ざまぁが大事だから断罪は割愛します!

樹林

文字の大きさ
4 / 4

エピローグ

しおりを挟む
「とんだ暗殺者よねぇ」

「トンデモ武闘家に言われたくないわ」

中世のような街並みの中、旅装束のリクがウミのドエロファッションを見て溜息をつき、ウミはリクのゴスロリを冷たい目で見ている。

私、陸斗、海斗、そして瑛士は、ほんの数ヶ月前には神様に召喚されて異世界にいたの。
私は聖女、陸斗は武闘家、海斗はアサシン、瑛士はナイトとしてね。

召喚された日に戻れたのは良かったけど、異世界で授かった能力はそのままだし、神様からのご褒美に彼らが願ったのは「またこのパーティーで異世界で魔王討伐をしたい」だの「パーティーメンバーが不老不死になる」だので、私と瑛士が高校を卒業したら他の世界に召喚されては魔王や魔獣と戦う生活を送る事になってるし、学生の間はバイト聖女なの。

でも、勇者だけは別。

私達はどの世界にも順応する体を得てるけど、勇者はその世界の為だけに存在しないといけないから召喚されるか選ばれるか覚醒するかを待つしかない。
それも事前に分かるからいいけど。

「勇者が来る前に腹拵えしようか」

「買い物も!女の子は身嗜みが大切だものっ!」

「リクったらそればかり。緋奈様を困らせないでちょうだい」

「あら!ウミだって妖艶なお姉様な戦闘服ばかりじゃないのぉ」

「お嬢様が願ってくれたおかげで好きな服が着られて幸せね」

「ホントよね!緋奈様大好き!」

私の願いは海斗と陸斗が女性になれるようにで、元の世界では無理だけどリクとウミとしてなら大丈夫だと言われたの。

2人共が女性の心を持っていたが為に、鈴森家の護衛として認められずにいたのを私がもらった私だけの専属護衛。
リクが武芸に秀でているのもウミが隠密行動や暗殺に長けているのも元の世界と同じで、私は彼らの能力の高さも優しくて楽しい性格も全てが好きで愛おしい。

「全く、あの2人はいつも楽しそうだよね」

「そうね。瑛士もたまには自分で選べば?」

「僕は君達に選んでもらえるのが嬉しいから」

ニコニコ笑う瑛士は六平家ではスペア扱いで、8歳で馬鹿の身長を抜いたのにそれでもお古を着せられ続けた。

馬鹿の趣味は派手で、爽やかな瑛士には合わないものばかりな上に、今の瑛士は187cmで馬鹿は170cm。
着れる筈がないでしょうが!という事で、お直しとリメイクが私の趣味の一つになったわ。

私は私で一人娘、帝王教育的なものをやらされて抑うつした生活を送っていて·····婚約者はあの馬鹿だし、弟が生まれた途端お役御免でキレてたしね。

あの召喚で全員の全てが変わったから神様には感謝しかないし、卒業したらずっと4人でこの生活ができるから楽しみよ。

さて、新しい勇者が来る時間ね。

嫌な奴だったら、あの馬鹿とヒロインのように序盤のボスにしちゃいましょうか。

ふふ、私にはまだ秘密があるの。

私は小学4年生の時にストレス発散になると思って魔王として召喚される事を承諾し、何度も何度も勇者達と戦って来たけど、友人達が勇者パーティーで召喚されたから本物の聖女と立場を交換したの。
友達を傷つけるなんて嫌だもの。

本物の聖女があの佐藤佑美奈で、私と違って性別を変えられた事に魂が耐えられなかったせいで元の世界では佐藤優希也という男性になったわ。

六平家に恨みがあるというのは私が植え付けた嘘の記憶だけど、男でもあり女でもあるのは異世界のせいという事ね。


これは神々にも内緒の話。


これまで演じて来た魔王の力も、新たな魔王の力も全部吸収してるおかげで神々の力なんてぶっちぎっちゃってるから、バレても神様を吸収しちゃうだけよ───前の神様のようにね。




















「ようこそ、勇者」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

氷の薔薇は砕け散る

ファンタジー
『氷の薔薇』と呼ばれる公爵令嬢シルビア・メイソン。 彼女の人生は順風満帆といえた。 しかしルキシュ王立学園最終年最終学期に王宮に呼び出され……。 ※小説になろう、カクヨム、pixivにも同じものを投稿しております。

感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました

九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」 悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。 公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。 「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」 ――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

最愛が……腕の中に……あるのに……

#Daki-Makura
ファンタジー
最愛と結ばれたかった…… この国を最愛と導きたかった…… その願いも……叶わないのか……

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

ここは貴方の国ではありませんよ

水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。 厄介ごとが多いですね。 裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。 ※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

処理中です...