【完結】もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない

バナナ男さん

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社会人編

5 何から突っ込めばいいの?

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ちなみに俺達の家は、大学の頃と同じではなく、大学卒業と共に翔名義の超高層マンション……いわゆるタワマンってヤツだ。
しかもその最上階という……俺みたいな一般人ならお目にかかる事だってない世界に住んでいる。

翔はそのマンションに付属している駐車場に車を止めると、直ぐに助手席の方へと回り込み、ドアを開けた。
そして慌ててシートベルトを外した俺を抱きかかえる様に立たせ、そのまま腰を掴んで引きずるように中へと連れてかれる。

「あ、あのさ、いつも言ってるんだけど、一人で歩け────……。」

「先にお風呂に入ろうね。その後ご飯にするから。」

相変わらず人の話を全く聞いてない翔に、大きなため息が漏れたが……ここで怒らせるのも面倒だったので、大人しく口を閉じた。


翔は現在、俺の勤めている中小企業とは違うめちゃくちゃ有名な大手企業で働いている。
だから当然忙しいはずなのに、こんな俺の面倒なんて見てて大丈夫なのか……。
そんな心配は常にあった。

「あのさ、毎日忙しいんじゃないのか?だからやっぱり俺も家事を……。」

「源の持ち帰った仕事は、もう俺が終わらせておいたから大丈夫だよ。源は頑張りやさんだもんね。
でもホントは仕事なんて止めて欲しいんだけどな。」


スリスリ……。

腰を掴んでいる手が、撫でる様にその周辺を触ってきて擽ったかったが、それどころではない。

いや、だからなんで知ってるんだ??

「かけ────。」

翔の名前を言いかけたのだが、その前にいつもマンションに常駐しているコンセルジュが俺達に頭を下げたので、俺も黙って頭を下げた。
そしてエレベーターに入ると、そのまま最上階へ。
そこには赤いカーペットが敷かれた廊下が続き、正面のドアから部屋の中に入れる様になっている。
足の裏に感じるふわふわした感触を味わいながら、掃除の行き届いた廊下を見下ろし、俺は何から話を切り出していいか本気で悩んでしまった。

なんかもう、全部ツッコミをいれたい。
でも、もう何からツッコんでいいか分からない。

頭を抱えている間にもドアは開かれ、俺達の住む部屋が姿を現す。

広くて綺麗で上品さも感じる部屋の中。
ぱっと見た感じは、まるで超高級ホテルの宣伝に使えそうな外観で、家具も詳しくはしらないが、絶対に高いと分かる程のモノばかり。
一面大きな窓がついているため、ネオンの光や空の星達の光で、まるで空に浮かぶ家にいる様な気分になる。

「…………。」

黙ったままの俺を翔は風呂場へと連れて行き、そのまま上着を脱がしてきた。
それにハッ!として自分で脱ごうと手を挙げたが……パンッと優しく手をはたき落とされる。

「どうして嫌がるの?いいからそのまま大人しくしててよ。」

「え、嫌だよ。なんで子供みたいに脱がせられないと駄目なんだ……。」

呆れながらもう一度手を挙げようとすると、そのままグッ!とシャツを握られ、なんと勢いよく引き裂かれてしまった。


────ブチブチブチ~!!!

そのせいで弾け飛んだボタンを呆然と見ていると、翔はいきなり怒鳴り散らしてくる。


「なんでそんなに嫌がるんだよ!!
だってアズマって男には、今日抱きつかれても嫌がらなかったのに!!」

「はぁ?抱き……???────あぁ~……あれか。」


お弁当を食べている時、首に腕を回されたアレか……。

思い当たる節があったため、納得していると、そのまま翔はズボンにも手を掛け勢いよく脱がしてきた。

「────っ!!??うわっ!!ちょっ!?」

「源は目を離すとすぐそうだ。
ほら、早く見せて。違うっていうなら見たっていいでしょ!」

「?????」

理解不能な言葉の連続に混乱している間に、丸裸にされてしまった俺は、そのまま翔にマジマジと見られる。
流石にそんなに見られたら同性でも恥ずかしい!と、さり気なく手で股間部を隠そうとしたが……翔に手を捕まれ後ろに回されてしまった。

「うん、朝と同じだね。大丈夫大丈夫……。」

ブツブツと何やら大丈夫だと呟き続ける翔に、何か狂気めいたモノを感じてゾッとする。

一体何が大丈夫???
まさか、まだ成長するとか思っている??

いやいや、流石にそれは……と心の中で否定していると、突然クルッと後ろを向かされ、壁に顔をつけられ、お尻を突き出す体勢を取らされた。

「????!!!」

流石にこれは酷い!と暴れたが、頭は掴まれ壁にくっつけられ、もう片方は俺の手を掴み捩じ上げられているので身動きがとれない!

「 ────なっ!!バカッ!!止めろよ!! 」

必死の抵抗も虚しく、なんと翔は俺のお尻を覗き込む仕草まで背後でしている様であった。

これじゃあ刑務所の身体検査だ。
流石の俺だって人権侵害で訴えるぞ!


「────~……っ……っ!!嫌だって言ってんだろ!!」

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