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第1話 偉大な廃人 前編
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私は加納マリア。ある日学校に変な男がやってきた。うちの学校では私服登校が許されているのだがなぜかその男はスーツでやってくる。髪型はしっかり整えられており、背は低く、授業中でもあまり目立たないような生徒だった。
しかし彼は自分の家のすぐ近くに住んでいたのだ。私は衝撃を受ける。まさか久野隆が近所に住んでいるだなんて!彼の後をつけてみた。実をいうと理由はない。自分でもなぜかわからないがついていった。
だれかが後をつけてきていることに隆は気が付いていた。そこでついに声をかける。
「何か用ですか?」
マリアは答えることができず逃げ出した。
翌日、隆は家から近い大曽根駅に来ていた。表向きは栄えているように見える大曽根も少し路地に入るとガラッと風景が変わり、ホームレスや失業者も多い。それを横目に流しながら隆はホームへと向かった。そこへ
「隆さん!」
マリアだ。
「後をつけてきたんですね。一体何の用ですか?」
「隆さんが日ごろ何をしているのか気になったからです。」
「そんなこと気にしなくて結構!僕には用事がありますから」
隆が進もうとしたとき、
「まあちょっと待ってくださいよ。今日はお供させてください。」
隆は一体何なんだと思ったがあえて彼女の要望を受け入れることにした。昼も近かったので2人はキヨスクに立ち寄り弁当を買った。隆のおごりである。
そうこうしているうちに電車がやってくる。隆は行きましょうといって電車へと乗り込んだ。2人は向かい合わせの席で弁当を食べている。
「せっかくのデートなんだからもうちょっといいもの買ってくれませんかね?」
マリアが嫌味ったらしくいうと。
「弁当が良いといったのは君ですよ。それにこれはデートではありません。君が勝手についてきただけです。」
隆はどうもつれないというか、なんというか。と、マリアは感じる。
電車は山奥に入っていき、やがて崖の上に建っている駅が見えてきた。隆はその駅で降りる。JR中央線定光寺駅だ。マリアは驚いた。自分は自分を可愛い方だと思っているし、実際告白も何回もされている。その私をこんな山奥に。マリアは自分のプライドが踏みにじられた気がした。
定光寺駅は無人駅で人っ子1人いない。
「なんでこんなところに」
「以前から気になっていたんですよ、定光寺。」
定光寺というのだから寺はあるのかと思い
「定光寺?お寺なんてありませんよ。」
とマリア
「ありますよ。定光寺はあそこですね。」
そういうと隆は正面の山を指さした。まさかあそこに行くとかではないよなとマリアは危惧する。
「定光寺には徳川御三家として有名な尾張徳川家の初代藩主、徳川義直の墓があります。」
マリアはなんのこっちゃ分からない。勉強は割かしできる方だと思うが、授業で習っていないところは知らないし知りたくもない。
「ふーん。川が流れてますね。」
かなり急流の川であるあの川で落とされたら99%死ぬだろう。
「あの川は庄内川という川で僕の記憶が確かなら、岐阜県恵那市の夕立山を水源とする一級河川でしたかね。」
「何でも知ってますね。」
「どうもありがとう。ちょっと行ってみましょう。」
このやり取りでわかったこと、隆は頭が良いらしい。
隆は駅から歩いて5分程度のところにある橋に向かった。
「あれ、なんですかね。」
マリアがそういって指さしたのは廃墟である。ホテル?旅館?とにかく何かしらの廃墟である。
「あれが今日の目的です。名前は放浪閣です。」
「放浪閣?」
「ええ、放浪閣は今から約120年前にオープンした老舗旅館です。しかし20年前のバブル崩壊が引き金となり宿泊客は年々減っていき、20年前に倒産し、ご覧のようにまで朽ち果ててしまいました。」
建物は酷く朽ち果てている。今にも倒壊しそうだ。
2人がその廃墟に近づいて行ったその時、黒い車が2人の前に現れた。中からは2人の男が現れる。
「隆さん、今日は何ですか?」
そのうちの1人がそうやって言った。え?知り合い?マリアはまたまた驚いた。その男は細身で背が高いがスーツを着こなしている。
「そんな可愛い子連れてーなんなんです?」
もう1人が言った。その男は背は普通で髪は少し乱れている。
「お願いがあります。」
2人は廃墟の入口で機会をうかがっている。そしていざ!廃虚に突入した。
「警察だ!」
あの2人は刑事だったのか。
「それがなんだー!」
中には反社会勢力らしき人物ら5人ぐらいが一斉に2人に襲い掛かる。2人は応戦するも多勢に無勢、殴られ蹴られ、追い詰められていく。しかし2人は巻き返した。1人ずつ取り押さえていき、見事5人確保したのだ。
「住居侵入罪と公務執行妨害の容疑で逮捕する!」
2人は応援を要請し、パトカーに連れられた5人は警察署に連行された。
「あれ、なんでしょうか?」
顔から出血している2人に隆はそういった。隆が指さしたのはゴミ箱のような入れ物だった。
「ん?」
2人が恐る恐るふたを開けると、
「白骨遺体です。」
なんと箱に入っていたのは白骨遺体だったのである。
「おそらくあの遺体は放浪閣の社長だと思います。」
さすがの隆も遺体が見つかったとなれば警察の邪魔はできない。離れた場所でそういった。
「なんで社長が?」
「20年前の倒産を境に、社長は心身を病み、失踪したといいます。」
「確かに。でもなんでそんなことを隆さんが考えるのですか?」
「これが僕の日頃のしていることです。先程君が気にしていた。」
「え?これって刑事ドラマとかなんかですか?」
「はい?」
隆はそういうと足早に去っていった。マリアもここまでくると彼がどのように事件を解決するのか。またはできないのか。気になったのでついて行くことにした。
隆はマリアの家の近くに住んでいるというわけではなかった。隆の親友の自宅だったのだ。その家の一室を隆は借りて過ごしていたのだ。
「隆は家があるんだけど捜査のことが親にばれると面倒だからってここにきて捜査しているんだよ。」
とその親友が家に入っていく時に教えてくれた。その親友は山田幸助。すこしぽっちゃりしているものの、運動は得意でバスケットボールをするという。マリアはなるほどと思いながら隆とともに、2階にあるという部屋に行った。
「ほー」
部屋は意外にもスッキリしていた。椅子と机とパソコンとテレビが置いてあるだけである。とはいえ生活するには不十分はなさそうだ。
山田は2階まで上がってくることは基本無く、1階でゲームをしているという。隆はテレビの電源をつけるとマリアにこう言った。
「椅子と机のがもう1セットあったはずです。お持ちしましょうか?」
椅子と机が約1分で用意された。ある程度の心配りはできるようである。
「しかし隆さん、私疑問に思っちゃったことがあるんですけど。」
「なんでしょう?」
「反社会勢力とはいえ遺体が見つかれば警察に通報されるはずです。それをなぜしなかったのですか?」
「君、いい所に気が付きましたね。」
隆はそういうと楽しそうに語り始めた。
「理由は2つだと思います。1つは、未来の訪問者のためです。放浪閣は心霊スポットとして有名です。そんな廃墟で遺体が発見されたとなれば当然その廃墟は閉鎖を余儀なくされます。そうなれば未来に訪問する廃墟マニアが建物の中に入れなくなってしまう、それを恐れたためだと思います。そしてもう1つの理由は自らの犯した不法侵入の意味を隠すためです。廃虚の中にあった遺体を発見したということは当然その廃墟の中に入ったということになります。それが明らかになってしまうと、自らの身も危うい、そう考えたのではないでしょうか。しかし反社会勢力に未来の訪問者を思いやる気持ちなどあるとは到底思えませんので、2つ目の理由の方が有力な説でしょうねぇ。」
そうしているとテレビで夕方からのニュース番組が始まり、アナウンサーが
「今日昼頃、20年前に廃業し放置されている放浪閣の中で身元不明の白骨遺体が見つかりました。遺体は死後20年近く経過していると見られ、警察は事件と事故の両面で捜査しています。」
という。隆は
「殺人の可能性が高いと思いますよ。遺体の身元が社長なのであれば、失踪した後どこかの山の中で遺体は見つかっていたでしょう。わざわざ自らが経営していた旅館で亡くなるとは考えられません。」
隆の話にマリアが入り込む余地はない。淡々と隆は話していた。
「まあ時が経てばわかることじゃないですか。私明日もここに来ます。」
「はい?」
「この事件に私も興味を持ったんでね。」
そういうとマリアは山田の家から出て行った。
翌日、マリアは本当に山田の家に来た。隆は朝から山田の家にいるらしく部屋は明かりがついていた。
「マリアさんでしたね。行きますよ。」
「定光寺ですよ。」
「またですか?」
「では来なくて結構です。」
「はいはい、行きますよ。」
2人は山田の家から出て定光寺駅に向かった。
2人が行ったのは放浪閣から徒歩2分もかからないところにある喫茶店である。あまり客は入っていないようで窓からは急流の庄内川を望むことができる。2人は窓側の席に腰かけた。
「いらっしゃいませ。」
そういったのは50代近い中年の女性だった。どうやら20代ぐらいの娘と喫茶店を経営しているらしく、仕込みなどをしているのはその娘らしい。
「オレンジジュースをください。」
マリアは個人業の喫茶店にオレンジジュースがあることに感激し、思わず注文してしまった。もう中学生なのだがコーヒーにはどうも馴染めない。
「僕はアイスコーヒーをお願いします。」
「かしこまりました。」
女性が立ち去ろうとしたとき、
「1つ、よろしいですか?」
隆が女性を呼び止める。
「すぐ近くの放浪閣について話を伺えないでしょうか。」
女性は戸惑った顔をした。いきなり2人の中学生がやってきてこんなこと聞かれれば無理もないだろう。
「我々怪しいものではなく放浪閣がどのような経緯で倒産し、失踪した社長はどんな方だったのか知りたくて来たんです。」
「昔からここにお住まいでしたら放浪閣について何かご存知ではないかと思いまして。」
すかさずマリアが横槍を入れた。
「実は私、放浪閣で働いていたんです。」
衝撃の事実に2人は目を丸くした。
「社長はとてもやさしい方でした。社員の要望を聞き入れてくれたし、社員思いの社長さんだったと思います。」
女性は新垣というらしく当時のことについて語りだした。
「倒産するときの社長の様子はどうだったのでしょう。」
「とにかく社員の受け入れ先を必死になって探してくれていました。とはいっても従業員は200人近くいて全員の再雇用先を探すことができずやむなく解雇された従業員もいます。しかしみんな社長の気持ちを分かっていたはずです。一部を除いては。」
新垣は難しい顔を浮かべている。
20年前
「社長!私って解雇されるんですか。」
「この会社を追い出されたら子供と妻はどうすればいいんですか!」
「私の人生返してください!」
社員は口々に不満を吐く。
「すみませんでした。私の力不足です。」
社長の白川はそう言って深々と頭を下げる。
「力不足では済まされませんよ。」
白川はもはや頭を下げることしかできなくなっていた。操り人形のように。
「うちの会社ではちょっと雇えませんね。」
「そこを何とかできませんか。お願いします!」
「無理ですよ。失礼します。」
「ちょっと!待ってください!」
白川はただただ頭を下げることしかできなくなっていた。操り人形のように。
現在
「なるほどよくわかりました。ありがとうございます。」
その言葉を聞いた新垣は小さな厨房に向かっていった。
その2分ほど後だろうか。喫茶店に設置されているテレビでニュースが流れた。
「昨日見つかった遺体の身元が分かりました。元放浪閣社長の白川勝成さんです。白骨化した骨の後頭部にひびが入っていることから殺人であることが判明し、警察が殺人容疑で捜査に乗り出しています。」
2人は出された飲み物を飲み干し、店の外へ出て行った。
喫茶店から外に出たところで隆は誰かに電話をしている。
「ああ、沢村さん、ではその画像を送っていただけますか?」
マリアは隆が誰と電話をしているのかがすぐに分かった。昨日の刑事である。沢村というのはおそらく背が普通位の人だと思う。
すぐに画像が送られてきた。沢村とはなんだかんだ仲がいいらしい。そして隆が沢村に要求した画像というのは放浪閣が何に金を使っているかが分かる、いわば通帳のようなものだ。
「マリアさん、これを見てください。」
隆は続ける。
「倒産する3年ほど前に資本金2000万で会社が設立されていますねぇ。飲食店放浪屋だそうです。社長は当時放浪閣の専務だった方のようですねぇ。」
「この店、今もあるんですかね。」
マリアがそういうと
「今はもう倒産していると思いますよ。一応調べてみましょう。」
隆がスマホで調べてみるとその店は、今も名古屋の黒川に存在しているのだった。
2人は秘境の無人駅、定光寺駅から電車に乗り、大曽根駅まで戻り、そこから地下鉄に乗り換えて黒川駅まで行った。黒川というぐらいなので当然川が流れていて水は決して綺麗とは言えず酷い所では匂ってくるほどだ。そんな川を鯉が泳いでいる。庄内川とは全く違う。
そんな黒川のメインストリートから一本路地に入ると目的の飲食店、放浪屋はあった。店の規模としてはそこまで大きくはないが、聞くところでは一流のシェフを雇っており、飯は絶品だという。
隆とマリアが店に入ると店長の斎藤浩二が応接した。
「いらっしゃいませ。2名様ですね。お好きな席どうぞ。」
斎藤はそう言って立ち去ろうとしたが隆が
「1つお聞きしたいことがあって伺いました。ここのお店今は倒産した放浪閣の子会社ですよね。」
「え?」
斎藤は思わぬ質問に驚いている様子だった。
2人は別室に案内された。部屋には棚のようなものがあり頑丈にロックがかかっている。
