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あくる日の昼休み。
生徒会室で殿下に関わりない書類の整理をしていた私の元に、二人の女子生徒が泣きついてきた。
彼女たちの素性はすぐに分かった。近衛騎士団長の息子と婚約している伯爵令嬢……それに、宰相の息子と婚約している子爵令嬢だ。
「ヴィクトリア様……お願いです、あの方を……ミナ嬢をどうにかしてください……」
「このままでは、わたくしたち……っ」
「まあ、どうされたのです……?」
彼女たちは涙で表情を崩しながら、自らが置かれているというその惨状を訴えた。
「実は……!」
……話を聞けば、ミナ嬢は彼女たちの婚約者に対し、常識では考えられないようなスキンシップを行っているという。
「私の婚約者は騎士団長様のご子息なのですが……ミナ嬢はとても気軽に腕へ触れたり……ほとんど抱きついているかのよう……」
「私の婚約者は宰相様のご子息です。ミナ嬢は彼に、まるで口付けをするような近さで顔を覗いていて……」
貴族社会において、婚約者以外の異性に触れることは不貞に等しい。けれど彼女はそのことを、挨拶代わりだと言って憚らないのだという。
騎士団長の息子には腕に触れて抱き着くようにし、宰相の息子にはまるで近しいものがそうするように顔を覗き込む。
筋肉がすごいだの、眼鏡を外した顔が気になるだの言いながら。
(彼女の心は、第二王子一人では到底満たされないということなのね……)
今名前の挙がっている生徒たちは、学園内の有力な貴族令息たちだ。そのような男性ばかりを狙って近付いているのに違いなかった。
「私の婚約者も、最初は困惑していたのに……最近では……ミナは無邪気で可愛いなんて言い出して……」
「注意したら、心の狭い女だ……と逆に怒られてしまいましたの……」
彼女たちの悲痛な叫びは、かつての私自身の叫びでもあった。
きっと、この学園内で二人の気持ちが分かる人物は私以上にはいないだろう……私は彼女たちの震える肩をなだめ、深く頷いた。
「分かりました。風紀の乱れも生徒会の管轄……私が直接、お二人と話してみます」
彼女たちを励ますと、その足で中庭へと向かう。……そこでは、まさに証言通りの光景が繰り広げられていた。
生徒会室で殿下に関わりない書類の整理をしていた私の元に、二人の女子生徒が泣きついてきた。
彼女たちの素性はすぐに分かった。近衛騎士団長の息子と婚約している伯爵令嬢……それに、宰相の息子と婚約している子爵令嬢だ。
「ヴィクトリア様……お願いです、あの方を……ミナ嬢をどうにかしてください……」
「このままでは、わたくしたち……っ」
「まあ、どうされたのです……?」
彼女たちは涙で表情を崩しながら、自らが置かれているというその惨状を訴えた。
「実は……!」
……話を聞けば、ミナ嬢は彼女たちの婚約者に対し、常識では考えられないようなスキンシップを行っているという。
「私の婚約者は騎士団長様のご子息なのですが……ミナ嬢はとても気軽に腕へ触れたり……ほとんど抱きついているかのよう……」
「私の婚約者は宰相様のご子息です。ミナ嬢は彼に、まるで口付けをするような近さで顔を覗いていて……」
貴族社会において、婚約者以外の異性に触れることは不貞に等しい。けれど彼女はそのことを、挨拶代わりだと言って憚らないのだという。
騎士団長の息子には腕に触れて抱き着くようにし、宰相の息子にはまるで近しいものがそうするように顔を覗き込む。
筋肉がすごいだの、眼鏡を外した顔が気になるだの言いながら。
(彼女の心は、第二王子一人では到底満たされないということなのね……)
今名前の挙がっている生徒たちは、学園内の有力な貴族令息たちだ。そのような男性ばかりを狙って近付いているのに違いなかった。
「私の婚約者も、最初は困惑していたのに……最近では……ミナは無邪気で可愛いなんて言い出して……」
「注意したら、心の狭い女だ……と逆に怒られてしまいましたの……」
彼女たちの悲痛な叫びは、かつての私自身の叫びでもあった。
きっと、この学園内で二人の気持ちが分かる人物は私以上にはいないだろう……私は彼女たちの震える肩をなだめ、深く頷いた。
「分かりました。風紀の乱れも生徒会の管轄……私が直接、お二人と話してみます」
彼女たちを励ますと、その足で中庭へと向かう。……そこでは、まさに証言通りの光景が繰り広げられていた。
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