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侵入者はドンドン来るよ、いつまでも
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「おお!ここがダンジョンってヤツか!はっはっはっ!」
朝起きたらウィンドウにムキムキのおっさんが居たので、とりあえず落とし穴へ誘導からの窒息で片付けた。
「むぐぐ!?むっ……」
このおっさんのように落とし穴からの窒息で大体の冒険者を屠った。それからスライム達が進化した。
【ウォータースライム】
水を大量に含んだスライム、水属性の技の他に、回復魔法を扱う。弱点だった火属性の魔法には耐性を持つが、凍らされたりすると何もできなくなる為、出会ったら速攻で氷漬けにするべし。比較的代表的なスライムの進化先で対策されやすい。
使用魔法
ウォーター
水を一直線に放ち、攻撃する魔法。
キュア
毒といった状態異常を回復する。
このウォータースライムに一部が進化していたので、自分的にはワクワクしていたのだが、案外ショボいな、と思ってしまった。そして大半のスライムが次のように進化していた。
【ビックスライム】
たくさんのスライムが合わさり進化した。膨大な体力と、その大きさを生かした突進は強力である。一定の体力を下回ると分裂し、スライムとなって攻撃してくる。ウォータースライムとの違いとしては分裂した後に早く仕留めないとまた集合してビックスライムへと戻る事だ。初心者冒険者には荷が重い相手である。
このビックスライムはどうやらスライム10匹分であり、一定の体力を下回ると分裂して攻撃するらしい。どうやらまだ進化するようだが、自分としては【スライムキング】じゃないんだ……と思った。……ん?ウィンドウが…
【スライムキング】
ビックスライムが合体するとこのモンスターとなる。その名に相応しいパワーと突進、そして各種の魔法を扱う、逸話ではこのスライムキングに滅ぼされた国が存在するそうだ。
「進化条件ゆるっ!?」
つい口に出てしまった。
この後も様々な冒険者が来たのでみんな纏めて落とし穴に落とし、進化したビックスライムで押しつぶした。というか落とし穴優秀すぎだろ。
「ん~暇になってしまった。そうだ、スライムを引かせてリルとタマモに任せてみよう」
結構な数の冒険者を屠りながら、フェンリル(幼体)にリル、妖狐にタマモと名付けた。この二匹はまだ冒険者相手に戦った事が無いので、練習も兼ねてやるつもりだ、当然空き部屋にはビックスライムが控えているので安心である。
するとウィンドウがぶれ、入り口を写した……ん?
「はっはっはっ!スライムしか出ねぇダンジョンなら俺たち『赤の盗賊団』の基地にしてやるぜぇ!」
「へっへっへっ!奴隷商を襲って捕まえてきた奴隷どももいるんだ、たとえ何が出ようとも倒せますね兄貴!」
「おうよ!男の奴隷を先に行かせろ!」
スキンヘッドのガラが悪そうなヤツと小物みたいなヤツを筆頭に10人ぐらいだろうか?動きやすそうな服装の男どもがワラワラと入って来た。先頭にはボロボロの衣服を身に纏った男女15人。獣耳にしっぽ……獣人かな?獣人?獣人かやったー!ファンタジー感があんまり感じなかったから獣人来てくれて嬉しいな~!って喜んでる場合じゃないや。
「タマモとリルは手前空き部屋でスライムと共に待機、後ろから襲え、その後にビックスライム達は前から男の獣人たちを拘束して無力化するんだ」
「しかし、なんもねぇな…あったのは落とし穴くらいしかねぇし宝箱もねぇのか!」
「それだけしょぼいんでしょうね」
「ちっ!まぁ隠れ家として使わせて貰うとするかぁ……」
「っ、うわ!なんだ!この!ぐわぁぁ!?」
「なんだ!何が起きてやがる!?」
「後ろから獣モンスターとスライムが襲って……ぎゃぁぁ!?なんで俺を斬りつけるんだ!やめろ!」
「うわぁぁ!なんで味方同士で斬り合ってるんだよ、敵はあっちだ!あっ……ギャァァ!?」
白い狐の周りに居た盗賊は味方に斬りかかっていた、だが前にに居た奴隷たちには斬りかかっていなかった。
「どうなってやがる!?ここはスライムしか出ないダンジョンじゃねぇのか!?……くそっ!奴隷ども!スライムや獣を抑えろ!」
スキンヘッドが自分の獲物である斧でスライムを切り飛ばしつつ、指示を飛ばすが
「ああ!?いつまで待たせるんだ!……なっ!?ビックスライムだと!?」
そこにはビックスライムに四肢を拘束された獣人達の姿が
「クソが!そのまま核を砕いてやる!」
スキンヘッドが突撃するがもう遅い、ビックスライムは突進の体制をとっていた。
「ちっ!核が逃げ回りやがる!くそッ!なんでこんなのがここにいるんだよ!」
ビックスライムの核はスライム10体分、つまり10個あるのだ。それをいちいち斬りつけて割っても時間が経てば再生される。
「がっ!?」
スキンヘッドはビックスライムに吹き飛ばされダンジョンの壁に叩きつけられた。
「なめてんじゃねぇぞ!スライムがぁぁ!」
ブチギレ立ち上がるスキンヘッド、だが…
「ガルゥ!」
「グバァ!?でめぇ!はなじやが……」
ブチィ!
