11 / 26
第二章 ユウジの話
贈り物
しおりを挟む
仕事の日の昼食はサキに任せているが、居酒屋の定休日の食事は相変わらずユウジが担当していた。
デートに出掛けることもあるが、基本は家でゆっくり過ごす。一週間疲れたユウジを気遣ってか、サキもどこかに行きたいとは言ってこない。ユウジもそんなサキに甘えていた。
定休日の朝は気が付くとサキがユウジの布団にもぐりこんでいる。ぐっすり眠っているサキの顔を眺めながら、最近ダイエットを始めたサキの為に今夜はヘルシーメニューにしようかと考える。
サキのほっぺたをつついて遊んでいると、サキが目を覚ます。
「おはよう。ユウジ」
「おはよう」
「よれよれのジャージ姿のサキも愛しいよ」
と、耳元でささやく。すると、サキの顔が一気に赤く染まる。
「もう」
と言って、顔をうずめてくるサキを抱きしめる。
くさいセリフと笑いながらも素直な反応を返してくれるサキを見ていると、ついからかいたくなってしまう自分がいた。
「なぁ、そこの引き出し開けてみて」
ユウジがサキに声をかける。
「引き出し?」
いぶかしそうにベッド横の引き出しを開けるサキ。
「なにこれ?」
引き出しの中にあった小さな箱を取り出しサキが尋ねる。
「開けてみて」
サキが丁寧に包装紙を開く。包みの中にある箱を取り出し、そっと蓋を開ける。
「わぁ、ピアスだ。可愛い」
「サキに似合うと思って」
「ありがとう、ユウジ」
そう言って、早速耳につけるサキ。
「どうかな」
「うん。やっぱり似合う。可愛いよ」
照れながら鏡をのぞくサキ。
「大切に使うね」
「高価なものは買ってあげられないけど、こうやって小さなものをこれからたくさん贈るから」
とユウジがぼそっと呟く。すると、飛びつくようにサキがユウジの胸に入り込む。
「おばぁちゃんになるころには宝物でいっぱいになっちゃうね」
ユウジを見上げ、そう言って笑うサキ。キザな自分の言葉にむずがゆさを感じながらも、体全体で喜びを表現してくれるサキにどんどん愛しさを膨らませていた。
デートに出掛けることもあるが、基本は家でゆっくり過ごす。一週間疲れたユウジを気遣ってか、サキもどこかに行きたいとは言ってこない。ユウジもそんなサキに甘えていた。
定休日の朝は気が付くとサキがユウジの布団にもぐりこんでいる。ぐっすり眠っているサキの顔を眺めながら、最近ダイエットを始めたサキの為に今夜はヘルシーメニューにしようかと考える。
サキのほっぺたをつついて遊んでいると、サキが目を覚ます。
「おはよう。ユウジ」
「おはよう」
「よれよれのジャージ姿のサキも愛しいよ」
と、耳元でささやく。すると、サキの顔が一気に赤く染まる。
「もう」
と言って、顔をうずめてくるサキを抱きしめる。
くさいセリフと笑いながらも素直な反応を返してくれるサキを見ていると、ついからかいたくなってしまう自分がいた。
「なぁ、そこの引き出し開けてみて」
ユウジがサキに声をかける。
「引き出し?」
いぶかしそうにベッド横の引き出しを開けるサキ。
「なにこれ?」
引き出しの中にあった小さな箱を取り出しサキが尋ねる。
「開けてみて」
サキが丁寧に包装紙を開く。包みの中にある箱を取り出し、そっと蓋を開ける。
「わぁ、ピアスだ。可愛い」
「サキに似合うと思って」
「ありがとう、ユウジ」
そう言って、早速耳につけるサキ。
「どうかな」
「うん。やっぱり似合う。可愛いよ」
照れながら鏡をのぞくサキ。
「大切に使うね」
「高価なものは買ってあげられないけど、こうやって小さなものをこれからたくさん贈るから」
とユウジがぼそっと呟く。すると、飛びつくようにサキがユウジの胸に入り込む。
「おばぁちゃんになるころには宝物でいっぱいになっちゃうね」
ユウジを見上げ、そう言って笑うサキ。キザな自分の言葉にむずがゆさを感じながらも、体全体で喜びを表現してくれるサキにどんどん愛しさを膨らませていた。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
Husband's secret (夫の秘密)
設楽理沙
ライト文芸
果たして・・
秘密などあったのだろうか!
むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ
10秒~30秒?
何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。
❦ イラストはAI生成画像 自作
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる