君の顔が思い出せない

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エリーの侍女 二人目

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シャルに連れられて、訪れた場所には、また何人かの顔があった。見覚えはないが、それは当然だ。会ったことはあったが、紹介を受ける間柄ではないからだ。

「おかえりなさいませ、エドワード様。」
さほど、歳は変わらないように見える侍女がにこやかに挨拶をしてくれる。

「ただいま。君は……」
「エリー様の侍女のマリーと申します。」

見たことがあると思ったらエリーの侍女らしい。あー、なるほど。あれ?じゃあ、あの妻(仮)のことも知っているかもしれない。と、話をしようとして、やめた。

彼女の名前がわからない。見た目などは変えているだろうし、他の説明がうまくできるとは思えない。

エリー本人に直接尋ねる方が良い。

「エリーは、今日は……」
「……お待ちでいらっしゃいます。」

エリーのことを聞くと、顔色を変えずに返事をするが、奥の方で他の侍女達が息を呑んだのが、不思議でシャルを見る。

シャルは、奥にいた彼女達を睨むと、私の視線に気づき、とってつけたような笑顔を浮かべた。

「兄様、エリー姉様は逃げも隠れも致しませんので、義務だけ果たしてしまいましょう。」

そう言って奥の部屋に誘導される。着いた部屋にはまた知らない男がいた。

今まであった大型犬みたいな男達とは違い、大人で節度ある佇まいの、ちゃんとした大人だ。

話し合いは、聴取という形で、シャルとアーロン、私と彼で私がアレックスに囚われてから今までの話を一通り説明した。置いてきたリックと言う護衛とエリーの侍女の話になると、シャルの言う通り、この部屋にいた彼も顔を顰めた。

リックって、あんまり人望ない?

「彼はオリバー様の子飼いでしたから、信用ならないのは当然です。以前のエドワード様が二重スパイとして送り込んでいたとしても、私達の誰にも教えなかったとは思い難いので。」

「もし、彼がスパイだったとしても、彼ならどうにかできるでしょう。それなりの力がなくては、どのみち足手纏いになってしまう。」

アーロンも辛口。あれだけ頼りにしていたリックが悪く言われているのは、胸が痛い。何もわからない自分の味方になってくれたのに。


私が気まずくなって話さないのを、疲れたと勘違いしたシャルが休憩にしてくれる。

疲れてはいないが、これからのことを考えるとエリーに何と言えば良いのか、侍女を置いてきてしまったことを謝らないといけないと思って、落ち込んだ。

エリーはどうしているのだろう。私が来たと知って、飛び出してこないかと思ったが、そうではなかった。エリーは淑女として、大人しくしているのかな。

シャルにも、会えたら記憶なんてすぐに戻ると言われたので、期待しているのは間違いない。

私は先程の侍女達の一幕も忘れて呑気にエリーに会うことを考えていた。




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