王子は真実の愛に目覚めたそうです

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番外編 ジャンヌとルーカス

癒し

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ジャンヌのために用意した白い馬は、ジャンヌの気に入った。自慢の毛並みを撫でられて嬉しそうにしている。

ジャンヌは、運動神経が良いのか、昔のことを思い出したのか、少し走らせるとすぐに、一人で乗れるようになった。私が考えていた二人で乗りながらイチャイチャする、と言う計画は見事に崩れたが、彼女が楽しそうにしているのを見ると、私も幸せになってくる。

久しぶりに馬を走らせてやることができて、良かった。買ったは良いが、中々乗ってやれないのは可哀想だし、早くご主人に早く会いたかっただろうしね。

ジャンヌは、乗りながら見える景色に感嘆していたし、私もようやく一息つけた。

別邸は四方を広大な森に囲まれている。

「昔は湖のほとりで、ピクニックとかしたんだよ。」

そうだ。その時はまだ兄とも仲は悪くなく、王妃様は難しくとも、側妃の母と、兄と私でお弁当を持ってのんびり過ごしたのだった。

兄は私より背が高く、何をするにしても、私よりも上手くできた。

兄は王妃の子だから、側妃である母とは血の繋がりはないものの、母は兄を大切に思っていた。

「あの頃と全く変わらない。」
周辺を馬で回っていると、案の定途中で、夕焼けが空を染めて行く。

「そろそろ戻ろうか。」
田舎は都会より早く日が落ちる気がする。夜がすぐにやってくる。体を冷やさないように、ジャケットを脱いでジャンヌの肩にかけると、ジャンヌの体が華奢すぎて、服に着られてる感が出る。

「疲れていない?」
「ええ、大丈夫ですわ。」

「戻ってから、少し手伝ってくれる?」
ジャンヌは首を傾げている。

邸に戻ると、準備は出来ていた。
二人だけのディナーの準備が。

楽しく遊んだ後は温かい料理に舌鼓を打つ。
幼い頃は、皆で囲んだ食卓だが、今回は二人きり、の演出のままに。

私とジャンヌの最初の夜だ。普段住んでいる王宮よりも特別感が増す。キャンドルに照らされた食卓を囲んで、手作りだけど、隠れ家的な演出で二人きりの食事を楽しむ。

広い食卓ではなくて、二人向かいあって、お皿を置いたらいっぱいになってしまうような狭い空間でお互いしか見えない感覚は、どこか不思議で面白かった。

手を伸ばせば届く範囲に愛しいジャンヌがいる。食事中は、我慢したものの、食事が終わると同時にジャンヌを膝に乗せることに成功する。

ジャンヌは汗臭い、と辞退したが、酔いに任せて抱き上げると、抵抗を諦めてくれた。ジャンヌは汗の匂いなんて、しない。何の香りかわからないが甘い香りがする。

「抵抗しないの?」
「したら危険ですもの。貴方に傷をつけられません。」

私の女神は慈悲深い。

「キスをしても?」
ジャンヌが恥ずかしそうに目を閉じる。この瞬間を切り抜いて、記憶に保管しておきたい。

ジャンヌの唇の味を堪能する。やはり、ジャンヌの唇からも甘い香りがして、私をすっかり捕らえて離さない。
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