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本館の主
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謎の女性に言われた言葉を思い返してみると、まずは部屋にいる侍女に目を光らせる。そして、本館の様子を覗き見る。今の自分が自由に行動するには、部屋の侍女に見つからないようにしなければならないので、彼女にはまたすぐに会いに行けるだろう、そう思っていたのに、侍女が最近中々出ていかない。
私がストレスを感じているのを、肌で感じたのか、こちらを見る目つきが鋭いような気がする。
そして、以前美女と会ってから二週間ほど無為に過ごしてから漸く、侍女が本館に行くタイミングに立ち会うことができた。
とは言っても、決して気づかれてはいけない。こそこそと、一定の距離を保ちながらついて行く。
侍女が本館に入っていくと、どこからか男が現れた。侍女と親密な様子だ。男の服装から、使用人ではないとわかる。我が物顔で屋敷を歩く男の顔をよく見ようと顔を出した瞬間、驚いた顔の妻と目が合う。
たまたま妻のいた部屋から、離れの通用口は丸見えだった。
やってしまった。背中に汗が滝のように流れる。冷や汗が凄いのだが。一番見つかったらいけない人に見つかってしまった。
妻はすぐさまこちらにきたが、口を押さえられて、キョロキョロと辺りを見渡した。
「何をしてるんですか?こんなところ、誰かに見られたら…」
「誰かに、とは?誰のこと?」
「明日朝お時間とっていただいていいですか?できたら侍女のいない時間がいいのですが。」
うん?また侍女か……。
「朝食後はいなくなる時間がある。」
「では、その時に。」
妻は、あの臭い香水をつけていなかった。記憶を失ってからと言うもの、妻にはいい印象が全く持てなかったのだが、今日に限っては違う。
私を上目遣いに見ることも、媚びを売ることもなく、普通に話せる。
妻に言われて離れに帰った時、一瞬だけ見えた侍女と仲良さそうにしていた男をどこかで見た気がする。
私が会った男達は、執事以外は全て妻の友人だ。私の妻だけでは飽き足らず、侍女にも手をだすなんて、最低だ。確かアレックスと言っていた。
あいつは人の家で何をやっているのか。
そもそも私が離れから出られないのは、アレックスが我が物顔で本館にいるからなのか?
執事に確認しなくてはならない。
けれど執事を盲目的に信じるのも恐ろしい。
どうしたらいいんだ。
頭を抱えて悩んでいても答えは出てこない。
あの執事ではない、信頼できる若い執事が欲しい。その願いは、早速叶えられるが、今度は別の問題が生じてしまうことを理解していなかった。
私は意図せずに肉食獣の檻の中に片足を突っ込んでいた。
私がストレスを感じているのを、肌で感じたのか、こちらを見る目つきが鋭いような気がする。
そして、以前美女と会ってから二週間ほど無為に過ごしてから漸く、侍女が本館に行くタイミングに立ち会うことができた。
とは言っても、決して気づかれてはいけない。こそこそと、一定の距離を保ちながらついて行く。
侍女が本館に入っていくと、どこからか男が現れた。侍女と親密な様子だ。男の服装から、使用人ではないとわかる。我が物顔で屋敷を歩く男の顔をよく見ようと顔を出した瞬間、驚いた顔の妻と目が合う。
たまたま妻のいた部屋から、離れの通用口は丸見えだった。
やってしまった。背中に汗が滝のように流れる。冷や汗が凄いのだが。一番見つかったらいけない人に見つかってしまった。
妻はすぐさまこちらにきたが、口を押さえられて、キョロキョロと辺りを見渡した。
「何をしてるんですか?こんなところ、誰かに見られたら…」
「誰かに、とは?誰のこと?」
「明日朝お時間とっていただいていいですか?できたら侍女のいない時間がいいのですが。」
うん?また侍女か……。
「朝食後はいなくなる時間がある。」
「では、その時に。」
妻は、あの臭い香水をつけていなかった。記憶を失ってからと言うもの、妻にはいい印象が全く持てなかったのだが、今日に限っては違う。
私を上目遣いに見ることも、媚びを売ることもなく、普通に話せる。
妻に言われて離れに帰った時、一瞬だけ見えた侍女と仲良さそうにしていた男をどこかで見た気がする。
私が会った男達は、執事以外は全て妻の友人だ。私の妻だけでは飽き足らず、侍女にも手をだすなんて、最低だ。確かアレックスと言っていた。
あいつは人の家で何をやっているのか。
そもそも私が離れから出られないのは、アレックスが我が物顔で本館にいるからなのか?
執事に確認しなくてはならない。
けれど執事を盲目的に信じるのも恐ろしい。
どうしたらいいんだ。
頭を抱えて悩んでいても答えは出てこない。
あの執事ではない、信頼できる若い執事が欲しい。その願いは、早速叶えられるが、今度は別の問題が生じてしまうことを理解していなかった。
私は意図せずに肉食獣の檻の中に片足を突っ込んでいた。
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