
リーフ様だったら、このどうしようもない溝をどうやって埋めますか……?」
「えっ?俺?────う~ん……そうだねぇ~……。」
俺はこの時、失礼だと思ってはいたが、どうしてもリーフ様が出す答えを聞いてみたくて、つい質問してしまったのだ。
ドキドキしながら答えを待っていると、リーフ様は考え込み、突然「あっ!」と何かを閃いた様に、目を輝かせた。
「そうだね~。俺ならズバリ!『共同経営』を目指すかな~?」
「共同経営……ですか??」
全く違う商売目標を掲げているのに、そんな事が可能なんだろうか……。
ピンッと来なくて首を傾げる俺に向かい、リーフ様はニッコリと満面の笑みで頷く。
「ほら、マリオンの家は、平民さんに魔道具を売らないだろう?
だから、代わりにそれができる中間販売店として働いてもらうんだよ。」
「しかし、それでは、やはりスタンティン家の魔道具を間接的ですが、平民に売ることになるのでは……?
貴族は平民と同じモノを持つことを嫌います。コスト的な問題も……。」
不安要素をつらつらとあげていくと、リーフ様は『チッ!チッ!チッ~!』と指を振った。
「勿論、マリオン家の魔道具をそのまま売らないよ。
それよりだいぶデザイン的にも性能的にも、劣化したモノを作って売って貰うんだ。」
「なるほど……!それならスタンティン家のブランド力は落ちない……。
寧ろより良い物を持っているという優越感を抱く事もできますね!」
言っている事の意図を読み、俺が興奮した様に言えば、リーフ様は『その通り!』と言わんばかりに大きく頷く。
「そうです。では、ここで話は変わりますが、貴族……特に爵位が高ければ高い程、平民との線引きをしたがりますよね?
私としても、平民と同列にされるのは正直不快です。
それぞれの立場を考え、その線引きはしっかりしたい。その考えは変わりません。」
「フッ。私も同じ考えだ。
メリット、デメリットを受け入れるなら、その線引きは曖昧にすべきではないと思う。」
父の予想通りの答えに満足して、俺はニヤッと笑う。
「では、やはり魔道具が平民の手に渡る様にした方が良いでしょうね。
勿論、そのまま高性能でデザイン的な価値も高いまま売るのではありません。
外見や性能にわざと大きな差をつけて、劣化版を作って販売するのです。
平民用の魔道具として。
そうすれば、今まで用途を知らずにいた平民達はそれを知る事で、貴族の持っている魔道具に対し、嫉妬や羨望の目を向ける様になります。
そうすれば、貴族達の得られる優越感はより一層大きなモノになるでしょう。」
そこで父様と母様は、俺の目的を完全に理解した様だ。
ハッ!とした様子で、お互いの顔を見合わせる。
「そ、そうか……!今まで貴族達が、どんなに素晴らしい魔道具を貴族が持っていても、その使い方を知らなければ、実用性を重視する平民にはピンと来なかったが……。」
「知れば羨ましいと思うでしょうね。
それに劣化版だとしても、それを使う事でより仕事の効率は上がり、経済は回って領は潤いますわ。
結果、もっと優れた魔道具を求めて平民達はより一層仕事に打ち込むでしょうし、貴族たちも負けじと平民より優れた魔道具をより一層もとめる様になるでしょう。
優越感が何より大好きな高位貴族達も……!」
「その通りです。」
全てを言わずとも理解した父様と母様は、脱力した様に体をソファーに沈めた。
「これは完敗だぞ、マリオン……。まさかこんなアイディアまで出してくるとは、私の引退も近いな。」
「母も驚きました。貴方には天武の商才もありそうね。」
二人は嬉しそうに笑っていたが、俺は静かに首を横に振る。
「ありがとうございます────と言いたいところですが……実はこれは私の案ではありません。
リーフ様のご提案なのですよ。」
「「リーフ様の??」」
同時に目を丸くする両親を見てクスクス笑いながら、俺はリーフ様とダンジョン攻略した日のことを思い出していた。
兄レイブンに対する複雑な気持ちと、両親との関係、そして自分の肩にドッシリ乗っている責任と義務と……そんなモノで一杯になって泣いてしまった時の事。
大きく腫れ上がった目のせいで、休憩をとった時の事だ。
俺は気まぐれにリーフ様に尋ねた。
◇◇◇◇
「もし……また兄と会えたら……両親と兄は喧嘩になっちゃいますかね……。
リーフ様だったら、このどうしようもない溝をどうやって埋めますか……?」
「えっ?俺?────う~ん……そうだねぇ~……。」
俺はこの時、失礼だと思ってはいたが、どうしてもリーフ様が出す答えを聞いてみたくて、つい質問してしまったのだ。
ドキドキしながら答えを待っていると、リーフ様は考え込み、突然「あっ!」と何かを閃いた様に、目を輝かせた。
「そうだね~。俺ならズバリ!『共同経営』を目指すかな~?」
「共同経営……ですか??」
全く違う商売目標を掲げているのに、そんな事が可能なんだろうか……。
ピンッと来なくて首を傾げる俺に向かい、リーフ様はニッコリと満面の笑みで頷く。
「ほら、マリオンの家は、平民さんに魔道具を売らないだろう?
だから、代わりにそれができる中間販売店として働いてもらうんだよ。」
「しかし、それでは、やはりスタンティン家の魔道具を間接的ですが、平民に売ることになるのでは……?
貴族は平民と同じモノを持つことを嫌います。コスト的な問題も……。」
不安要素をつらつらとあげていくと、リーフ様は『チッ!チッ!チッ~!』と指を振った。
「勿論、マリオン家の魔道具をそのまま売らないよ。
それよりだいぶデザイン的にも性能的にも、劣化したモノを作って売って貰うんだ。」
「なるほど……!それならスタンティン家のブランド力は落ちない……。
寧ろより良い物を持っているという優越感を抱く事もできますね!」
言っている事の意図を読み、俺が興奮した様に言えば、リーフ様は『その通り!』と言わんばかりに大きく頷く。
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