「何用ですか?中学生の方が。」
中学生がのこのこやってきて別室に案内されただけでも奇跡と言っていいだろう。追い返されると隆もマリアも思っていたからだ。
「この会社設立の経緯を知りたくて。」
「あなた方みたいな中学生には話せませんよ。」
斎藤はもっともな意見で2人を突っぱねる。
「お怒りはごもっともですが、1つだけお聞かせ願えないでしょうか。」
「なんです?」
「昨日、放浪閣の社長だった白川さんが白骨遺体で発見されました。その件で何か知っていることはありませんか。」
隆がそう詰め寄ると。
「なんなんですか?あなた方は。おかえり願いたい!」
2人はそう言われて反論できるわけもなく追い返された。店の前に出ると見覚えのある2人が現れる。
「何やっているんでしょうか!中学生なんだから追い返されるに決まっているでしょう。」
「本当に勘弁してくださいよー」
昨日の刑事である。沢村ともう1人は北野というらしい。
「お二人も斎藤さんを聴取に来ましたか?」
「さあどうでしょうね?」
北野はそういうと店の中に入っていった。
もう夕暮れも近づいてきて、街灯の明かりがつき始めてきた。2人は帰ることにした。隆はコンビニでサイダーを買い、それを飲みながら家に帰る。そして家で寝て、朝が来ると山田の家に向かう。
隆が山田の家に着くと、マリアは先に来ていた。マリアは山田と何かしら話していた。会話の内容までは聞こえなかったが察するに、隆とはどうか、といった話をしているのだろう。
「おはようございます。」
隆がそう言って部屋に入ると
「お前、放浪閣元社長殺害事件の捜査をしているらしいねー。」
山田がマリアから聞いたのかそういってくる。
「ええ、山田君、何か知りませんか。」
隆がそう聞くと、
「知るわけないよ。知ってたら怖いよ。」
と返す。
「しっかし20年も経って遺体が発見されて遺族はどんな気持ちなんだろうねー。」
「遺族。」
マリアはそういうと考えこんでいる。
「なるほど、遺族ですか。マリアさん、我々は1つ、大きな人物を見逃していたようです。」
そういうと隆はパソコンで何か調べだした。
「失踪届は出されていますねぇ。」
隆はパソコンの画面を見つめながらマリアに行った。
「失踪届?」
マリアは立ち上がり隆と一緒にパソコンの画面を見つめる。
「失踪届というのは特定の人が失踪して1年が経過すると出せるようになるもので、失踪届が出されるとその人は遺体の有無にかかわらず死亡したという扱いになるんですよ。」
よくもまあそんな難しい言葉を知っているものだとマリアは感心する。
「失踪届を出したのは奥様でしたか。マリアさん行きましょう。」
隆はそういうと山田に一言言って家を出て行った。
「失踪届?出したかもしれないわね。」
元白川勝成の妻の吉見はそういった。隆たちが吉見の家を訪ねたのだ。
「私、別の方とお付き合いをしていたからもう必要ないと思って。」
「旦那さんが、いえいえ、元旦那さんが失踪する直前はどのような様子でしたか。」
「会社から帰ってこなかったわよ。住み込みで働いていたから。」
「それはいつ頃のことでしょう。」
隆は中学生とは思えない。こんなクズ見たいな女と話しているのに全然冷静だ。私なら殴っているとマリアは感じた。
「倒産する3年ぐらい前かしらね。」
「なるほど、よくわかりました。」
隆はそういって立ち去ろうとしたのでマリアもついて行く、その時、
「ああ、最後に1つだけ。」
隆はとっさに振り返り、吉見に質問した。
「あなた、不倫していましたね。」
吉見の顔は変化することなく堂々としている。アリアは隆の衝撃の発言に耳を疑った。
「お子さんがいらっしゃいますよね。今30歳だとか。だとすると白川さんが失踪する以前に子供を産んでいたということになります。どういうことですか。」
吉見は観念したらしく語りだした。
「そうよ、不倫してたわよ。放浪閣の経営が悪化して夫が帰ってこない時点で思ったのよ。もうこの男に未来はない、とね。だからあの男を捨てるしかない。」
「あなた、それでも夫婦ですか!」
マリアは激怒している。
「何怒ってんのよ。本当に好きで結婚する女なんていると思う?女は所詮、金のために結婚するのよ。あなたも大人になればわかるわよ。」
これにはマリアも黙るしかなかった。
「マリアさん、これ以上はやめましょう。吉見さんには吉見さんなりの価値観というものがあります。」
「そうよ。とっとと帰りなさい。」
隆は失礼しますといってマリアと家から出ていった。
「あの人絶対なにかありますよ。」
マリアは今にも包丁を持って家に押し入りそうなぐらいだ。これには隆も少し恐怖を感じる。
「マリアさん、先ほど言ったように人には人の価値観があります。」
