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第十章: ゴーン・キング
第二話
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天獄橋に着いた時にはすでにアルバッドが到着していた。アルバッドの側にはイシュとカイルが居たが、敵の姿は見当たらなかった。
「アルバッド、敵は!?」
「分からん。さっきまでは目の前を飛んでいたんだが」
不思議そうにアルバッドが応えた。急に姿を消せるのはビーストの能力か?それともどこかに身を潜めてるんだろうか。
「とにかくまだ遠くには行ってないはずだ。皆んなで手分けして探すぞ!」
二人一組で分かれ周囲を探した。俺とアルバッドは橋のサウスエンド側にある森を捜索し始めた。
中を駆けていると俺の左側にある茂みからガサガサと音がした。
「ほお、コイツがハジメか。思ってたより細えな」
この男、コンスタンティンの記憶で見たことがある。確かマルクという名前だったか。うん?マルクって……
「お前、サウス軍のマルクか」
「おっ、俺のことを知ってくれてんのか」
「国王をどこにやった!」
「まあ落ち着けや。大柄のおっさんもよ」
視線が俺の隣にいたアルバッドに向いていた。
「国王の居場所を教えるんだ!」
視線を向けられたアルバッドが吼えた。コイツの必死さと切羽詰まってる感じが伝わって来る。
「ギャーギャーうるせえな、どいつもこいつも」
マルクは右耳を小指でほじくっている。何なんだ、このサウス軍は。一国の王を攫っておいて丸で緊張感がない。
「じゃ、いっちょ闘るか」
さっきまで隠れていたエレメントがマルクの右腕に集中しているのが見えた。漆黒というのがぴったりのエレメントの色をしている。
コイツの強力な闇がひしひしと伝わってくる。他のサウス軍の連中とは似て日なる闇。剣をクラフトしただけで全てが飲み込まれそうだ。
「何まじまじ見てんだよ。早くお前らも武器出せよ。俺を倒さないと国王様には会えないぜ」
相当な自信があるのか、マルクは俺とアルバッドがクラフトするまで待っていた。
「よーし、始めるか」
次の瞬間、50メートル以上離れていたマルクはすでに俺の目の前にいた。剣を振れば腕を落とせる程の間合いだ。
「腕もらいー」
やばい、殺られる。
「なんてな。ってか張り合いがねーな」
剣をくるくる回しながらマルクは余裕を見せた。全く姿が見えなかった。コイツが遊んでなかったら、俺はもう死んでいた。こんな奴に勝ち目なんてあるのか……?
「ハジメ」
変な汗をかいてる俺にアルバッドが言った。
「君のビーストを使うんだ。それしか勝ち目がない」
こうアルバッドは続けた。だが、ビーストであの速さに付いていけるんだろうか。
「カバーしてくれるか?」
「任せてくれ」
そう言いアルバッドは全速力でマルクへと向かい、俺の上半身ほど大きな剣を振りかざした。二人が剣を交えている間、俺はビースト創りに励んだ。
こんな状況で何だが、ズボンのチャックを少し下ろし、いつもの体勢に入った。今回は最速の生物をイメージしないといけねえ。そう思い、俺はチーターの形をエレメントで創り、ズボンから魂を糸状にして注入した。
チーターは目をパチパチし動き始めた。
「あの男を攻撃するんだ!」
ビーストはマルク目がけ真っ直ぐと進んだ。通常ならマルクはここで避けるはずだが、ニヤリと笑みを浮かべ、攻撃を受けた。
ジジジジジ……
俺は暗がりの廊下にいた。目が慣れてくるのに少し時間がかかりそうだ。慣れ始め周りを見渡すと、どうやら俺はアパートの一室にいるようだった。後ろの扉は玄関か?新聞入れがいっぱいになっている。そしてそれに向かうように位置している扉は少し開いていて、微かな光が漏れていた。
その光は電球のというよりかは、テレビやパソコンなどのモニターを暗い所で見ているような物だった。
扉に近付くと、何やらシュコシュコという聞き覚えのある音が聞こえてきた。隙間から覗くと、マルクがパソコンの前にある椅子に座っていた。
『ちょっ!』
マルクがしていたことを見て、思わず口に出してしまった。突っ込まずにはいられないだろう。
マルクは椅子に座りながら、パソコンでAVを見ながらオナっていたのだ!しかも俺がテクノブレイクで死ぬ前に見てた『金髪娘とナンパde GO!!!』じゃねえか!
