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第五十三章
1604 全てにいるモノ
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(???)
「う……嘘だろう……?」
神幹部が一人、ノールはブルブルと震えながら真っ白な空間の中、宙に浮かぶ巨大な窓を見上げていた。
そこには、見事呪災害の卵から生まれたモノを倒し、決められていたはずの運命が全て変わってしまった瞬間が映っている。
ノールの隣にいる同じく神幹部であるリイトとアースも、大きく震えながらベターン!と盛大に尻餅をついた。
「な、な、な……っ!!!」
「どっ、どうしてこんな事が……っ。」
リイトは窓を指差しながら叫び、アースもオロオロと落ち着きなく動く。
しかし────……。
「いやっほ~~っい!!!」
三人がブルブル震えて動揺している中、たった一人だけ、テンション高く飛び上がっている人物がいた。
両手には<大樹>と書かれたうちわが握られていて、キャーキャー言いながら窓に向かってうちわと同じ名前を叫んでいる。
神幹部が一人、レーニャだ。
「大樹さ~ん!!流石で────す!!!レーニャは……レーニャは……感動致しました!!」
感極まった様子で叫んだレーニャはバタンッ!!と倒れ、そのままゴロゴロと転がり回って叫び続けた。
そんなレーニャを見て、三人はスンッ……と冷静さを取り戻す。
「……とりあえず、起こった事を冷静に確認しよう。
元々決まっていた未来では、呪いの蝶は大勢の命と引き換えに倒されたはず。」
ノールは、今まで見えていた運命の映像を思い出しながら言うと、リイトがそれに頷いた。
「それで合っていたはずよ。
そこから一気に『無』の世界へのカウントダウンが始まったはずだけど……大樹さんが黒い蝶を倒してから、運命の映像が見えなくなっちゃったわ。
これじゃあ、この先何が起きるか……。」
リイトが目を瞑り、必死に何かを探そうとしたが、見つからない様で頭を抱えている。
すると、同じく目を瞑っていたアースが静かに首を横に振った。
「だめだ……。運命の痕跡すら、今は見つからない。多分『補正』が間に合っていないんだ。
これじゃあ、全く新たな未来が創られちゃう……。
こんな事、僕が神幹部になってから一度もない異常事態だよ。
一体これからどうなるんだろう……。」
一斉に青ざめ、焦るノール、リイト、アースであったが、こんなにも大規模な変化は誰一人として経験がなく、どうして良いかが分からない。
しかし、このままボンヤリしているわけにもいかないため、ノールは両頬を叩いて気合を入れ直した。
「とりあえずは、全員で細かい補正部分の対応をしよう。
だが……そもそも運命は、絶対に変える事ができない事が前提のはずなのに、こんな事が起きた。だから慎重に事を進めないとな……。」
ノールの言葉に、リイトとアースは喉を鳴らしながらコクリと頷く。
そして、直ぐに自分の担当している世界全てへ連絡を取りながら、膨大な情報量を次々と頭の中で整理していった。
その中で……ある事をフッと思い出したリイトが何気なく話を始める。
「そういえば……私の担当地域の中でも、ここまでではなかったけど、小さな変化が何度か起こった事があったのよね。
元々決まっているはずの運命が変わった事。
ただ、その時は全体的に見ればとても些細なことで……次の世代で補正できるくらいのモノだったから、そこまで気にしなかったんだけど……。」
「えっ?リイトの所も?実は僕の所もだよ。極たまに、小さい変化が現れるんだ。
だから小さいエラーって結構起きるんだって思ってたんだけど……。」
リイトに引き続きアースまで妙な事を言い出したため、ノールはその小さいながら大きな違和感に、動きを一旦止めた。
「……そういえば、俺の所の担当地域でもたまに起きるんだ。
でも……これだけ広い地域でそんなに起こっているのは……変じゃないか?