「そんなことより我々は一刻も早く、犯人を検挙しなくてはなりません。」
隆の犯人検挙への思いがひしひしと伝わってくるのを、マリアは実感した。
しかし彼は自分の家のすぐ近くに住んでいたのだ。私は衝撃を受ける。まさか久野隆が近所に住んでいるだなんて!彼の後をつけてみた。実をいうと理由はない。自分でもなぜかわからないがついていった。
だれかが後をつけてきていることに隆は気が付いていた。そこでついに声をかける。
「何か用ですか?」
マリアは答えることができず逃げ出した。
翌日、隆は家から近い大曽根駅に来ていた。表向きは栄えているように見える大曽根も少し路地に入るとガラッと風景が変わり、ホームレスや失業者も多い。それを横目に流しながら隆はホームへと向かった。そこへ
「隆さん!」
マリアだ。
「後をつけてきたんですね。一体何の用ですか?」
「隆さんが日ごろ何をしているのか気になったからです。」
「そんなこと気にしなくて結構!僕には用事がありますから」
隆が進もうとしたとき、
「まあちょっと待ってくださいよ。今日はお供させてください。」
隆は一体何なんだと思ったがあえて彼女の要望を受け入れることにした。昼も近かったので2人はキヨスクに立ち寄り弁当を買った。隆のおごりである。
そうこうしているうちに電車がやってくる。隆は行きましょうといって電車へと乗り込んだ。2人は向かい合わせの席で弁当を食べている。
「せっかくのデートなんだからもうちょっといいもの買ってくれませんかね?」
マリアが嫌味ったらしくいうと。
「弁当が良いといったのは君ですよ。それにこれはデートではありません。君が勝手についてきただけです。」
隆はどうもつれないというか、なんというか。と、マリアは感じる。
電車は山奥に入っていき、やがて崖の上に建っている駅が見えてきた。隆はその駅で降りる。JR中央線定光寺駅だ。マリアは驚いた。自分は自分を可愛い方だと思っているし、実際告白も何回もされている。その私をこんな山奥に。マリアは自分のプライドが踏みにじられた気がした。
定光寺駅は無人駅で人っ子1人いない。
「なんでこんなところに」
「以前から気になっていたんですよ、定光寺。」
定光寺というのだから寺はあるのかと思い
「定光寺?お寺なんてありませんよ。」
とマリア
「ありますよ。定光寺はあそこですね。」
そういうと隆は正面の山を指さした。まさかあそこに行くとかではないよなとマリアは危惧する。
「定光寺には徳川御三家として有名な尾張徳川家の初代藩主、徳川義直の墓があります。」
マリアはなんのこっちゃ分からない。勉強は割かしできる方だと思うが、授業で習っていないところは知らないし知りたくもない。
「ふーん。川が流れてますね。」
かなり急流の川であるあの川で落とされたら99%死ぬだろう。
「あの川は庄内川という川で僕の記憶が確かなら、岐阜県恵那市の夕立山を水源とする一級河川でしたかね。」
「何でも知ってますね。」
「どうもありがとう。ちょっと行ってみましょう。」
このやり取りでわかったこと、隆は頭が良いらしい。
隆は駅から歩いて5分程度のところにある橋に向かった。
「あれ、なんですかね。」
マリアがそういって指さしたのは廃墟である。ホテル?旅館?とにかく何かしらの廃墟である。
「あれが今日の目的です。名前は放浪閣です。」
「放浪閣?」
「ええ、放浪閣は今から約120年前にオープンした老舗旅館です。しかし20年前のバブル崩壊が引き金となり宿泊客は年々減っていき、20年前に倒産し、ご覧のようにまで朽ち果ててしまいました。」
建物は酷く朽ち果てている。今にも倒壊しそうだ。
2人がその廃墟に近づいて行ったその時、黒い車が2人の前に現れた。中からは2人の男が現れる。
「隆さん、今日は何ですか?」
そのうちの1人がそうやって言った。え?知り合い?マリアはまたまた驚いた。その男は細身で背が高いがスーツを着こなしている。
「そんな可愛い子連れてーなんなんです?」
もう1人が言った。その男は背は普通で髪は少し乱れている。
「お願いがあります。」
2人は廃墟の入口で機会をうかがっている。そしていざ!廃虚に突入した。
「警察だ!」
あの2人は刑事だったのか。
「それがなんだー!」
中には反社会勢力らしき人物ら5人ぐらいが一斉に2人に襲い掛かる。2人は応戦するも多勢に無勢、殴られ蹴られ、追い詰められていく。しかし2人は巻き返した。1人ずつ取り押さえていき、見事5人確保したのだ。
「住居侵入罪と公務執行妨害の容疑で逮捕する!」
2人は応援を要請し、パトカーに連れられた5人は警察署に連行された。
