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サミュエル 10歳 ローラ 15歳
ローラの独り言 3
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朝から、デイヴィスに呼び出される。急を擁する感じに怯えて会いに行けば、サミュたんを狙った悪い虫がいると言うこと。イーサン伯爵家の娘らしいのだが、よくは知らない。まあ、私とは歳が離れているし、お茶会などで一緒になったこともない。
サミュたんに狙いを定め、偶然を装い話しかけているらしいが、サミュたんは無視。しかも覚えていないらしい。
それでも、ポジティブな思考をされていて、照れていらっしゃるのね、とか言うんだって。強いわね、そのご令嬢。
イーサン伯爵自身は、凄く真面目な堅物って印象なので、イメージが湧かない。
「エイミー様とは、その方どんな感じなの?」
デイヴィスが何か知っているかと尋ねると、酷く不機嫌な顔をしている。圧が凄い。
「エイミーとは仲は良くない。当然だが。伯爵家同士だが、自分の家の方が家格が上だと見下している。」
「そうだっけ。」
「いいや、多分ただの思い込みだ。イーサン伯爵がそんなことを言うとも思わん。誰かの入れ知恵だとしても、根拠のないことだ。言いがかりだ。」
「エイミー嬢はどう思ってるのかしら。」
「面倒そうだが、顔には出していない。だから、向こうがつけあがるんだ。」
「その方、私にはどうかしら。次に来た時にどう出るか見たいわ。」
そう言って、エイミー嬢と、彼女が会う時に同席することを約束した。
その機会は、思ったより早くに訪れた。
ローラの姿を目にした際、少しの緊張が走る。彼女はエイミー嬢を見つけて満面の笑みを浮かべて、悠々とこちらに向かってきたのが、私を見て、笑みを消した。
挨拶を交わし、座らせると、緊張した面持ちで話し始める。どうやら、エイミー嬢には、何か嫉妬に近い想いがあるようで、私を巻き添えに、自分こそがサミュたんに相応しい、と言うようなことを話している。
そのおかげで、周りの方々が、眉を顰めている。声が大きいから丸聞こえなんだけど。彼女はエイミー嬢を攻撃しているつもりだが、サミュたんの婚約者は私なので、伯爵令嬢ごときが、格上の公爵令嬢に喧嘩を売ってるみたいになっている。
一通り彼女が話終わって、よし、こちらのターン、と思ったら、背後から声がかかる。
「白熱しているね。私も仲間に入れてくれないか?」
エイミー嬢が振り返り、嬉しそうな顔をする。デイヴィスの笑みを見ても裏を知り過ぎているため、怖いしか、思えない。ヒイ。
「ローラ、ここにいたんだね、探したよ。」
デイヴィスとお揃いかと思うスーツをきて、登場したサミュたん。
うぅ、至福。可愛すぎでしょう。最近ほんのりと男の色気みたいなのも感じるのよね。ああ、成長が早い。もう少しゆっくりでもいいのに。
イーサン伯爵の娘は、サミュたんの姿に、目をキラキラさせていたが、私の隣に座ると、私ばかり見つめている。
最近こう言う攻撃をしてくるんだけど、かわいさが大渋滞するから、私の脳内が混乱してしまう。
サミュたんは、イーサン伯爵の娘には興味を示さない。彼女が話しかけようにも、デイヴィスがわかりやすく邪魔をする。
結果、イーサン伯爵の娘は、私を敵認定したようだ。散々睨みつけている。
でも、悪いけど、怖くはないんだよね。ワクワクはするけれど。
彼女は私のお眼鏡には叶わない。だから、拒否させていただきます!
サミュたんに狙いを定め、偶然を装い話しかけているらしいが、サミュたんは無視。しかも覚えていないらしい。
それでも、ポジティブな思考をされていて、照れていらっしゃるのね、とか言うんだって。強いわね、そのご令嬢。
イーサン伯爵自身は、凄く真面目な堅物って印象なので、イメージが湧かない。
「エイミー様とは、その方どんな感じなの?」
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「そうだっけ。」
「いいや、多分ただの思い込みだ。イーサン伯爵がそんなことを言うとも思わん。誰かの入れ知恵だとしても、根拠のないことだ。言いがかりだ。」
「エイミー嬢はどう思ってるのかしら。」
「面倒そうだが、顔には出していない。だから、向こうがつけあがるんだ。」
「その方、私にはどうかしら。次に来た時にどう出るか見たいわ。」
そう言って、エイミー嬢と、彼女が会う時に同席することを約束した。
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ローラの姿を目にした際、少しの緊張が走る。彼女はエイミー嬢を見つけて満面の笑みを浮かべて、悠々とこちらに向かってきたのが、私を見て、笑みを消した。
挨拶を交わし、座らせると、緊張した面持ちで話し始める。どうやら、エイミー嬢には、何か嫉妬に近い想いがあるようで、私を巻き添えに、自分こそがサミュたんに相応しい、と言うようなことを話している。
そのおかげで、周りの方々が、眉を顰めている。声が大きいから丸聞こえなんだけど。彼女はエイミー嬢を攻撃しているつもりだが、サミュたんの婚約者は私なので、伯爵令嬢ごときが、格上の公爵令嬢に喧嘩を売ってるみたいになっている。
一通り彼女が話終わって、よし、こちらのターン、と思ったら、背後から声がかかる。
「白熱しているね。私も仲間に入れてくれないか?」
エイミー嬢が振り返り、嬉しそうな顔をする。デイヴィスの笑みを見ても裏を知り過ぎているため、怖いしか、思えない。ヒイ。
「ローラ、ここにいたんだね、探したよ。」
デイヴィスとお揃いかと思うスーツをきて、登場したサミュたん。
うぅ、至福。可愛すぎでしょう。最近ほんのりと男の色気みたいなのも感じるのよね。ああ、成長が早い。もう少しゆっくりでもいいのに。
イーサン伯爵の娘は、サミュたんの姿に、目をキラキラさせていたが、私の隣に座ると、私ばかり見つめている。
最近こう言う攻撃をしてくるんだけど、かわいさが大渋滞するから、私の脳内が混乱してしまう。
サミュたんは、イーサン伯爵の娘には興味を示さない。彼女が話しかけようにも、デイヴィスがわかりやすく邪魔をする。
結果、イーサン伯爵の娘は、私を敵認定したようだ。散々睨みつけている。
でも、悪いけど、怖くはないんだよね。ワクワクはするけれど。
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