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墓穴は深く
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「お姉様!」
友人との楽しいひと時に水を差すのは勿論非常識な妹ロザリア。今になって事情を知った父と兄に冷たくされたと、また性懲りも無く文句を言いにきた、といったところだろう。全く何だって自分が怒られる理由を此方に求めるのか。
頭がおかしいとしか言いようがない。この場にはシスティーナ、ルイーズの他にロザリアを苦手としている侯爵令嬢がいる。彼女は何を隠そう、第一王子の婚約者候補にまでなったことのあるご令嬢で名をアリア・カラントという。
第一王子の最初の被害者であり、冤罪で罪に問われる寸前に、他国の皇太子に助けられ、見そめられた正にヒロインのようなご令嬢だ。
いつもは他国にいるのだが、婚姻前の里帰りとして、戻って来たのだ。ルイーズとシスティーナはアリアとは幼馴染で仲良くしていた。
第一王子クリストファーが彼女を貶めた理由には、彼女が彼をも凌ぐ優秀な人だったからだと言われている。彼女は此方の事情をご存知でちらりとロザリアを見て、持っていた扇で口元を隠した。
「まあ、彼の方の好きそうなお顔立ちね。変わっていなさそうで安心したわ。」
ロザリアはシスティーナの友人として交流のあった彼女を覚えていなかったようで、彼女を無視してシスティーナに喚き続ける。
「彼の方も、女性が絡まなければ優秀な方なのよ。好きな人のことを信じすぎたり、嫌いな相手を嫌いすぎることはあっても、仕事などはできるのよ。おかげで今まで慰謝料なんかも払われているしね?支払いが滞ったこともないもの。ただ困るのはこれからの話よ。これ以上問題を起こすと、今の地位すら無くなるじゃない?なら、慰謝料の支払いがまだ済んでいない今、一括で返済してもらった方が良いのかな、って。」
ロザリアが喚いてはいるが、システィーナとしては、アリアの話に興味がある。というか、まだ慰謝料って全て支払われていないのね。
「お金が無いって言って分割にしたのは良いのだけれど、彼の方、侯爵家のお金で相手の方にたくさん貢がれていて、その分をお返ししてもらうことになっているの。だから、慰謝料というよりは借金の返済ね。
時に貴女、何か第一王子殿下から、貢がれたりしてない?余裕があるようなら、増額も考えなければいけないわ。」
ロザリアは何を思ったか息を吹き返し、アリアに向かって踏ん反り返る。
「クリス様は私にいつも綺麗でいてほしいとたくさん貢いでくださるわ。」
「そう、なら、考えてみるわ。教えてくれてありがとう。」
いまいち噛み合っていない二人の会話だが、システィーナとルイーズは同じことを考えていた。
驚くことに、ロザリアはどんどん墓穴を掘っていく。ここまでのことは考えていなかったものの、システィーナは妹に対して気の毒だとかけらも思えないことに納得していた。
友人との楽しいひと時に水を差すのは勿論非常識な妹ロザリア。今になって事情を知った父と兄に冷たくされたと、また性懲りも無く文句を言いにきた、といったところだろう。全く何だって自分が怒られる理由を此方に求めるのか。
頭がおかしいとしか言いようがない。この場にはシスティーナ、ルイーズの他にロザリアを苦手としている侯爵令嬢がいる。彼女は何を隠そう、第一王子の婚約者候補にまでなったことのあるご令嬢で名をアリア・カラントという。
第一王子の最初の被害者であり、冤罪で罪に問われる寸前に、他国の皇太子に助けられ、見そめられた正にヒロインのようなご令嬢だ。
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「彼の方も、女性が絡まなければ優秀な方なのよ。好きな人のことを信じすぎたり、嫌いな相手を嫌いすぎることはあっても、仕事などはできるのよ。おかげで今まで慰謝料なんかも払われているしね?支払いが滞ったこともないもの。ただ困るのはこれからの話よ。これ以上問題を起こすと、今の地位すら無くなるじゃない?なら、慰謝料の支払いがまだ済んでいない今、一括で返済してもらった方が良いのかな、って。」
ロザリアが喚いてはいるが、システィーナとしては、アリアの話に興味がある。というか、まだ慰謝料って全て支払われていないのね。
「お金が無いって言って分割にしたのは良いのだけれど、彼の方、侯爵家のお金で相手の方にたくさん貢がれていて、その分をお返ししてもらうことになっているの。だから、慰謝料というよりは借金の返済ね。
時に貴女、何か第一王子殿下から、貢がれたりしてない?余裕があるようなら、増額も考えなければいけないわ。」
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「そう、なら、考えてみるわ。教えてくれてありがとう。」
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