「あれ、なんでしょうか?」
顔から出血している2人に隆はそういった。隆が指さしたのはゴミ箱のような入れ物だった。
「ん?」
2人が恐る恐るふたを開けると、
「白骨遺体です。」
なんと箱に入っていたのは白骨遺体だったのである。
「おそらくあの遺体は放浪閣の社長だと思います。」
さすがの隆も遺体が見つかったとなれば警察の邪魔はできない。離れた場所でそういった。
「なんで社長が?」
「20年前の倒産を境に、社長は心身を病み、失踪したといいます。」
「確かに。でもなんでそんなことを隆さんが考えるのですか?」
「これが僕の日頃のしていることです。先程君が気にしていた。」
「え?これって刑事ドラマとかなんかですか?」
「はい?」
隆はそういうと足早に去っていった。マリアもここまでくると彼がどのように事件を解決するのか。またはできないのか。気になったのでついて行くことにした。
隆はマリアの家の近くに住んでいるというわけではなかった。隆の親友の自宅だったのだ。その家の一室を隆は借りて過ごしていたのだ。
「隆は家があるんだけど捜査のことが親にばれると面倒だからってここにきて捜査しているんだよ。」
とその親友が家に入っていく時に教えてくれた。その親友は山田幸助。すこしぽっちゃりしているものの、運動は得意でバスケットボールをするという。マリアはなるほどと思いながら隆とともに、2階にあるという部屋に行った。
「ほー」
部屋は意外にもスッキリしていた。椅子と机とパソコンとテレビが置いてあるだけである。とはいえ生活するには不十分はなさそうだ。
山田は2階まで上がってくることは基本無く、1階でゲームをしているという。隆はテレビの電源をつけるとマリアにこう言った。
「椅子と机のがもう1セットあったはずです。お持ちしましょうか?」
椅子と机が約1分で用意された。ある程度の心配りはできるようである。
「しかし隆さん、私疑問に思っちゃったことがあるんですけど。」
「なんでしょう?」
「反社会勢力とはいえ遺体が見つかれば警察に通報されるはずです。それをなぜしなかったのですか?」
「君、いい所に気が付きましたね。」
隆はそういうと楽しそうに語り始めた。
「理由は2つだと思います。1つは、未来の訪問者のためです。放浪閣は心霊スポットとして有名です。そんな廃墟で遺体が発見されたとなれば当然その廃墟は閉鎖を余儀なくされます。そうなれば未来に訪問する廃墟マニアが建物の中に入れなくなってしまう、それを恐れたためだと思います。そしてもう1つの理由は自らの犯した不法侵入の意味を隠すためです。廃虚の中にあった遺体を発見したということは当然その廃墟の中に入ったということになります。それが明らかになってしまうと、自らの身も危うい、そう考えたのではないでしょうか。しかし反社会勢力に未来の訪問者を思いやる気持ちなどあるとは到底思えませんので、2つ目の理由の方が有力な説でしょうねぇ。」
そうしているとテレビで夕方からのニュース番組が始まり、アナウンサーが
「今日昼頃、20年前に廃業し放置されている放浪閣の中で身元不明の白骨遺体が見つかりました。遺体は死後20年近く経過していると見られ、警察は事件と事故の両面で捜査しています。」
という。隆は
「殺人の可能性が高いと思いますよ。遺体の身元が社長なのであれば、失踪した後どこかの山の中で遺体は見つかっていたでしょう。わざわざ自らが経営していた旅館で亡くなるとは考えられません。」
隆の話にマリアが入り込む余地はない。淡々と隆は話していた。
「まあ時が経てばわかることじゃないですか。私明日もここに来ます。」
「はい?」
「この事件に私も興味を持ったんでね。」
そういうとマリアは山田の家から出て行った。
翌日、マリアは本当に山田の家に来た。隆は朝から山田の家にいるらしく部屋は明かりがついていた。
「マリアさんでしたね。行きますよ。」
「定光寺ですよ。」
「またですか?」
「では来なくて結構です。」
「はいはい、行きますよ。」
2人は山田の家から出て定光寺駅に向かった。
2人が行ったのは放浪閣から徒歩2分もかからないところにある喫茶店である。あまり客は入っていないようで窓からは急流の庄内川を望むことができる。2人は窓側の席に腰かけた。
「いらっしゃいませ。」
そういったのは50代近い中年の女性だった。どうやら20代ぐらいの娘と喫茶店を経営しているらしく、仕込みなどをしているのはその娘らしい。
「オレンジジュースをください。」
マリアは個人業の喫茶店にオレンジジュースがあることに感激し、思わず注文してしまった。もう中学生なのだがコーヒーにはどうも馴染めない。
「僕はアイスコーヒーをお願いします。」
