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殿下は、自分の仕事を全部私が仕上げてくるのが当然という口調で言い放った。
以前の私なら何だかんだ言いながらも言われたとおりに仕上げてしまっていただろう。場合によっては、遅くなって申し訳ございません……などと言って頭を下げていたのかもしれない。
(今となっては、何でそんなことをしてたのか分からないくらい)
何か言い返す気力がある時でさえ、殿下も少しは手伝ってくだされば……と伝えることが精いっぱいで。そしてその時には、ただ鬱陶しがられて終わりだった。
「…………」
「な、なんだその笑顔は。気味の悪い……」
けれど、そんな日々は昨日までで終わり。
「もちろん、お持ちしましたわ」
私は、持っていた分厚いファイルを胸の位置からパッと手を離して机へと落とした。
ドサッと重たい音がする。
「……なんだ、これは」
いつも殿下が目にするのは、私がすべて処理してまとめあげた書類がせいぜい数枚のみ。
けれどこれは未処理の、それも資料などもそのまま乗せているファイル。
表紙を開いた王子は、すぐにそのことに気が付いたようだった。
「おいっ、まとめておけと言ったはずだぞ!本当にお前は出来の悪い……っ」
「そうですね、お気づきの通り……こちらは全て、未決裁のものですわ。まずは行事予定のファイルです」
まずは。そう伝えたことに、殿下は気が付いているのかいないのか。
まだまだあるんですのよ、重くて持って来られなかったものが。あと数十冊かしら?
しかし、殿下は私が差し出したこの一冊だけでも気に入らないようだった。
「だから!それを要約して、僕がサインするだけでいいようにするのがお前の仕事だろう!自分の仕事を何だと思ってるんだ!?」
……これは、おそらく気が付いていませんわね。
それに、この方は本当に何を言っているのかしら……
「……ジェラルド様」
私は、体の前で手を揃えました。唇に浮かべた笑みは崩さないまま。
「そっくりそのままお返しいたします。ご自身の仕事を何だと思っておいでですか?」
「はあっ!?」
以前の私なら何だかんだ言いながらも言われたとおりに仕上げてしまっていただろう。場合によっては、遅くなって申し訳ございません……などと言って頭を下げていたのかもしれない。
(今となっては、何でそんなことをしてたのか分からないくらい)
何か言い返す気力がある時でさえ、殿下も少しは手伝ってくだされば……と伝えることが精いっぱいで。そしてその時には、ただ鬱陶しがられて終わりだった。
「…………」
「な、なんだその笑顔は。気味の悪い……」
けれど、そんな日々は昨日までで終わり。
「もちろん、お持ちしましたわ」
私は、持っていた分厚いファイルを胸の位置からパッと手を離して机へと落とした。
ドサッと重たい音がする。
「……なんだ、これは」
いつも殿下が目にするのは、私がすべて処理してまとめあげた書類がせいぜい数枚のみ。
けれどこれは未処理の、それも資料などもそのまま乗せているファイル。
表紙を開いた王子は、すぐにそのことに気が付いたようだった。
「おいっ、まとめておけと言ったはずだぞ!本当にお前は出来の悪い……っ」
「そうですね、お気づきの通り……こちらは全て、未決裁のものですわ。まずは行事予定のファイルです」
まずは。そう伝えたことに、殿下は気が付いているのかいないのか。
まだまだあるんですのよ、重くて持って来られなかったものが。あと数十冊かしら?
しかし、殿下は私が差し出したこの一冊だけでも気に入らないようだった。
「だから!それを要約して、僕がサインするだけでいいようにするのがお前の仕事だろう!自分の仕事を何だと思ってるんだ!?」
……これは、おそらく気が付いていませんわね。
それに、この方は本当に何を言っているのかしら……
「……ジェラルド様」
私は、体の前で手を揃えました。唇に浮かべた笑みは崩さないまま。
「そっくりそのままお返しいたします。ご自身の仕事を何だと思っておいでですか?」
「はあっ!?」
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