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第1章
理解が追いつきません
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わたしは今、何を見てるんだろう・・・。
「クリス、エステル。あなた達にはあれが何に見える?」
「ピンク頭のアホそうな奴」
「キツイね」
「ツインテールのぉ、頭踏みつけて冥府までいってらっしゃぁいってしたいお顔の女の子に見えるわぁ」
「クリスの脚力なら余裕だろうけど、そうじゃないのよ」
── とりあえず、2人には普通に見えてるらしい。という事は、彼女が犯〇さんに見えるのは私だけ?
「アーベルにはどう見える?」
── 一応、男性目線でも聞いておこう・・・腹黒野郎にはわたしと同じ物が見えるかもしれない!
「長時間みてたらめまいを起こしそうなピンクの髪をした、小動物系なのに肉食にしか見えない子だね」
君もひどいな!というか普通に見えてるんだね。
「うーん、〇沢さんに見えるのはわたしだけという事なのかな」
「「「犯〇さん?」」」
あ、ここでは通用しないんだった。
「いや、えっとね。わたしには目だけ見える全身真っ黒に見えるんだけど」
「髪や制服も見えないのかな?」
「そうなの」
── アニメだと何とも思わないけどリアルで見るのはきつい。夜に会ったらトラウマになると思う。
いや、昼間でもなるかな、既に怖いし。
あ、こっちみた。やばい、無理。逃げたい・・・。
「なあ、あいつこっち見てるよな」
「所定の位置に行ってほしいんじゃないかしらぁ」
「所定の位置?君達は何の話をしてるんだい?彼女は知り合い?フェリ、私の知らない友人がいるなんて聞いてないよ?」
フェリシアの交友関係を把握しないと気が済まないアーベルの目が鈍く光り、フェリシアはヒロインを見たのとは別の意味で体が震えた。
── 入学式のイベントはアーベルルートの出会いなのに、この調子じゃ彼女に手を貸すどころか敵視するんじゃない?
あ、でもその方が都合良いのかな。
いやいや、ヒロインを見極める為には進んでもらわないといけないし・・・ん?どうしてヒロインを見極めないといけないの?
普通は逃げるとか立ち向かうとか自分の為に画策するとかじゃないの?
そういえば、昔からヒロインが良い方向に進めるかとか悪い方向へ進んだ時の対応の仕方とか考えてた気がする。
まるで、彼女を助けたいみたいに。
えー・・・、まさか私ヒロインが好きなの?なーんてありえないよ!
「フェリ?君はアレの事が好きなの?」
「まっまさか!初めて会った人よ?どうして匍匐前進してるのかなぁ?って思ってるだけだから!」
ふーん、と言いつつ、アーベルの目は疑ったままだった。
フェリシアの背中を伝う冷や汗は、見た目が黒いヒロインではなくお腹が黒いアーベルのせいだろう。
── 本当は攻略対象者達にも話しておこうかと思ったんだね。
でも、アーベルに話すとヒロインがゲームを始める前に見つけてどこかに捨ててきそうな気がしたんだもん!
アーベルはまほガクのメインヒーローにして腹黒、いや腹黒は関係ない。
実は・・・わたしの初恋であり現在もその恋心は続いてる。
え?なら婚約すればいい?
そう簡単には行かないのよ。
実は、わたしの婚約者候補は他にもいるんだよね。
わたし達兄妹はアルーンでは準王族だから王位継承権まであるしね、16位だけど。
1人目は件のアーベル。
2人目はクリスティーナの兄であるアルーン神聖王国のベルンハルト王太子。
クリスティーナの兄ってだけで、どういう人か分かると思う。
3人目はディクスゴート皇室の皇太子、アクセル・・・180歳。おっさんじゃん!って思ったよ。
でも、竜人は成長スピードが緩やかで、180歳の彼の見た目は20歳前後。
普段はクールだけど怒らせると怖い。名前通りにアクセル全開に・・・ボソ。
この3人が一応候補、まぁ竜人・獣人は番至上主義だから、アクセルに番が見つかればわたしはお役御免。早く見つかって!と毎日祈ってる訳です。
「この状況でぇ、物思いに耽られるフェリがぁとぉってもかわいぃわぁ。早くぅうちにお嫁にいらっしゃぁい?」
── クリスのうっとり声で覚醒できた!ありがとうクリス!