「かしこまりました。」
女性が立ち去ろうとしたとき、
「1つ、よろしいですか?」
隆が女性を呼び止める。
「すぐ近くの放浪閣について話を伺えないでしょうか。」
女性は戸惑った顔をした。いきなり2人の中学生がやってきてこんなこと聞かれれば無理もないだろう。
「我々怪しいものではなく放浪閣がどのような経緯で倒産し、失踪した社長はどんな方だったのか知りたくて来たんです。」
「昔からここにお住まいでしたら放浪閣について何かご存知ではないかと思いまして。」
すかさずマリアが横槍を入れた。
「実は私、放浪閣で働いていたんです。」
衝撃の事実に2人は目を丸くした。
「社長はとてもやさしい方でした。社員の要望を聞き入れてくれたし、社員思いの社長さんだったと思います。」
女性は新垣というらしく当時のことについて語りだした。
「倒産するときの社長の様子はどうだったのでしょう。」
「とにかく社員の受け入れ先を必死になって探してくれていました。とはいっても従業員は200人近くいて全員の再雇用先を探すことができずやむなく解雇された従業員もいます。しかしみんな社長の気持ちを分かっていたはずです。一部を除いては。」
新垣は難しい顔を浮かべている。
20年前
「社長!私って解雇されるんですか。」
「この会社を追い出されたら子供と妻はどうすればいいんですか!」
「私の人生返してください!」
社員は口々に不満を吐く。
「すみませんでした。私の力不足です。」
社長の白川はそう言って深々と頭を下げる。
「力不足では済まされませんよ。」
白川はもはや頭を下げることしかできなくなっていた。操り人形のように。
「うちの会社ではちょっと雇えませんね。」
「そこを何とかできませんか。お願いします!」
「無理ですよ。失礼します。」
「ちょっと!待ってください!」
白川はただただ頭を下げることしかできなくなっていた。操り人形のように。
現在
「なるほどよくわかりました。ありがとうございます。」
その言葉を聞いた新垣は小さな厨房に向かっていった。
その2分ほど後だろうか。喫茶店に設置されているテレビでニュースが流れた。
「昨日見つかった遺体の身元が分かりました。元放浪閣社長の白川勝成さんです。白骨化した骨の後頭部にひびが入っていることから殺人であることが判明し、警察が殺人容疑で捜査に乗り出しています。」
2人は出された飲み物を飲み干し、店の外へ出て行った。
喫茶店から外に出たところで隆は誰かに電話をしている。
「ああ、沢村さん、ではその画像を送っていただけますか?」
マリアは隆が誰と電話をしているのかがすぐに分かった。昨日の刑事である。沢村というのはおそらく背が普通位の人だと思う。
すぐに画像が送られてきた。沢村とはなんだかんだ仲がいいらしい。そして隆が沢村に要求した画像というのは放浪閣が何に金を使っているかが分かる、いわば通帳のようなものだ。
「マリアさん、これを見てください。」
隆は続ける。
「倒産する3年ほど前に資本金2000万で会社が設立されていますねぇ。飲食店放浪屋だそうです。社長は当時放浪閣の専務だった方のようですねぇ。」
「この店、今もあるんですかね。」
マリアがそういうと
「今はもう倒産していると思いますよ。一応調べてみましょう。」
隆がスマホで調べてみるとその店は、今も名古屋の黒川に存在しているのだった。
2人は秘境の無人駅、定光寺駅から電車に乗り、大曽根駅まで戻り、そこから地下鉄に乗り換えて黒川駅まで行った。黒川というぐらいなので当然川が流れていて水は決して綺麗とは言えず酷い所では匂ってくるほどだ。そんな川を鯉が泳いでいる。庄内川とは全く違う。
そんな黒川のメインストリートから一本路地に入ると目的の飲食店、放浪屋はあった。店の規模としてはそこまで大きくはないが、聞くところでは一流のシェフを雇っており、飯は絶品だという。
隆とマリアが店に入ると店長の斎藤浩二が応接した。
「いらっしゃいませ。2名様ですね。お好きな席どうぞ。」
斎藤はそう言って立ち去ろうとしたが隆が
「1つお聞きしたいことがあって伺いました。ここのお店今は倒産した放浪閣の子会社ですよね。」
「え?」
斎藤は思わぬ質問に驚いている様子だった。
2人は別室に案内された。部屋には棚のようなものがあり頑丈にロックがかかっている。
「何用ですか?中学生の方が。」
中学生がのこのこやってきて別室に案内されただけでも奇跡と言っていいだろう。追い返されると隆もマリアも思っていたからだ。
「この会社設立の経緯を知りたくて。」
「あなた方みたいな中学生には話せませんよ。」
斎藤はもっともな意見で2人を突っぱねる。