スキンヘッドはフェンリルのリルに喉笛を噛みちぎられ死亡した。
「よし、盗賊団撃破~!さてさて獣人たちはどうなってるかな?」
ウィンドウには通路に座り込む奴隷の獣人たちの姿があった。
「うーん、事情聞いてみるか」
僕は通路に向かった。
「なんなんだ、ここはダンジョンなんだろう?なぜコイツらは俺たちを殺さない?」
「それにこの狼、フェンリルみたいよ、自分で言ってるもの。それと今この子の主が向かってるって、優しい人だから大丈夫だそうよ?」
「信用出来るとは思えん、たが……このビックスライムが俺たちの四肢を拘束しているから抵抗できないが」
「そうね…」
「ふんふふん~あ、いたいた」
私たちを攫った奴隷商を襲い、ここまで連れてきた手練れの盗賊団をスライムたちを使って仕留めたダンジョンマスターがどんな非情な人かと思えば、ただの優しげな人間だった。
「うーん、とりあえず僕を襲わないでね。ほら解いてあげて」
男がそう指示するとビックスライムがブルリと動き、拘束を解いた。
「ん~、それじゃ、君たちはどういう理由であの盗賊に捕まってたのか話してくれる?」
彼らから事の顛末を聞いた。自分たちは獣人たちの暮らす連合『公獣国』の住民だったのだが、森へ狩りに行こうとしたら人間の奴隷商人とその護衛に捕まってしまい、その後、このダンジョン近くの村まで一週間かけて運ばれてる途中に盗賊団に襲われ今に至るという事だった。
「それで僕にどうして欲しいの?」
「できれば国に返させて欲しいのだが…そんな虫のいい話がある訳ないだろう?」
「いいよ?」
「え?」
「いいよ、送ってく今まで冒険者倒して手に入れたダンジョンポイントで……ん~と、『転送装置』?ってのが買えるらしいしそれで送れるよ」
「ほ、本当にいいんですか?」
「うん、別に今からでも購入して送れるよ?」
「ですが、貴方によって我々は救われ、更に国へ帰してくれる……貴方に何の利益も無いじゃありませんか!」
「いいよ、僕獣人見れただけで十分だし、よし、購入!」
するとリモコンのような装置が僕の手に握られていた。
「あっ、これ君たちを送ったらそこに転移できるようになるらしいよ?」
「そうなのですか…」
「じゃ、今度君たちの国に行く時に国の案内をしてくれればそれでいいからそれじゃ、バイバイ!」
「まっ…」
「よーし、これで面倒な事にならなくて済むぞ~。獣人の国行ってみたいけどもうちょこっとここで頑張ろ……転移装置壊れたし」
【ダンジョンマスター様のステータスが更新されました】
「え?」
名前【未設定】
種族人間
ステータス
HP250
MP350
力60
魔力80
防御80
速さ90
スキル
強運
とても運が良くなるスキル。クジを引いて二等を当てるくらい
称号
獣人の救世主
獣人の王族を救ったという証拠の称号、獣人と交友的になりやすくなり、更に獣人とともに居た場合、ステータスに微量の補正
「別に救世主になるような事してないと思うけど……ん?王族?……あっ、めんどくさいヤツだこれ」
その同時刻、『公獣国』にて一週間ぶりに帰還した王子と姫、その護衛たちが『とある人間の男によって救われた』と発言した事により、獣人たちからの僕に対する好感度が急上昇しているとは思っていなかった僕であった。
朝起きたらウィンドウにムキムキのおっさんが居たので、とりあえず落とし穴へ誘導からの窒息で片付けた。
「むぐぐ!?むっ……」
このおっさんのように落とし穴からの窒息で大体の冒険者を屠った。それからスライム達が進化した。
【ウォータースライム】
水を大量に含んだスライム、水属性の技の他に、回復魔法を扱う。弱点だった火属性の魔法には耐性を持つが、凍らされたりすると何もできなくなる為、出会ったら速攻で氷漬けにするべし。比較的代表的なスライムの進化先で対策されやすい。
使用魔法
ウォーター
水を一直線に放ち、攻撃する魔法。
キュア
毒といった状態異常を回復する。
