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第3章 年下の男の子
穏やかな日々①
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気付けば季節は春から夏へとかわっていた。年下の彼とも順調にデートは重ねていたが、未だに告白の返事はできずにいた。
ノートパソコンを開いたまま、ただ時間だけが過ぎている。
彼と出会ってからの日々を思い出し、その穏やかな時間の流れにこの人となら幸せになれるのではないかという思いがふとよぎる。だが、いつもその考えを年齢のことが邪魔してしまう。
彼はまだ22歳になったばかりだ。まだまだこれからたくさんの人と出会うだろう。婚活アプリで何人かの人とやり取りはしたが、実際に会ったのはゆう子が初めてだという。同時進行するのは失礼だからと、今は他の人とのやり取りもせず一途にゆう子の答えを待ってくれている。
だが、前の彼を自分より若い女にとられ傷ついたばかりのゆう子は、また同じことが起こったらという不安が頭にこびりついて離れない。何より、未だに彼のことが好きなのかどうか分からない自分がいた。
今までの恋愛では良い意味でも悪い意味でも感情の起伏があったのだ。会える日も会えない日もドキドキしたり苦しくなったり、勿論楽しい事ばかりではないが日々恋をしている充足感があった。
しかし、彼との日々はケンカをすることさえ想像もつかない本当に穏やかな時の流れだった。もちろんドキッとすることや可愛らしいと思う瞬間はあるのだが、メロンソーダの泡のようにその想いははじけ飛んでいく。
彼は公私ともに支え合える人を探していたようだが、ゆう子がデザインの仕事にやりがいを感じていることを十分に理解してくれていた。仕事に関して束縛をするつもりはないと宣言してくれたのだ。パソコンひとつあればできる仕事だ。彼の地元へ一緒に行ったところで今の仕事に支障はない。彼がゆう子のことを尊重してくれていることは会話の節々から痛いほどに伝わってきていた。
大好きな人より、二番目に好きな人と結婚した方が幸せになれる。そんな話をよく聞くが、彼ともし結婚したらまさにそうなるのではないか。そう思いながらも寄せては返す波のように気持ちは膨らんではしぼんでいき、答えを出せずにいた。
ノートパソコンを開いたまま、ただ時間だけが過ぎている。
彼と出会ってからの日々を思い出し、その穏やかな時間の流れにこの人となら幸せになれるのではないかという思いがふとよぎる。だが、いつもその考えを年齢のことが邪魔してしまう。
彼はまだ22歳になったばかりだ。まだまだこれからたくさんの人と出会うだろう。婚活アプリで何人かの人とやり取りはしたが、実際に会ったのはゆう子が初めてだという。同時進行するのは失礼だからと、今は他の人とのやり取りもせず一途にゆう子の答えを待ってくれている。
だが、前の彼を自分より若い女にとられ傷ついたばかりのゆう子は、また同じことが起こったらという不安が頭にこびりついて離れない。何より、未だに彼のことが好きなのかどうか分からない自分がいた。
今までの恋愛では良い意味でも悪い意味でも感情の起伏があったのだ。会える日も会えない日もドキドキしたり苦しくなったり、勿論楽しい事ばかりではないが日々恋をしている充足感があった。
しかし、彼との日々はケンカをすることさえ想像もつかない本当に穏やかな時の流れだった。もちろんドキッとすることや可愛らしいと思う瞬間はあるのだが、メロンソーダの泡のようにその想いははじけ飛んでいく。
彼は公私ともに支え合える人を探していたようだが、ゆう子がデザインの仕事にやりがいを感じていることを十分に理解してくれていた。仕事に関して束縛をするつもりはないと宣言してくれたのだ。パソコンひとつあればできる仕事だ。彼の地元へ一緒に行ったところで今の仕事に支障はない。彼がゆう子のことを尊重してくれていることは会話の節々から痛いほどに伝わってきていた。
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