ただでさえ、2種族の先祖返りなんてめんどくさい状況だから、アルーンに嫁には行く気はないけどね。
「19歳まで婚約者決めたらダメなんだっけ?オートレース家の家訓は多すぎてめんどくせえな」
その家訓はこの婚約者候補騒動が起こってからできたものなのは、オーストレース家の秘密である。
「ま、僕と結婚するのは決定事項だからね。アルーンもディクスゴートも無駄な事をしてるよね」
── 私もそう思ってるけど言っちゃダメなんだよアーベル。
あ、こんな事してる内に真っ黒ヒロインが近づいてきた・・・。
「痛~い、あ~ん、ころんじゃった~。」
「「「「・・・・・・」」」」
「彼女は何をしているんだと思う?」
「う、うーん・・・」
「アーベル王子に助けてほしいんじゃないかしらぁ?」
「華麗に助け起こせ」
「それならエステル姫の方が適任だね」
「はぁ?冗談じゃねえよ」
「フラグを折るならそれが一番だけど・・・なんかもう彼女の事分かった気がするし」
「フラグを折る?やっぱりフェリとアレは知り合いなのかな?」
もう!今はそんな事言ってる場合じゃないから!
「ま、とりあえず」
「「「エステル、いってらっしゃ(ぁ)い」」」
「クソが!」と悪態をつきつつ彼女の元へ行くエステルを見て、アーベルが黒い笑みを浮かべたのをフェリシアは見逃さなかった。
── 第一王子?それを令嬢達が見たら倒れるからやめてあげて!
バシッ
── ん?何の音?アーベルに気を取られてたよ。
「ひどい!ひどいわ!どうしてこんな事するの!?」
視線を向けると、手を差し伸べたままで固まるエステルとエステルの手を思いっきり叩いたのであろう真っ黒ヒロインの姿があった。
「クリス、エステル。あなた達にはあれが何に見える?」
「ピンク頭のアホそうな奴」
「キツイね」
「ツインテールのぉ、頭踏みつけて冥府までいってらっしゃぁいってしたいお顔の女の子に見えるわぁ」
「クリスの脚力なら余裕だろうけど、そうじゃないのよ」
── とりあえず、2人には普通に見えてるらしい。という事は、彼女が犯〇さんに見えるのは私だけ?
「アーベルにはどう見える?」
── 一応、男性目線でも聞いておこう・・・腹黒野郎にはわたしと同じ物が見えるかもしれない!
「長時間みてたらめまいを起こしそうなピンクの髪をした、小動物系なのに肉食にしか見えない子だね」
君もひどいな!というか普通に見えてるんだね。
「うーん、〇沢さんに見えるのはわたしだけという事なのかな」
「「「犯〇さん?」」」
あ、ここでは通用しないんだった。
「いや、えっとね。わたしには目だけ見える全身真っ黒に見えるんだけど」
「髪や制服も見えないのかな?」
「そうなの」
── アニメだと何とも思わないけどリアルで見るのはきつい。夜に会ったらトラウマになると思う。
いや、昼間でもなるかな、既に怖いし。
あ、こっちみた。やばい、無理。逃げたい・・・。
「なあ、あいつこっち見てるよな」
「所定の位置に行ってほしいんじゃないかしらぁ」
「所定の位置?君達は何の話をしてるんだい?彼女は知り合い?フェリ、私の知らない友人がいるなんて聞いてないよ?」
フェリシアの交友関係を把握しないと気が済まないアーベルの目が鈍く光り、フェリシアはヒロインを見たのとは別の意味で体が震えた。
── 入学式のイベントはアーベルルートの出会いなのに、この調子じゃ彼女に手を貸すどころか敵視するんじゃない?
あ、でもその方が都合良いのかな。
いやいや、ヒロインを見極める為には進んでもらわないといけないし・・・ん?どうしてヒロインを見極めないといけないの?
