望んだことをしてあげただけなのに、妹が烈火のごとく怒り出したのですが

mios

文字の大きさ
23 / 25

結局こうなる

しおりを挟む
「結局こうなったわね。」
グレータは、自分の娘の性根を誰よりも理解していた。
「息子だけでも手放さずに済んで良かったと捉えるべきなのよね。」




あの後、修道院に向かう最中、まんまと逃げおおせたロザリアが逃げた先には兄がいた。

その後馬車に乗せられて、修道院まで付き添われたおかげでロザリアはそれ以上は反抗が出来なくなった。護衛もいない馬車だったので逃げるのが簡単だったことにロザリアは気づくべきだった。

「手紙を読むなんて、酷いわ。」
「そこまで信用されていない自分を恥じろ。お前は色々やりすぎたんだ。システィーナの苦労が今になってわかったよ。今となっては、お前を可愛いと思っていた自分が馬鹿みたいだ。」
「酷いわ、お兄様。」
「何が酷い、だ。それはこちらの台詞だ。お前のせいで、こちらも危なくなってるんだ。わかってるのか。自分だけが被害者みたいな顔をするな。」

アレクシスに付いてきた護衛は、二人の会話を聞きながらどちらも似た者同士じゃないか、と思った。どちらも反省どころか、互いを罵ってばかり。システィーナ様や、マイルズ様なら、多分……と考えてそんな考えがそもそも不毛だと気がついた。どんな局面になっても本来の性格はそうも変わるものではない。寧ろ、ピンチに陥れば陥るほど、本性が現れるというもの。護衛は小さく溜息をついて、思考を放棄した。




あの日、ロザリアが書いた手紙は全て兄アレクシスに委ねられた。ロザリアが手紙を渡した人物は別人だったがそれもアレクシスの仕込みだ。アレクシスにとって似た思考の持ち主であるロザリア。彼女のやりそうなことを考えるのは得意だった。ただ一点だけ違うことと言えば、ロザリアが自分自身に魅力があると考えている点だけ。アレクシスは、自分から「侯爵家次期当主」という装飾がなくなれば、魅力というものはゼロどころかマイナスになることを充分に理解している。

だから、自分に自信がある者がやりそうなことと考えて…….自分に魅力を感じていそうな異性を誑かすだろうな、と判断したのである。

ある意味、それが大当たりで。本人は喜んで良いのか複雑な気持ちになった。ただこのおかげで、母からギリギリ許されたのだと思うと、素直に喜ぶべきだろう。


手紙は勿論全て宛先には届けられなかった。中身が白紙のものもあったし、謝罪を書いてあっても、全く反省していない様子が文面から読み取れる散々な内容に、侯爵家からは出さない方が良いという結論に達した。

そして一通だけびっしりと謝罪の念が書かれたある人物への手紙から読み取れたのは、「貴方だけのロザリアになるから、迎えに来て。」という意味のわからない文章でその下に、修道院へ移送する日時と道のりが書いてあった。道のりをどう調べたのかはわからないが、移送する手段を変えるのもありだな、とアレクシスは思った。少し遠回りになっても違う道筋なら、妹を絶望させられる。そう思ったのだが。




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

美し過ぎる妹がただ憎かったー姉の報い

青空一夏
恋愛
美しい妹に皇太子妃の座を奪われそうになった姉の陰惨ないじめとその姉の末路。 少し童話的なラブファンタジーです。

妹が行く先々で偉そうな態度をとるけど、それ大顰蹙ですよ

今川幸乃
恋愛
「よくこんなんで店なんて開けましたね」 「まるで心構えがなっていませんわ、一体何年働いてますの?」 エインズ公爵家の娘、シェリルは商人やメイドなど目下の相手に対していつもこんな感じだった。 そのため姉のラーナは常にシェリルのなだめ役をさせられることを悩んでいた そんなある日、二人はスパーク公爵家のパーティーに招待される。 スパーク家の跡継ぎは聡明で美貌の持ち主と名高く次代の王国を支えると評判のアーノルドで、親密になれば縁談もあるかもしれない。 そう思って張り切るラーナとシェリルだったが、シェリルはスパーク家の人々にもいつも通り怒りをぶちまけてしまい、ラーナの制止も聞かない。 そこにアーノルドが現れ……

【完結】“自称この家の後継者“がうちに来たので、遊んでやりました。

BBやっこ
恋愛
突然乗り込んできた、男。いえ、子供ね。 キンキラキンの服は、舞台に初めて上がったようだ。「初めまして、貴女の弟です。」と言い出した。 まるで舞台の上で、喜劇が始まるかのような笑顔で。 私の家で何をするつもりなのかしら?まあ遊んであげましょうか。私は執事に視線で伝えた。

お姉様、本当に悪いのは私ですか?

ぴぴみ
恋愛
仲が良かったローズベルグ姉妹の関係が変わってしまった。 本当に『ざまぁ』すべき相手は私ですか? *11/26*分かりにくかった部分を変更しました。

大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた

黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」 幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。

『候補』だって言ったじゃないですか!

鳥類
恋愛
いつのまにやら『転生』して美幼女になっていましたよ!魔法がある世界とかサイコーか! 頑張って王宮魔導師になるぞ!と意気込んでいたら…いつのまにやら第一王子殿下の『婚約者候補』にされていた…!! 初投稿です。 異世界転生モノをやってみたかった…。 誤字脱字・タグ違いなどございましたらご一報いただければ幸いです。 内容については生温くサラッと読んでいただけたらと…思います。

婚約者を取り替えて欲しいと妹に言われました

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ポーレット伯爵家の一人娘レティシア。レティシアの母が亡くなってすぐに父は後妻と娘ヘザーを屋敷に迎え入れた。 将来伯爵家を継ぐことになっているレティシアに、縁談が持ち上がる。相手は伯爵家の次男ジョナス。美しい青年ジョナスは顔合わせの日にヘザーを見て顔を赤くする。 レティシアとジョナスの縁談は一旦まとまったが、男爵との縁談を嫌がったヘザーのため義母が婚約者の交換を提案する……。

いつまでも甘くないから

朝山みどり
恋愛
エリザベスは王宮で働く文官だ。ある日侯爵位を持つ上司から甥を紹介される。 結婚を前提として紹介であることは明白だった。 しかし、指輪を注文しようと街を歩いている時に友人と出会った。お茶を一緒に誘う友人、自慢しちゃえと思い了承したエリザベス。 この日から彼の様子が変わった。真相に気づいたエリザベスは穏やかに微笑んで二人を祝福する。 目を輝かせて喜んだ二人だったが、エリザベスの次の言葉を聞いた時・・・ 二人は正反対の反応をした。

処理中です...