何という共通点だ。でもこれを見ながら死んだってことは俺と一緒の光エレメントになるはずじゃ……
いや待てよ。マルクの様子がおかしい。右手の動きは早いがアソコがそれに付いて行っていない!このままだと……
ガクン。マルクはアソコを出したまま、イケずに死んだ。ってことは、この死因で闇エレメントを極限まで上げたのか。
いやいや。人のことは言えないが、最強最悪のサウス軍兵がテクノブレイクでおまけにイケずに死んだとか、凄え恥ずかしいな。
ジジジジジ……
ここ一番短くてしょうもないエレメントの記憶を見て戻って来た俺は、マルクに向かって叫んだ。
「他のサウス軍の皆んなに謝れよ!」
「アルバッド、敵は!?」
「分からん。さっきまでは目の前を飛んでいたんだが」
不思議そうにアルバッドが応えた。急に姿を消せるのはビーストの能力か?それともどこかに身を潜めてるんだろうか。
「とにかくまだ遠くには行ってないはずだ。皆んなで手分けして探すぞ!」
二人一組で分かれ周囲を探した。俺とアルバッドは橋のサウスエンド側にある森を捜索し始めた。
中を駆けていると俺の左側にある茂みからガサガサと音がした。
「ほお、コイツがハジメか。思ってたより細えな」
この男、コンスタンティンの記憶で見たことがある。確かマルクという名前だったか。うん?マルクって……
「お前、サウス軍のマルクか」
「おっ、俺のことを知ってくれてんのか」
「国王をどこにやった!」
「まあ落ち着けや。大柄のおっさんもよ」
視線が俺の隣にいたアルバッドに向いていた。
「国王の居場所を教えるんだ!」
視線を向けられたアルバッドが吼えた。コイツの必死さと切羽詰まってる感じが伝わって来る。
「ギャーギャーうるせえな、どいつもこいつも」
マルクは右耳を小指でほじくっている。何なんだ、このサウス軍は。一国の王を攫っておいて丸で緊張感がない。
「じゃ、いっちょ闘るか」
さっきまで隠れていたエレメントがマルクの右腕に集中しているのが見えた。漆黒というのがぴったりのエレメントの色をしている。
コイツの強力な闇がひしひしと伝わってくる。他のサウス軍の連中とは似て日なる闇。剣をクラフトしただけで全てが飲み込まれそうだ。
「何まじまじ見てんだよ。早くお前らも武器出せよ。俺を倒さないと国王様には会えないぜ」
相当な自信があるのか、マルクは俺とアルバッドがクラフトするまで待っていた。
「よーし、始めるか」
次の瞬間、50メートル以上離れていたマルクはすでに俺の目の前にいた。剣を振れば腕を落とせる程の間合いだ。
「腕もらいー」
やばい、殺られる。
「なんてな。ってか張り合いがねーな」
剣をくるくる回しながらマルクは余裕を見せた。全く姿が見えなかった。コイツが遊んでなかったら、俺はもう死んでいた。こんな奴に勝ち目なんてあるのか……?
「ハジメ」
変な汗をかいてる俺にアルバッドが言った。
「君のビーストを使うんだ。それしか勝ち目がない」
こうアルバッドは続けた。だが、ビーストであの速さに付いていけるんだろうか。
「カバーしてくれるか?」
「任せてくれ」
そう言いアルバッドは全速力でマルクへと向かい、俺の上半身ほど大きな剣を振りかざした。二人が剣を交えている間、俺はビースト創りに励んだ。
こんな状況で何だが、ズボンのチャックを少し下ろし、いつもの体勢に入った。今回は最速の生物をイメージしないといけねえ。そう思い、俺はチーターの形をエレメントで創り、ズボンから魂を糸状にして注入した。
チーターは目をパチパチし動き始めた。
「あの男を攻撃するんだ!」
ビーストはマルク目がけ真っ直ぐと進んだ。通常ならマルクはここで避けるはずだが、ニヤリと笑みを浮かべ、攻撃を受けた。
ジジジジジ……
俺は暗がりの廊下にいた。目が慣れてくるのに少し時間がかかりそうだ。慣れ始め周りを見渡すと、どうやら俺はアパートの一室にいるようだった。後ろの扉は玄関か?新聞入れがいっぱいになっている。そしてそれに向かうように位置している扉は少し開いていて、微かな光が漏れていた。
その光は電球のというよりかは、テレビやパソコンなどのモニターを暗い所で見ているような物だった。
扉に近付くと、何やらシュコシュコという聞き覚えのある音が聞こえてきた。隙間から覗くと、マルクがパソコンの前にある椅子に座っていた。
『ちょっ!』
マルクがしていたことを見て、思わず口に出してしまった。突っ込まずにはいられないだろう。
マルクは椅子に座りながら、パソコンでAVを見ながらオナっていたのだ!しかも俺がテクノブレイクで死ぬ前に見てた『金髪娘とナンパde GO!!!』じゃねえか!
何という共通点だ。でもこれを見ながら死んだってことは俺と一緒の光エレメントになるはずじゃ……
いや待てよ。マルクの様子がおかしい。右手の動きは早いがアソコがそれに付いて行っていない!このままだと……
ガクン。マルクはアソコを出したまま、イケずに死んだ。ってことは、この死因で闇エレメントを極限まで上げたのか。
いやいや。人のことは言えないが、最強最悪のサウス軍兵がテクノブレイクでおまけにイケずに死んだとか、凄え恥ずかしいな。
ジジジジジ……
ここ一番短くてしょうもないエレメントの記憶を見て戻って来た俺は、マルクに向かって叫んだ。
「他のサウス軍の皆んなに謝れよ!」
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本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
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