婚約者に浮気されたので、肩代わりしてた公務その他をお返しします

泉花ゆき

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男性陣はものの見事に黙り込んだ。そしてその沈黙を切り裂いたのは、男たちの背後から響いた……耳を刺すような金切り声だった。

「あのさぁ……さっきから聞いてれば、何様のつもりなんですかぁ?」

ミナが、レイ様の腕を振り払うようにして私の前に飛び出してきた。彼女の瞳は怒りに濁っている。先ほどまで私を見下している時に浮かべていた嘲笑とは真逆の、激しい憎悪で顔を歪ませていた。

「カイン様とレイ様を責めるなんて本当に卑怯者のやることってひどいよね。この人たちはあなたにいじめられている私を助けてくれてるだけなのに……それを婚約者にバラすとか脅すなんて意味わかんない!」

彼女は今にも私に掴みかからんばかりの勢いで詰め寄ってきた。

「本当にどこまで性格が悪いっていうの?そんな風に周りの人を不幸にして喜ぶなんて、人間として最低です~。ジェラルド様に捨てられるのも当然だったよね……」

その背後で、カイン様とレイ様が気まずそうに視線を逸らす。ミナはそんな男たちの様子など目に入らないと言わんばかりに、さらに声を張り上げた。

「あんなに素敵な人にまで愛想を尽かされるなんて、よっぽどのことなのに分かってる?」

投げつけられる罵倒の数々はあまりにも的はずれだがもはや怒りもわかなかった。

「そうですか。事実を伝えることが性格の悪さに直結するだなんて、どこから繋いだ法則なのかは分かりませんが……ジェラルド様が素敵というのは人によるとして……愛想を尽かせたのはこちらですから」

「はぁ……!?」

にこ、と笑ってみせるとミナ嬢の不機嫌が加速する。

……彼女は今この瞬間でさえ、男性陣のことを考えて発言しているのではないのだろう。ただ他ならない私が伝えていること自体に怒りを抑えられないようだった。

「もしそれが性格の悪さだと言うのであれば、そのそしりを受けましょう。少なくとも、甘い偽りで他人の人生を狂わせるよりは誠実な行いだと自負しておりますので」

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