第二王子の初恋

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*ソフィアの視点です。

ノア様からまた、デートの申し込みがありました。いつもよりドキドキしてしまい、さぞかし挙動不審だったでしょう。

侍女が、どんな服にするか聞いてきます。今回は王宮デートなので、いつもより煌びやかなドレスにしましょう。

今回は、…キスはあるのかしら。
…私何を考えているの?
恥ずかしい。

でも、目を閉じると、ノア様の唇の感触を思い出します。


あの柔らかそうな髪に触れてみたい。
意外と筋肉質な腕にも、リスの頬袋の様な頬にも、楽器に造詣が深い方特有の細くて長い綺麗な指にも、触れてみたい。

私、変態になってしまったのかしら。

でも、侯爵令嬢がこんなこと考えてることが、わかったら、嫌われてしまう。

だから、ノア様には知られない様にひっそりと堪能しましょう。

王宮は何度か伺ったことがあるけれど、庭園でお茶とかするのかしら?それか、ノア様のお部屋?

ノア様のお部屋なら誰にも邪魔されずに…

何を考えてるの?
私はいつからこんなはしたなくなったのかしら。


そうこうしているうちに、王宮デートの日になりました。

ノア様が迎えに来てくださって、馬車に乗り込む。
「綺麗だね。」と微笑んでいるノア様。
自然に隣に座られる。

ノア様のデートしませんか?のお手紙にはネックレスはこちらで用意するから付けないように、と書かれておりました。

まさかノア様に直接つけられるとはおもいませんでした。

ち、近い!

ノア様の体臭?コロン?
良い香りが漂ってきますわ。

うっとりしていると、クスッと笑われて、似合うよ、とおっしゃられました。

「ありがとうございます。」

「あの、ノア様?」
「うん?」
「あの、手を…」繋いだままなのですが…
「ちょっと緊張してるので、このままでも良いかな?」
「は、はい」
こ、断れない!

私も緊張していたので、ノア様が何故緊張しているのか知らなかったのです。

着いて早々、国王陛下にご挨拶することになりました。

婚約者としての挨拶です。

扉が開いて、びっくりしました。

そこには、陛下、王妃様、側妃様、王弟殿下、アルノルト様、ユーリア様、エリアス様と、王族の方々が勢揃いされていたのですから。

そこにきて、はじめて、ノア様が緊張されていた理由がわかったのです。

なんとかご挨拶をします。

王妃様が、
「やっぱり、ソフィアちゃんだと思ったわー。」と、とても砕けた口調で、話されています。

「わかりやすすぎるわよー!」
と、側妃様。あ、ノア様のお母様です。

ノア様は、はぁ、と短くため息をついて、「陛下、婚約式、よろしくお願いします。」とおっしゃいました。

「うん、わかったー」
まるで子供のような陛下のお返事です。

え?
どういうことですか?
私、置いてきぼりなんですけど…








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