普通は逃げるとか立ち向かうとか自分の為に画策するとかじゃないの?
そういえば、昔からヒロインが良い方向に進めるかとか悪い方向へ進んだ時の対応の仕方とか考えてた気がする。
まるで、彼女を助けたいみたいに。
えー・・・、まさか私ヒロインが好きなの?なーんてありえないよ!
「フェリ?君はアレの事が好きなの?」
「まっまさか!初めて会った人よ?どうして匍匐前進してるのかなぁ?って思ってるだけだから!」
ふーん、と言いつつ、アーベルの目は疑ったままだった。
フェリシアの背中を伝う冷や汗は、見た目が黒いヒロインではなくお腹が黒いアーベルのせいだろう。
── 本当は攻略対象者達にも話しておこうかと思ったんだね。
でも、アーベルに話すとヒロインがゲームを始める前に見つけてどこかに捨ててきそうな気がしたんだもん!
アーベルはまほガクのメインヒーローにして腹黒、いや腹黒は関係ない。
実は・・・わたしの初恋であり現在もその恋心は続いてる。
え?なら婚約すればいい?
そう簡単には行かないのよ。
実は、わたしの婚約者候補は他にもいるんだよね。
わたし達兄妹はアルーンでは準王族だから王位継承権まであるしね、16位だけど。
1人目は件のアーベル。
2人目はクリスティーナの兄であるアルーン神聖王国のベルンハルト王太子。
クリスティーナの兄ってだけで、どういう人か分かると思う。
3人目はディクスゴート皇室の皇太子、アクセル・・・180歳。おっさんじゃん!って思ったよ。
でも、竜人は成長スピードが緩やかで、180歳の彼の見た目は20歳前後。
普段はクールだけど怒らせると怖い。名前通りにアクセル全開に・・・ボソ。
この3人が一応候補、まぁ竜人・獣人は番至上主義だから、アクセルに番が見つかればわたしはお役御免。早く見つかって!と毎日祈ってる訳です。
「この状況でぇ、物思いに耽られるフェリがぁとぉってもかわいぃわぁ。早くぅうちにお嫁にいらっしゃぁい?」
── クリスのうっとり声で覚醒できた!ありがとうクリス!
ただでさえ、2種族の先祖返りなんてめんどくさい状況だから、アルーンに嫁には行く気はないけどね。
「19歳まで婚約者決めたらダメなんだっけ?オートレース家の家訓は多すぎてめんどくせえな」
その家訓はこの婚約者候補騒動が起こってからできたものなのは、オーストレース家の秘密である。
「ま、僕と結婚するのは決定事項だからね。アルーンもディクスゴートも無駄な事をしてるよね」
── 私もそう思ってるけど言っちゃダメなんだよアーベル。
あ、こんな事してる内に真っ黒ヒロインが近づいてきた・・・。
「痛~い、あ~ん、ころんじゃった~。」
「「「「・・・・・・」」」」
「彼女は何をしているんだと思う?」
「う、うーん・・・」
「アーベル王子に助けてほしいんじゃないかしらぁ?」
「華麗に助け起こせ」
「それならエステル姫の方が適任だね」
「はぁ?冗談じゃねえよ」
「フラグを折るならそれが一番だけど・・・なんかもう彼女の事分かった気がするし」
「フラグを折る?やっぱりフェリとアレは知り合いなのかな?」
もう!今はそんな事言ってる場合じゃないから!
「ま、とりあえず」
「「「エステル、いってらっしゃ(ぁ)い」」」
「クソが!」と悪態をつきつつ彼女の元へ行くエステルを見て、アーベルが黒い笑みを浮かべたのをフェリシアは見逃さなかった。
── 第一王子?それを令嬢達が見たら倒れるからやめてあげて!
バシッ
── ん?何の音?アーベルに気を取られてたよ。
「ひどい!ひどいわ!どうしてこんな事するの!?」
視線を向けると、手を差し伸べたままで固まるエステルとエステルの手を思いっきり叩いたのであろう真っ黒ヒロインの姿があった。
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