【R18】指先に、星の誓いを

夕月

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「どう……かな」
 寝室の扉から顔をのぞかせて、ステラはエリオスに声をかける。
 悩みに悩んで着替えた服は、エリオスの髪色によく似た濃紺のワンピース。胸元には銀色のビジューがついていて、まるでエリオスのようだと一目惚れして、随分前に購入したものだ。買ったものの着て行く場所などなくて、袖を通すのは初めてだけど。

 リビングのソファでステラの着替えを待っていたエリオスは、嬉しそうにうなずいた。
「すごくよく似合う。俺の色を纏ってるようで、なんかいいな」
「うん、お店で見た時に、エリオスみたいって思ったの」
「会わない時も、俺のことを思い出してくれるなんて、めちゃくちゃ嬉しいな。それじゃあステラ、こっちにおいで」
 にっこりと笑って手を差し出され、ステラは少しはにかみつつエリオスのもとに向かう。
 ステラの手をとったエリオスは、仕上げをしようと小さく笑って、指先にそっと唇を押し当てた。
 ふわりと淡い銀色の光が指先を包み込み、驚きに瞬きを繰り返すステラの前で、エリオスは全ての指に優しい口づけを落とした。

「……うん、これで良し」
 確認するようにステラの指先を撫でて、エリオスは満足そうに笑う。何も塗っていなかったはずのステラの爪は、美しい銀色の光を纏っている。ちらちらと、指を動かすたびに繊細な光を放ち、その美しさにステラは見惚れた。
「わぁ、綺麗……」
「初めてのデートだからね、おめかししなきゃ。……っていうのは建前で、これはお守り」
「お守り?」
 首をかしげるステラを見て、エリオスは照れくさそうに笑った。

「星祭りは、人が集まるからね。ステラを他のやつにとられてしまったら困るから、俺のだっていうしるし」
 その服じゃ、胸元の痕は見えないから、と耳元で囁かれて、ステラは赤く染まった頬を押さえる。
「可愛い恋人を、今日初めて会うようなやつに奪われるわけにはいかないからね。こっちは10年近く想い続けて、ようやく叶ったんだから」
「そんな心配、必要ないと思うけど……」
 頬を押さえつつ、ステラはつぶやく。どう考えても、エリオスが女性に囲まれる方が心配だ。そう告げると、エリオスは笑って首を振った。

「ステラ以外の女性には興味なんてないよ。それに、俺はステラの魔力をたっぷり纏ってるんだから、ステラにも同じように俺の魔力を纏っていて欲しいんだよ」
 もう一度指先に口づけながらそう言われて、ステラも笑ってうなずいた。重たいほどの執着心を見せられて、それが嬉しくてたまらない。ステラだって、ほとんど10年越しの恋を、しかも初めての恋を叶えたのだから。

 2人は顔を見合わせて笑うと一度唇を重ね、それから手を繋いで部屋を出た。
 初めて2人で外に出たことが、それだけで嬉しくてステラはくすくすと笑う。
 ステラの爪は、きらきらと輝いてまるで星のよう。
 確認するようにもう一度指先に口づけて、エリオスはステラの身体を抱き寄せた。
 お互いの魔力を纏った2人は、しっかりと手を繋いでゆっくりと歩き出した。
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