俺はてっきり自分の地域の中で少しだけだと思っていたんだが……。
大した事がない事といっても【理】に穴を開ける程のパワーが必要な事なのに……?」
「…………。」
「…………。」
ノールが自分の頂いた違和感について語ると、リイトとアースは神妙な顔で黙り込む。
『おかしい……。』
そう三人はやっと理解した。
そしてなにやら恐ろしい事を知ってしまうかもしれない恐怖に襲われたが……それでも、今回の大きな変化に対応するには、この違和感の正体を確かめるべきだと思った。
三人はお互い見つめ合い頷くと、その変化があった場所と時代について改めて情報を洗い直す。
すると────……。
「え…………。」
「や……やだ。なにこれ……。」
「嘘……。」
ノール、リイト、アースは同時に答えに辿りついた様で、真っ青になってまた震えだした。
そして言葉なく沈黙が続いたが、ノールが震えながらボソッと呟く。
「全ての場所と時代に……大樹さんがいる。」
その言葉が真実なのは、他の二人の更に血の気が引いていく顔で分かった。
リイトとアースが覗いた情報の中にも、必ず変化が訪れた場所と時代に大樹がいる。
二人は流れていく汗を腕で拭き取りながら、ボソボソと話始める。
「う……嘘だろう……?」
神幹部が一人、ノールはブルブルと震えながら真っ白な空間の中、宙に浮かぶ巨大な窓を見上げていた。
そこには、見事呪災害の卵から生まれたモノを倒し、決められていたはずの運命が全て変わってしまった瞬間が映っている。
ノールの隣にいる同じく神幹部であるリイトとアースも、大きく震えながらベターン!と盛大に尻餅をついた。
「な、な、な……っ!!!」
「どっ、どうしてこんな事が……っ。」
リイトは窓を指差しながら叫び、アースもオロオロと落ち着きなく動く。
しかし────……。
「いやっほ~~っい!!!」
三人がブルブル震えて動揺している中、たった一人だけ、テンション高く飛び上がっている人物がいた。
両手には<大樹>と書かれたうちわが握られていて、キャーキャー言いながら窓に向かってうちわと同じ名前を叫んでいる。
神幹部が一人、レーニャだ。
「大樹さ~ん!!流石で────す!!!レーニャは……レーニャは……感動致しました!!」
感極まった様子で叫んだレーニャはバタンッ!!と倒れ、そのままゴロゴロと転がり回って叫び続けた。
そんなレーニャを見て、三人はスンッ……と冷静さを取り戻す。
「……とりあえず、起こった事を冷静に確認しよう。
元々決まっていた未来では、呪いの蝶は大勢の命と引き換えに倒されたはず。」
ノールは、今まで見えていた運命の映像を思い出しながら言うと、リイトがそれに頷いた。
「それで合っていたはずよ。
そこから一気に『無』の世界へのカウントダウンが始まったはずだけど……大樹さんが黒い蝶を倒してから、運命の映像が見えなくなっちゃったわ。
これじゃあ、この先何が起きるか……。」
リイトが目を瞑り、必死に何かを探そうとしたが、見つからない様で頭を抱えている。
すると、同じく目を瞑っていたアースが静かに首を横に振った。
「だめだ……。運命の痕跡すら、今は見つからない。多分『補正』が間に合っていないんだ。
これじゃあ、全く新たな未来が創られちゃう……。
こんな事、僕が神幹部になってから一度もない異常事態だよ。
一体これからどうなるんだろう……。」
一斉に青ざめ、焦るノール、リイト、アースであったが、こんなにも大規模な変化は誰一人として経験がなく、どうして良いかが分からない。
しかし、このままボンヤリしているわけにもいかないため、ノールは両頬を叩いて気合を入れ直した。
「とりあえずは、全員で細かい補正部分の対応をしよう。
だが……そもそも運命は、絶対に変える事ができない事が前提のはずなのに、こんな事が起きた。だから慎重に事を進めないとな……。」
ノールの言葉に、リイトとアースは喉を鳴らしながらコクリと頷く。
そして、直ぐに自分の担当している世界全てへ連絡を取りながら、膨大な情報量を次々と頭の中で整理していった。
その中で……ある事をフッと思い出したリイトが何気なく話を始める。
「そういえば……私の担当地域の中でも、ここまでではなかったけど、小さな変化が何度か起こった事があったのよね。
元々決まっているはずの運命が変わった事。
ただ、その時は全体的に見ればとても些細なことで……次の世代で補正できるくらいのモノだったから、そこまで気にしなかったんだけど……。」
「えっ?リイトの所も?実は僕の所もだよ。極たまに、小さい変化が現れるんだ。
だから小さいエラーって結構起きるんだって思ってたんだけど……。」
リイトに引き続きアースまで妙な事を言い出したため、ノールはその小さいながら大きな違和感に、動きを一旦止めた。
「……そういえば、俺の所の担当地域でもたまに起きるんだ。
でも……これだけ広い地域でそんなに起こっているのは……変じゃないか?
俺はてっきり自分の地域の中で少しだけだと思っていたんだが……。
大した事がない事といっても【理】に穴を開ける程のパワーが必要な事なのに……?」
「…………。」
「…………。」
ノールが自分の頂いた違和感について語ると、リイトとアースは神妙な顔で黙り込む。
『おかしい……。』
そう三人はやっと理解した。
そしてなにやら恐ろしい事を知ってしまうかもしれない恐怖に襲われたが……それでも、今回の大きな変化に対応するには、この違和感の正体を確かめるべきだと思った。
三人はお互い見つめ合い頷くと、その変化があった場所と時代について改めて情報を洗い直す。
すると────……。
「え…………。」
「や……やだ。なにこれ……。」
「嘘……。」
ノール、リイト、アースは同時に答えに辿りついた様で、真っ青になってまた震えだした。
そして言葉なく沈黙が続いたが、ノールが震えながらボソッと呟く。
「全ての場所と時代に……大樹さんがいる。」
その言葉が真実なのは、他の二人の更に血の気が引いていく顔で分かった。
リイトとアースが覗いた情報の中にも、必ず変化が訪れた場所と時代に大樹がいる。
二人は流れていく汗を腕で拭き取りながら、ボソボソと話始める。
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