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第二章
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「ごめんなさい、私のミスね」
蒼は頭を下げる私を抱き寄せて、頭を蒼の胸にギュッと寄せて耳元で言ったの。
「俺はあの時のお前から目が離せなかったよ。天使が降りて来たのかと真剣に思ったんだ。声をかけてもいいのか悩んでたら、髪が茶色に変わってそのまま寺に入って行ってさ。暫くして竜宮達と泣き笑いしながら出てきて・・・あいつと一緒ならまた会えるかもって思ったら編入してきた。嬉しくてずっとお前の事を見ていただろ?」
「視線は感じてたわ。すごく戸惑ったもの」
「それからもずっとアピールして来たつもりだし、お爺様達が匿っている娘として会った12歳の頃も、最初からアピールしてたよな?」
「その頃から記憶が?」
「そうなんだ、不思議だけどね」
抱き合ったままで話す私達を、黒銀が引き剥がしてプリプリと怒り始めたわ。
「いい加減にしてください!状況が分かっていますか?主様はこの方を早く何とかしてください!」
「分かってるわ、この雲は神々の怒り。私が顔を出すだけでは収まらない。そして、学園では悪神達が闊歩しているのも見てるわ」
「だから主様を呼んだのです!これも呼びましたし!」
「白銀!」
黒銀の指さした先にはキューっと伸びた白銀の姿があった。強引に呼び寄せたせいで気絶してしまったみいね。
「白銀、ごめんね」と言いながら蒼に向き直り、その胸に手を当てた。
「今からあなたの封印を解くわ」
「桜純のする事なら何でも受け入れる」
「・・・本来なら40年後に解除される筈なのに、ごめんね」
蒼は胸に置く私の手に自分の手を重ねて、ニコリも笑ったの。
「大丈夫、桜純と一緒にいられるなら何でもする」
その言葉を合図に、私は胸の奥にあった封印を解いて力を身体中に巡らせた。
解くだけでは力がその場に留まってしまうから、巡らせる方が全身に行き渡って詰まりを押さえるし、能力を使う時もムラがなくなるの。
苦しげな声を漏らす蒼の頭を、少しでも気持ちが和らぐように祈りながら空いている左手で撫でる。
蒼は少し笑って、また苦しそうな顔をする。
七転八倒する程の痛みが身体中を駆け巡っている筈なのに、蒼は本当に強いと思う。
徐々に蒼の髪と瞳の色が変わって来た。
名前の通りの青緑の髪と森の色の瞳は、草が生い茂り、森が悠然と存在するようなそんな色。
蒼の能力が防御に長けていると気付いた時には少し笑ってしまい、蒼に「人が苦しんでるのに」と叱られてしまったわ。
髪の色が完全に変わり、痛みと苦しさも治まった蒼は自分の髪と瞳の変化には気付いていないけれど、体の軽さに喜んでいるわ。
これでもう、後戻りはできない・・・。
蒼は頭を下げる私を抱き寄せて、頭を蒼の胸にギュッと寄せて耳元で言ったの。
「俺はあの時のお前から目が離せなかったよ。天使が降りて来たのかと真剣に思ったんだ。声をかけてもいいのか悩んでたら、髪が茶色に変わってそのまま寺に入って行ってさ。暫くして竜宮達と泣き笑いしながら出てきて・・・あいつと一緒ならまた会えるかもって思ったら編入してきた。嬉しくてずっとお前の事を見ていただろ?」
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「それからもずっとアピールして来たつもりだし、お爺様達が匿っている娘として会った12歳の頃も、最初からアピールしてたよな?」
「その頃から記憶が?」
「そうなんだ、不思議だけどね」
抱き合ったままで話す私達を、黒銀が引き剥がしてプリプリと怒り始めたわ。
「いい加減にしてください!状況が分かっていますか?主様はこの方を早く何とかしてください!」
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「だから主様を呼んだのです!これも呼びましたし!」
「白銀!」
黒銀の指さした先にはキューっと伸びた白銀の姿があった。強引に呼び寄せたせいで気絶してしまったみいね。
「白銀、ごめんね」と言いながら蒼に向き直り、その胸に手を当てた。
「今からあなたの封印を解くわ」
「桜純のする事なら何でも受け入れる」
「・・・本来なら40年後に解除される筈なのに、ごめんね」
蒼は胸に置く私の手に自分の手を重ねて、ニコリも笑ったの。
「大丈夫、桜純と一緒にいられるなら何でもする」
その言葉を合図に、私は胸の奥にあった封印を解いて力を身体中に巡らせた。
解くだけでは力がその場に留まってしまうから、巡らせる方が全身に行き渡って詰まりを押さえるし、能力を使う時もムラがなくなるの。
苦しげな声を漏らす蒼の頭を、少しでも気持ちが和らぐように祈りながら空いている左手で撫でる。
蒼は少し笑って、また苦しそうな顔をする。
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これでもう、後戻りはできない・・・。
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