親同士の決め事でしょう?

泉花ゆき

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カレンが自分の部屋で目を覚ましたとき、まず気が付いたのはひどい頭痛が自分を襲っているということだった。

「うっ……気持ち悪………」

更には身体の中に残っている酒精アルコールが酷い気分を引き起こしている。

昨夜は侯爵家の馬車に無理やり押し込められ、実家へと送り届けられた。その侯爵家の御者は、何やらついでにカレンの両親に小言を届けてくれたらしい。

普段はカレンの奔放さに呆れつつも元気がいいなどと放ってくれていた両親だったが……今朝はまるで別人のように形相を変えて彼女を待ち構えていた。

それもそのはずだった。侯爵家から直々に届いたのは嫌味を多分に含んだ伝言。主には、カレンの不躾な振る舞いについて『教育を疑う』という旨のものだった。

「いいかカレン。ほとぼりが冷めるまで、一歩も外へ出ることは許さんからな!」

父親の怒号がまだ耳に残っている。

外出禁止。すぐにアルフレッドの隣に行って遊び回っては憂さを晴らしていたカレンにとっては、これ以上ない罰だった。そもそも自領が退屈の極みであることが、彼女にとって憂鬱なことの筆頭だ。

(こんな田舎で何もないところ……外に出たって何にもないっていうのに……)

自室のベッドに突っ伏したまま、カレンはため息を繰り返す。

カレンの両親とて、本心では娘が隣領の跡取りであるアルフレッドと仲を深めることを期待していたのだ。だからこそ、今回の大失態で侯爵家に泥を塗った娘の愚行が許せなかった。

「……全部、あの女が悪いっていうのに」

カレンは枕を強く掴んだ。
大体にしてあの女が突然自分とアルフレッドの合間に入り込もうとしてきたことが全ての原因だ。

あんな女が来なければアルフレッドの両親とて、カレンのことをまるで娘のように大事に思っていたはずで。今回、こんな風に無理やり見苦しく送り出されることだってなかったはず。

窓の外は、どんよりとした曇り空。せめて晴れ渡ってさえいればもう少し気分もいいかもしれなかったというのに。

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