15 / 15
野生には戻れない
しおりを挟む
魔王の弱点について、リスはわかった気になっていたが、すでに魔王にはリスに関して、知らなくていいことまで、知られてしまっている。
しかも魔王はいつも嬉しそうに、膝の上にリスを乗せ、お菓子を食べさせてくれるから、ドキドキもするし、美味しいし、幸せなのである。
すでに逃げ出したい、など思わなくなっている。野性の勘など、リスには最初からない。
ピアを見た時だけ、若干後悔するのだが、魔王が守ってくれる。
一つ、思いがけず、面倒なことはあった。
勇者とのクエストで、リスを姫役にして、結婚したことで、来年以降の姫役がリスになって、毎年勇者がこの生活を壊しにやって来るようになったのだった。
リスは、この生活を続けるために、勇者の敵にならなくてはならない。
元より勇者に何の思い入れもないので、魔王側につくのは抵抗はないが、毎年邪魔されるのは流石に迷惑である。
姫役を誰かに渡したいが、正直、魔王がリスよりそちらがいい、と捨てられてしまうのは避けたいので、どうしたものかと悶々としていた。
姫役は誰でもよいのだ。
誰かいないだろうか。
魔王は毎年自分が相手しなくても、ピアがいるから大丈夫だと言う。
うん、確かに。
ピアさえいれば大丈夫。
リスは妙に納得した。
ピアさえ良ければ、ピアを姫にしたいぐらい。
ん?これいいんじゃない?
「ねぇ、ピアを姫にするのは?」
「まあ、ピアは女の子だしな。いつかは家庭も持ちたいだろうし。いいな、それ。」
とりあえず、姫の変更を国に伝える。
勇者は毎年変わるらしいので、初見でピアの相手は無理だから、きっと大丈夫。
ピアなら嬉々として勇者と追いかけっこしてくれるだろう。
自分の思いつきにリスはホクホクしていたが、不意に魔王が言った。
「でも、姫を変更してしまったから、もう俺から逃れることは出来ないけど、いいのか?」
今更、何を言っているのか。
振り返ってみれば、最初に魔王城に入ってから随分と日が過ぎたが、一度も外に出ていない。出る気もないのだから、当然だ。
それに、魔王城で暮らすなら、魔王が一緒の方が楽だし、楽しい。
いきなりは難しいけれど、一種の決意表明として、リスは魔王のほっぺにキスをした。
魔王がニンマリと笑って、リスもニンマリと笑い返す。
どちらかというと、共犯者みたいな笑みだが、そのうち違う顔になっていくのだろう。
今はこの辺りで、精一杯だ。
何を思ったか、魔王がリスを抱えあげる。
リスは抵抗したが、意味はなかった。
ベッドに降ろされ、魔王の目つきが変わる。リスはまたもや、身の危険を感じずにはいられなかった。
おわり
*長らくのタイトル詐欺、申し訳ありませんでした。しかも途中ダイエット小説みたいになってましたが、今後恋愛に発展していくのだとおもいます。
お気に入りやしおり、読んでいただいてありがとうございました!
mios
しかも魔王はいつも嬉しそうに、膝の上にリスを乗せ、お菓子を食べさせてくれるから、ドキドキもするし、美味しいし、幸せなのである。
すでに逃げ出したい、など思わなくなっている。野性の勘など、リスには最初からない。
ピアを見た時だけ、若干後悔するのだが、魔王が守ってくれる。
一つ、思いがけず、面倒なことはあった。
勇者とのクエストで、リスを姫役にして、結婚したことで、来年以降の姫役がリスになって、毎年勇者がこの生活を壊しにやって来るようになったのだった。
リスは、この生活を続けるために、勇者の敵にならなくてはならない。
元より勇者に何の思い入れもないので、魔王側につくのは抵抗はないが、毎年邪魔されるのは流石に迷惑である。
姫役を誰かに渡したいが、正直、魔王がリスよりそちらがいい、と捨てられてしまうのは避けたいので、どうしたものかと悶々としていた。
姫役は誰でもよいのだ。
誰かいないだろうか。
魔王は毎年自分が相手しなくても、ピアがいるから大丈夫だと言う。
うん、確かに。
ピアさえいれば大丈夫。
リスは妙に納得した。
ピアさえ良ければ、ピアを姫にしたいぐらい。
ん?これいいんじゃない?
「ねぇ、ピアを姫にするのは?」
「まあ、ピアは女の子だしな。いつかは家庭も持ちたいだろうし。いいな、それ。」
とりあえず、姫の変更を国に伝える。
勇者は毎年変わるらしいので、初見でピアの相手は無理だから、きっと大丈夫。
ピアなら嬉々として勇者と追いかけっこしてくれるだろう。
自分の思いつきにリスはホクホクしていたが、不意に魔王が言った。
「でも、姫を変更してしまったから、もう俺から逃れることは出来ないけど、いいのか?」
今更、何を言っているのか。
振り返ってみれば、最初に魔王城に入ってから随分と日が過ぎたが、一度も外に出ていない。出る気もないのだから、当然だ。
それに、魔王城で暮らすなら、魔王が一緒の方が楽だし、楽しい。
いきなりは難しいけれど、一種の決意表明として、リスは魔王のほっぺにキスをした。
魔王がニンマリと笑って、リスもニンマリと笑い返す。
どちらかというと、共犯者みたいな笑みだが、そのうち違う顔になっていくのだろう。
今はこの辺りで、精一杯だ。
何を思ったか、魔王がリスを抱えあげる。
リスは抵抗したが、意味はなかった。
ベッドに降ろされ、魔王の目つきが変わる。リスはまたもや、身の危険を感じずにはいられなかった。
おわり
*長らくのタイトル詐欺、申し訳ありませんでした。しかも途中ダイエット小説みたいになってましたが、今後恋愛に発展していくのだとおもいます。
お気に入りやしおり、読んでいただいてありがとうございました!
mios
22
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!
【短編完結】記憶なしで婚約破棄、常識的にざまあです。だってそれまずいって
鏑木 うりこ
恋愛
お慕いしておりましたのにーーー
残った記憶は強烈な悲しみだけだったけれど、私が目を開けると婚約破棄の真っ最中?!
待って待って何にも分からない!目の前の人の顔も名前も、私の腕をつかみ上げている人のことも!
うわーーうわーーどうしたらいいんだ!
メンタルつよつよ女子がふわ~り、さっくりかる~い感じの婚約破棄でざまぁしてしまった。でもメンタルつよつよなので、ザクザク切り捨てて行きます!
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる