望んだことをしてあげただけなのに、妹が烈火のごとく怒り出したのですが

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何で俺が

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アレクシスは、母からの呼び出しが来たことで、侯爵家に何かとてつもなく良くないことが起きたのだと理解していた。

そうでなければ、母はシスティーナを呼び出す筈である。もしかして、システィーナに何かがあったのだろうか。でなければ、母には見放されている自分に声が掛かるなんてありえない。

気を引き締めて母の元に向かうと、母からはロザリアが第一王子に物を投げつけて牢に捕らえられたと言う。

何だ、そんなことか。ホッとしたのも束の間。

「そんなことなら、いつも通りシスティーナにさせれば良いじゃないですか。」
母は、ため息をついて、システィーナとアランもその場にいて事情を聞かれていると言う。
アレクシスは、そのことを聞くと、何だ自分がわざわざ行かなくとも、証人がそんなにいるならば、真実はすぐにわかるだろう。システィーナが怒ってはいても、可愛い妹が牢の中に入るようなことはさせない筈だ、と思った。

だが、その後の母の発言でそれが自分の思い違いだと知る。

「第一王子殿下は慰謝料を支払う為に、平民になられたそうよ。それにロザリアが話が違うと言って物を投げたの。第一王子殿下の背後にいた騎士にそれは当たったけれど、そのまた背後にはシスティーナがいたらしいの。アラン君は、激怒してね。公爵家からはロザリアを修道院に入れて、縁を切るようにと言われたわ。最後の情けとして、修道院への寄付は手厚くさせてもらうけれど。もうあの子はシスティーナどころか、侯爵家がフォローできないところまで来てしまったのよ。」

そうは言ってもただの痴話喧嘩なら、そんなに目くじらを立てることもない。それに、アラン君はシスティーナの言うことなら聞くのだから、言い含めれば良いじゃないか。


「わかっているとは思うけれど今回公爵家から言われたのは助かったと言うことよ?彼らが憎まれ役を買って出てくれたことで、王家からのお咎めがなかったの。王家から咎めがあったら、不味いと言うことぐらいはわかるわよね。」

確かに彼ならそう言う牽制や根回しも可能だろう。

「それで貴方にもしまだ次期当主として侯爵家を継ぐ気が少しでもあるなら、妹を説得して穏便に修道院に入らせなさい。それが貴方にできる最初で最後のチャンスよ。」


「母上はどちらにせよ、マイルズに継がせるおつもりだと思っていました。」

「そうね。それは今もそう思っているわ。ただ、貴方がこれから変わるのであれば、チャンスは与えてやりたい、と思っているの。今は賢いマイルズも成長後、道を外さない保証はないでしょうし。貴方が妹や家の為に動く気があるならば私も選択肢を増やさないと公平じゃないでしょう?」

「妹のためを思うなら、もう一度だけ許してもらえることは。」
「できないわね。あの子のしたことは、今罪状にあがっているだけのことじゃない。第一王子殿下について、色んな人から忠告されたのに、聞かなかった。知ろうとしなかった。システィーナを悪役に仕立て、自分の行いを正当化しようとした。姉の婚約を壊そうと画策し、侯爵家に多大な不利益を与えようとした。他に、何があるかしら。あの子がやらかして、システィーナがいつもフォローをしている間に貴方は何をしていたの?他人事だと、ロザリアと笑っていただけでしょう。甘やかせるだけが、兄の役目じゃないの。勿論、システィーナに嫌味を言うのも、兄の仕事なんかではない。

それで、貴方は何をしたの?次期当主になる為に今何をすべきか、きちんと考えて。」


何で俺が。

説明を聞いた後もいまだに自分が動かなくてはならない理由がわからないまま、アレクシスは、部屋を追い出された。

システィーナに嫌味を言うのは、言いたくなるからだ。即ち、それは言わせたくなる妹が悪いんであって俺のせいではない。



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