笑わない妻を娶りました

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幸せな結婚を オリバー視点

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やっぱり思った通りだった。

オリバー・クレンズ伯爵は、幸せそうな友人と従姉妹を見て、満足そうに微笑んだ。まだ顔合わせを行う前から、二人は合うのではないかと思っていたから。

多分どこか話が噛み合わなくても何となく幸せになれそうな感じ。二人ともどこか人が良く少し天然。リーゼには悪いがミスティアとスタンをオリバーはくっつけたかった。

スタン・タイロンは、新興貴族には珍しい欲のない男だ。自分で自分のことを平凡だと思っている、少し残念な男。

彼は学生時代、そこそこモテていた。というのに、その認識がないのは、一体どういう訳だろう。

夜会に行っても、大勢のご令嬢に囲まれたりはしないが、何人かのご令嬢からは気にかけられたり、実際に話しかけられたりしていたにも関わらず、自分に対する好意は全て、単なる付き合いだと跳ね返す。筋金入りの鈍感だ。

彼が爵位を継ぐ際に結婚しなくては、と話す度に、「もう少し待ってくれ」と言いたくなった。

従姉妹のミスティアは、笑い声以外は完璧な女性で、だからこそ王太子殿下に執着されていた。実際、笑い声など些細なことだと、無理矢理婚約を結ばされてもおかしくはなかった。

だが、王太子殿下の第一印象が最悪だったミスティアが彼を望むことはなく、ドゥーラ伯爵家ならびにその親戚縁者が、全くといっていいほど、権力に無関心であったことから、この婚約は成ることはなかった。


リーゼの報告によると、笑い声は隠す方向にしたようだ。ミスティアの気持ちはわかるが、スタンはそんなことでミスティアを嫌いにならないと思う。

寧ろ、あいつのことだから、「鳥と話せるなんてミスティアはやはり女神だ。」とかなんとか言い出しそうだ。

と思っていたら、本当にそれっぽいことを言ったらしい。

リーゼが嫌な顔をしていた。


「どうして、あんな発想になるのかな。それでも、お姉様は幸せそうだから、良いけれど。」

リーゼは何故か納得していないような顔をしてスタンを見ている。

頼りなくは見えるが、アレは中々懐の深い男だが。

「心配しなくても、お前にも良い男を見繕ってやるさ。」

いつもの癖でポンポンと頭を触ると、折角セットした髪が崩れる、だの、デリカシーがないだの、見当違いだの、と騒がれた。

リーゼにはああ言う鈍い男ではなくて、察しの良いタイプが良いだろう。


リーゼは、オリバーから逃れて、今度はアリシアに甘えている。こうして欲のない人間が集まることで平和を維持できるのなら、王太子殿下の失態は、感謝すべきなのだろう。彼は今後ミスティアが幸せになる様子を指を咥えて眺めるだけだ。

可愛い従姉妹を傷つけた者をオリバーは許さない。それはリーゼに共感する。

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