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第6章 呉との闘い
91 魔導列車完成①
しおりを挟むミニゴーレムが何かを訴えるように、しきりにズボンの裾をくいくいしている。どうしてこんなところにミニゴーレムが。そんな設定したかな……あ、もしかして。
(コン先生、メッセージウィンドウをオープンお願いします)
《了解。メッセージウィンドウをオープン。新規メッセージは1件です》
俺の目の前に半透明のウィンドウが立ち上がる。
やはりメッセージ来ていたか。この機能は、例えばゴーレムが敵を発見した時や、お願いしていた作業が完了したときにお知らせメッセージを送るようにあらかじめ設定しておいたものだ。
俺は半透明のウィンドウの中にある『新規メッセージ』ボタンを指で押す動作をする。すると、メッセージの内容が新規ウィンドウに表示された。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
差出人
ミニゴーレム58番
宛先
巧魔
本文
タクマ 二タノマレタ『守谷村⇔龍街間 鉄道開通作業』ガ オワッタヨ
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「そうか、ついに完成したか。お前はそれを知らせに来たんだな」
ミニゴーレムがかくかくと頭を揺らす。そういえば、完成したら知らせに来るように1体のミニゴーレムに命令しておいたんだった。俺はミニゴーレムの頭をなでてあげた。
「巧魔氏、何ですその半透明で四角い色つきガラスのようなものは? 見たこと無い文字が書かれているみたいですが」
「えーっと、僕の元いた世界にあるパソコンという機械……いや、魔道器を参考に作ったもので、僕の作ったゴーレム達と遠隔で意思疎通を行うためのものです。いわば、瞬時に届く手紙のようなものですかね」
「よく分かりかねますが……それが何の役に立つですか?」
「まあいろいろと便利なんですよ。タイムリーに情報を共有できますから。それはそうと、千春さん、明日は時間ありますか?」
「まあ、これといって急ぎの用はありませんですが。なぜです?」
「ふふふ。ちょっと見せたいものがありまして。明日、守谷村へ帰ります」
「明日守谷村に? 急ですね。では出発は早朝です?」
「いえ、別に早起きをする必要はないでしょう。僕は明日の朝道場に顔を出す予定ですし」
「え? でもそれでは守谷村に着くのは夜になってしまうです」
「なりませんよ」
不思議そうな顔をする千春さんだったが、種明かしはしないことにした。ふふふ、この世界には馬車くらいしか乗り物がないらしい。あのサスペンションも何も無い、自然のままのナチュラルな揺れを提供するお尻破壊拷問機こと馬車。あの乗り物しか知らないこの世界の人が快適でスピーディーな列車に乗ったらどうなるのか。今から明日の千春さんのリアクションが楽しみだぜ。
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