幼馴染が恋をしたら、もれなく巻き込まれました

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花畑の種類  ミリー視点

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ミリー・シューダーの夢は、「格好いい夫を持って、子爵家を発展させていくこと」だった。

出来れば、高位貴族に嫁に行って、その領地経営のノウハウを学べたら、と考えていたのだが。

夫には見目以外は求めていなかった。従順で妻に頭があがらなければ尚良い。

そして、お眼鏡にかなったのが、ケヴィン・アクト公爵令息だった。幼馴染の腹黒女に良いように利用されて、それで愛しの婚約者に誤解されているのに、何もしない愚鈍な男。家柄と顔だけの男。

ミリーは彼を「理想的」と称した。婚約者の侯爵令嬢は彼に対し、何の思い入れもないようだし、上手いことやれば、子爵家と公爵家の縁も結べると判断した。

実際、醜聞に巻き込まれた彼は、子爵家からの誘いに乗った。誰もが彼らを遠巻きにする中、シューダー家だけが、彼らに近づき、彼らのために力を尽くしたせいで、ミリーは無事理想の夫を手に入れることができた。

彼はいまだに現実が受け入れられないのか、元婚約者のグレイス嬢を気にしているが、自分の立ち位置もちゃんと理解していて、ミリーを蔑ろにすることはない。

心の中で誰を想っていようが、ミリーには関係がない。寧ろその方が裏切りがなくて良いのではないかとさえ、思っている。グレイスに比べ可愛げもなければ、芋臭さも消えない自分が花畑在住でいられるには、工夫が必要だ。

心の中ではどうあれ、ケヴィンは良い夫でいてくれる。彼が誰かに唆されて、将来ミリーに何かをする可能性は十分にある。だけど、彼の策略を見逃すほどに腑抜けになれるならそれは幸せなことだし、それだけの胆力があったなら、ミリーは彼をより愛しく思うことができるだろう。

「お前が幸せならそれで良い。」

第一王子ジュリアスはグレイス嬢に振られてすぐに隣国の王女と婚約した。

隣国の王女は儚げな容姿とは全く異なる中身をお持ちで、話してみてとても面白い人だった。

彼女なら、国母に相応しい。彼女が来る前には流れていたアリス・ロゼットに関わる噂も彼らの成婚時にはすっかり下火になっていて、そんな人いたかしら、とまで言われるようになっている。

心の中はどうあれ、二人は仲睦まじそうに見えた。ミリーも含めて第一王子ジュリアスの笑顔を見た人は衝撃を受けたに違いない。

「どこからどう見てもお似合いの二人」に、ミリーは心の中で賛辞を送る。ミリーは野山の管理されていない花畑には住めない。ちゃんと手入れされた管理された場所で住むことを望んだ。

「理想の花畑」と言う褒めてるかどうかよくわからない称号を二人につける。自分達の目指す場所はあそこだ。ミリーは冷えた頭でウットリと夫を思い浮かべた。
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