このウォータースライムに一部が進化していたので、自分的にはワクワクしていたのだが、案外ショボいな、と思ってしまった。そして大半のスライムが次のように進化していた。
【ビックスライム】
たくさんのスライムが合わさり進化した。膨大な体力と、その大きさを生かした突進は強力である。一定の体力を下回ると分裂し、スライムとなって攻撃してくる。ウォータースライムとの違いとしては分裂した後に早く仕留めないとまた集合してビックスライムへと戻る事だ。初心者冒険者には荷が重い相手である。
このビックスライムはどうやらスライム10匹分であり、一定の体力を下回ると分裂して攻撃するらしい。どうやらまだ進化するようだが、自分としては【スライムキング】じゃないんだ……と思った。……ん?ウィンドウが…
【スライムキング】
ビックスライムが合体するとこのモンスターとなる。その名に相応しいパワーと突進、そして各種の魔法を扱う、逸話ではこのスライムキングに滅ぼされた国が存在するそうだ。
「進化条件ゆるっ!?」
つい口に出てしまった。
この後も様々な冒険者が来たのでみんな纏めて落とし穴に落とし、進化したビックスライムで押しつぶした。というか落とし穴優秀すぎだろ。
「ん~暇になってしまった。そうだ、スライムを引かせてリルとタマモに任せてみよう」
結構な数の冒険者を屠りながら、フェンリル(幼体)にリル、妖狐にタマモと名付けた。この二匹はまだ冒険者相手に戦った事が無いので、練習も兼ねてやるつもりだ、当然空き部屋にはビックスライムが控えているので安心である。
するとウィンドウがぶれ、入り口を写した……ん?
「はっはっはっ!スライムしか出ねぇダンジョンなら俺たち『赤の盗賊団』の基地にしてやるぜぇ!」
「へっへっへっ!奴隷商を襲って捕まえてきた奴隷どももいるんだ、たとえ何が出ようとも倒せますね兄貴!」
「おうよ!男の奴隷を先に行かせろ!」
スキンヘッドのガラが悪そうなヤツと小物みたいなヤツを筆頭に10人ぐらいだろうか?動きやすそうな服装の男どもがワラワラと入って来た。先頭にはボロボロの衣服を身に纏った男女15人。獣耳にしっぽ……獣人かな?獣人?獣人かやったー!ファンタジー感があんまり感じなかったから獣人来てくれて嬉しいな~!って喜んでる場合じゃないや。
「タマモとリルは手前空き部屋でスライムと共に待機、後ろから襲え、その後にビックスライム達は前から男の獣人たちを拘束して無力化するんだ」
「しかし、なんもねぇな…あったのは落とし穴くらいしかねぇし宝箱もねぇのか!」
「それだけしょぼいんでしょうね」
「ちっ!まぁ隠れ家として使わせて貰うとするかぁ……」
「っ、うわ!なんだ!この!ぐわぁぁ!?」
「なんだ!何が起きてやがる!?」
「後ろから獣モンスターとスライムが襲って……ぎゃぁぁ!?なんで俺を斬りつけるんだ!やめろ!」
「うわぁぁ!なんで味方同士で斬り合ってるんだよ、敵はあっちだ!あっ……ギャァァ!?」
白い狐の周りに居た盗賊は味方に斬りかかっていた、だが前にに居た奴隷たちには斬りかかっていなかった。
「どうなってやがる!?ここはスライムしか出ないダンジョンじゃねぇのか!?……くそっ!奴隷ども!スライムや獣を抑えろ!」
スキンヘッドが自分の獲物である斧でスライムを切り飛ばしつつ、指示を飛ばすが
「ああ!?いつまで待たせるんだ!……なっ!?ビックスライムだと!?」
そこにはビックスライムに四肢を拘束された獣人達の姿が
「クソが!そのまま核を砕いてやる!」
スキンヘッドが突撃するがもう遅い、ビックスライムは突進の体制をとっていた。
「ちっ!核が逃げ回りやがる!くそッ!なんでこんなのがここにいるんだよ!」
ビックスライムの核はスライム10体分、つまり10個あるのだ。それをいちいち斬りつけて割っても時間が経てば再生される。
「がっ!?」
スキンヘッドはビックスライムに吹き飛ばされダンジョンの壁に叩きつけられた。
「なめてんじゃねぇぞ!スライムがぁぁ!」
ブチギレ立ち上がるスキンヘッド、だが…
「ガルゥ!」
「グバァ!?でめぇ!はなじやが……」
ブチィ!