「お怒りはごもっともですが、1つだけお聞かせ願えないでしょうか。」
「なんです?」
「昨日、放浪閣の社長だった白川さんが白骨遺体で発見されました。その件で何か知っていることはありませんか。」
隆がそう詰め寄ると。
「なんなんですか?あなた方は。おかえり願いたい!」
2人はそう言われて反論できるわけもなく追い返された。店の前に出ると見覚えのある2人が現れる。
「何やっているんでしょうか!中学生なんだから追い返されるに決まっているでしょう。」
「本当に勘弁してくださいよー」
昨日の刑事である。沢村ともう1人は北野というらしい。
「お二人も斎藤さんを聴取に来ましたか?」
「さあどうでしょうね?」
北野はそういうと店の中に入っていった。
もう夕暮れも近づいてきて、街灯の明かりがつき始めてきた。2人は帰ることにした。隆はコンビニでサイダーを買い、それを飲みながら家に帰る。そして家で寝て、朝が来ると山田の家に向かう。
隆が山田の家に着くと、マリアは先に来ていた。マリアは山田と何かしら話していた。会話の内容までは聞こえなかったが察するに、隆とはどうか、といった話をしているのだろう。
「おはようございます。」
隆がそう言って部屋に入ると
「お前、放浪閣元社長殺害事件の捜査をしているらしいねー。」
山田がマリアから聞いたのかそういってくる。
「ええ、山田君、何か知りませんか。」
隆がそう聞くと、
「知るわけないよ。知ってたら怖いよ。」
と返す。
「しっかし20年も経って遺体が発見されて遺族はどんな気持ちなんだろうねー。」
「遺族。」
マリアはそういうと考えこんでいる。
「なるほど、遺族ですか。マリアさん、我々は1つ、大きな人物を見逃していたようです。」
そういうと隆はパソコンで何か調べだした。
「失踪届は出されていますねぇ。」
隆はパソコンの画面を見つめながらマリアに行った。
「失踪届?」
マリアは立ち上がり隆と一緒にパソコンの画面を見つめる。
「失踪届というのは特定の人が失踪して1年が経過すると出せるようになるもので、失踪届が出されるとその人は遺体の有無にかかわらず死亡したという扱いになるんですよ。」
よくもまあそんな難しい言葉を知っているものだとマリアは感心する。
「失踪届を出したのは奥様でしたか。マリアさん行きましょう。」
隆はそういうと山田に一言言って家を出て行った。
「失踪届?出したかもしれないわね。」
元白川勝成の妻の吉見はそういった。隆たちが吉見の家を訪ねたのだ。
「私、別の方とお付き合いをしていたからもう必要ないと思って。」
「旦那さんが、いえいえ、元旦那さんが失踪する直前はどのような様子でしたか。」
「会社から帰ってこなかったわよ。住み込みで働いていたから。」
「それはいつ頃のことでしょう。」
隆は中学生とは思えない。こんなクズ見たいな女と話しているのに全然冷静だ。私なら殴っているとマリアは感じた。
「倒産する3年ぐらい前かしらね。」
「なるほど、よくわかりました。」
隆はそういって立ち去ろうとしたのでマリアもついて行く、その時、
「ああ、最後に1つだけ。」
隆はとっさに振り返り、吉見に質問した。
「あなた、不倫していましたね。」
吉見の顔は変化することなく堂々としている。アリアは隆の衝撃の発言に耳を疑った。
「お子さんがいらっしゃいますよね。今30歳だとか。だとすると白川さんが失踪する以前に子供を産んでいたということになります。どういうことですか。」
吉見は観念したらしく語りだした。
「そうよ、不倫してたわよ。放浪閣の経営が悪化して夫が帰ってこない時点で思ったのよ。もうこの男に未来はない、とね。だからあの男を捨てるしかない。」
「あなた、それでも夫婦ですか!」
マリアは激怒している。
「何怒ってんのよ。本当に好きで結婚する女なんていると思う?女は所詮、金のために結婚するのよ。あなたも大人になればわかるわよ。」
これにはマリアも黙るしかなかった。
「マリアさん、これ以上はやめましょう。吉見さんには吉見さんなりの価値観というものがあります。」
「そうよ。とっとと帰りなさい。」
隆は失礼しますといってマリアと家から出ていった。
「あの人絶対なにかありますよ。」
マリアは今にも包丁を持って家に押し入りそうなぐらいだ。これには隆も少し恐怖を感じる。
「マリアさん、先ほど言ったように人には人の価値観があります。」
「そんなことより我々は一刻も早く、犯人を検挙しなくてはなりません。」
隆の犯人検挙への思いがひしひしと伝わってくるのを、マリアは実感した。
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