ミジンコ転生!~最弱だけど絶対復讐倍返し~

堀籠 遼ノ助

文字の大きさ
8 / 21
極小世界へようこそ

micro008 美食ハンター

しおりを挟む
 さて、この倒した敵の残骸なんだが。
 ……食えるだろうか? いや、そんな疑問が出てくる時点でおかしな発想なんだが、俺の本能が語りかけてくるのだ。食えと!

「キュウ」

 グリがもの欲しそうに俺を見ている。食べたいのかな? いいぞ俺に気を遣わなくても。食え食え。

「キュウ♪」

 グリがミカズキモにかじりつく。ミカズキモは死ぬとやわらかくなるのか、難なく引き剥がして食べていく。
 
 ……旨そうだな。よし、ちょっと俺もチャレンジしてみよう。
 
 口ばしでミカズキモの肉を引き剥がす。
 
 むしゃ……
 
 むむむむ! これは旨いぞ!
 うーまーいーぞー!(大事な事なので2回言いました)
 
 肉とは言えないが、植物でもない中間のような味。
 癖の無いみずみずしい旨みが口の中いっぱいに広がってゆく。
 これは癖になるな。また見つけたらグリと狩ってしまおう。
 
 腹が膨れた頃には、少し日が翳ってきていた。

 まずいな、暗くなる前に練れる場所を探さなくては。

 俺とグリは海草の森を奥へと向かって進んでいく。すると、海草が深く生い茂った先に巨大な砂山を見つけた。
 ここを掘っていけば、いい感じの洞窟を作れるんじゃないかな?
 
「キュウ!(よし、掘るんだグリ!)」
 
「キュウ?」
 
 ん? 俺は何をするのかっていう疑問かな?
 
「キュウ!(俺は現場監督という大事な役目があるんだ!)」

「キュウ!」
 
 グラが納得したように頷き、作業を開始する。
 
 いやいや疑え疑え。そこはつっこむところだから。俺も一緒にやるって。
 
 「キュウ?」
 
 グラが作業を手伝い始めた俺の顔を不思議そうな顔で見つめた。
 ……そんな純粋そうな顔で俺を見つめるなよ。俺が悪かったってば。
 
 こいつは冗談が通じなくて困る。どうやらミジンコってのは純粋な種族のようだ。
 俺? 俺は前世の感性を受け継いでいるみたいだからな。別枠だろう。
 
 俺はグラと一緒に砂山を掘る作業を進める。
 砂とはいっても、一粒一粒が俺たちと同じくらいの大きさだ。水の中とはいえ、かなりの重労働だ。
 
 日が落ちる頃になって、ようやく俺とグラが入れるくらいのスペースを確保した。
 掘っている時に敵が狙ってこないか心配だったが、大丈夫だったようだ。ここは海草が入り組んでるし、比較的安全な場所なのかもしれないな。
 
 よし、あとはその辺の海草を入り口付近に持ってきて……っと。完成だ!
 
「キュウ!」

 うん、今回は本当に頑張ったなグリ。偉いぞ!
 
 俺はグリの頭を爪でわしゃわしゃしてやる。
 ……なでづらいなあこの体。
 
「キュウ! キュウ!」

 だがそれでもグリは嬉しそうだ。うんうん、よかった。お前が嬉しいと俺も嬉しいぞ。
 さて、今日はもう遅い。寝るとしようか。
 
 俺たちは新築の巣に入る。するとグリは疲れていたのか、あっという間に寝始めてしまった。
 
 そりゃあ、今日は色々あったからなあ。それに、こいつ俺と同じ日に生まれたんだとしたら、生後0日だ。生まれてすぐに殺されかけるわ、俺と初戦闘を行うわ、巣穴は作るわだからな。疲れて当然だ。今日はゆっくりと休んでくれ。
 
 ……そういえば、他の兄弟はみんなミドリムシにやられちまったのかなあ。……あいつらの分も強く生きなくてはな。早く強くなってあいつらのかたきを討ってやるか。それが生き残った俺たちの責務ってやつだ。
 よし、首を洗ってまってろよ、ミドリムシ!
 
 ミドリムシへのリベンジを誓ったところで、俺の意識はまどろみ、夢の世界へと落ちていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜

namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。 かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。 無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。 前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。 アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。 「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」 家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。 立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。 これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。

私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍
ファンタジー
 "私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。  動けない、何もできない、そもそも身体がない。  自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。 ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。  それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!

悪役令嬢の父は売られた喧嘩は徹底的に買うことにした

まるまる⭐️
ファンタジー
【第5回ファンタジーカップにおきまして痛快大逆転賞を頂戴いたしました。応援頂き、本当にありがとうございました】「アルテミス! 其方の様な性根の腐った女はこの私に相応しくない!! よって其方との婚約は、今、この場を持って破棄する!!」 王立学園の卒業生達を祝うための祝賀パーティー。娘の晴れ姿を1目見ようと久しぶりに王都に赴いたワシは、公衆の面前で王太子に婚約破棄される愛する娘の姿を見て愕然とした。 大事な娘を守ろうと飛び出したワシは、王太子と対峙するうちに、この婚約破棄の裏に隠れた黒幕の存在に気が付く。 おのれ。ワシの可愛いアルテミスちゃんの今までの血の滲む様な努力を台無しにしおって……。 ワシの怒りに火がついた。 ところが反撃しようとその黒幕を探るうち、その奥には陰謀と更なる黒幕の存在が……。 乗り掛かった船。ここでやめては男が廃る。売られた喧嘩は徹底的に買おうではないか!! ※※ ファンタジーカップ、折角のお祭りです。遅ればせながら参加してみます。

処理中です...