スキンヘッドはフェンリルのリルに喉笛を噛みちぎられ死亡した。
「よし、盗賊団撃破~!さてさて獣人たちはどうなってるかな?」
ウィンドウには通路に座り込む奴隷の獣人たちの姿があった。
「うーん、事情聞いてみるか」
僕は通路に向かった。
「なんなんだ、ここはダンジョンなんだろう?なぜコイツらは俺たちを殺さない?」
「それにこの狼、フェンリルみたいよ、自分で言ってるもの。それと今この子の主が向かってるって、優しい人だから大丈夫だそうよ?」
「信用出来るとは思えん、たが……このビックスライムが俺たちの四肢を拘束しているから抵抗できないが」
「そうね…」
「ふんふふん~あ、いたいた」
私たちを攫った奴隷商を襲い、ここまで連れてきた手練れの盗賊団をスライムたちを使って仕留めたダンジョンマスターがどんな非情な人かと思えば、ただの優しげな人間だった。
「うーん、とりあえず僕を襲わないでね。ほら解いてあげて」
男がそう指示するとビックスライムがブルリと動き、拘束を解いた。
「ん~、それじゃ、君たちはどういう理由であの盗賊に捕まってたのか話してくれる?」
彼らから事の顛末を聞いた。自分たちは獣人たちの暮らす連合『公獣国』の住民だったのだが、森へ狩りに行こうとしたら人間の奴隷商人とその護衛に捕まってしまい、その後、このダンジョン近くの村まで一週間かけて運ばれてる途中に盗賊団に襲われ今に至るという事だった。
「それで僕にどうして欲しいの?」
「できれば国に返させて欲しいのだが…そんな虫のいい話がある訳ないだろう?」
「いいよ?」
「え?」
「いいよ、送ってく今まで冒険者倒して手に入れたダンジョンポイントで……ん~と、『転送装置』?ってのが買えるらしいしそれで送れるよ」
「ほ、本当にいいんですか?」
「うん、別に今からでも購入して送れるよ?」
「ですが、貴方によって我々は救われ、更に国へ帰してくれる……貴方に何の利益も無いじゃありませんか!」
「いいよ、僕獣人見れただけで十分だし、よし、購入!」
するとリモコンのような装置が僕の手に握られていた。
「あっ、これ君たちを送ったらそこに転移できるようになるらしいよ?」
「そうなのですか…」
「じゃ、今度君たちの国に行く時に国の案内をしてくれればそれでいいからそれじゃ、バイバイ!」
「まっ…」
「よーし、これで面倒な事にならなくて済むぞ~。獣人の国行ってみたいけどもうちょこっとここで頑張ろ……転移装置壊れたし」
【ダンジョンマスター様のステータスが更新されました】
「え?」
名前【未設定】
種族人間
ステータス
HP250
MP350
力60
魔力80
防御80
速さ90
スキル
強運
とても運が良くなるスキル。クジを引いて二等を当てるくらい
称号
獣人の救世主
獣人の王族を救ったという証拠の称号、獣人と交友的になりやすくなり、更に獣人とともに居た場合、ステータスに微量の補正
「別に救世主になるような事してないと思うけど……ん?王族?……あっ、めんどくさいヤツだこれ」
その同時刻、『公獣国』にて一週間ぶりに帰還した王子と姫、その護衛たちが『とある人間の男によって救われた』と発言した事により、獣人たちからの僕に対する好感度が急上昇しているとは思っていなかった僕であった。
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