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第四章 彼女に捧ぐ鎮魂歌
目覚めた彼女
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その司祭が宮廷に現れたのは、イリスが倒れて数日後のことだった。夕方過ぎ、夜が近づいている時分で、夕食の前に、地方から上がってくる国政に対する賛否両論の意見の報告を受けている時だったが、ディマは大臣を下がらせ、司祭を部屋に入れた。
火急の用だということは、様子を見れば明らかだ。平素司祭が、こちらの呼びつけ以外で、事前の連絡なしに現れることはない。裏付けるように、司祭の顔は険しかった。
「陛下、ヴァリ聖密卿からの伝言です」
手渡された手紙には、丁寧に魔法で固く封がしてあった。ディマの魔力であれば開封できると、クロードが考えたのだろう。魔法を解除し開くと、クロードの字で走り書きがあった。
『アリア・ルトゥムが目覚めた。数時間後には尋問が始まる。今すぐに会いに来れるのならば、時間を作れる』
ディマは息を呑みこんだ。
彼女が大聖堂にて身柄を確保されていることは、一部の司祭とディマのみ知っていることだった。使いの司祭も高位の者だ。それだけ厳重な秘密だった。
一切の迷いはなかった。
アリアには聞きたいことが山ほどある。おおよその予想は付いているにせよ、どのようにして聖女の力を得るに至ったか、企みは何か。
ディマは予定をすべて取りやめ、すぐに上着を羽織った。
一人で行くつもりはなかった。
イリスの部屋の前に行くと、両脇に控えていた護衛が規則正しく頭を下げ、扉を開いた。彼女の姿は、手前の部屋にはない。手前の部屋に控えていた侍女たちがディマを見て色めき立ったが、にこやかに笑いかけ通り過ぎる。奥の部屋の方から、楽しげな声が聞こえてきた。
「すっごーい! イリス様、いつの間にそんなに刺繍が上手になったんですか? 前はライラがいくら教えても、全然上達しなかったのに!」
ライラ・ルトゥムの声の後に、困ったようなイリスの回答が聞こえてきた。
「えっと、こっそり練習していて、それで上手くなったんですよ」
「さすがイリス様ですね。このお花のところなんて、イリス様の方がずっと上手ですもの!」
ディマは彼女等の手元を覗き込む。イリスが手に持つ刺繍は、確かに見事なものだった。
以前のイリスは繊細な作業が苦手だったことを、ディマは思い出した。その代わり、剣術や馬が好きだった。
前世は体が弱かったから、こうして思い切り動くのが楽しいのだと言っていた。好んで読む本も、ロマンスではなく戦記か歴史書、でなければ魔術の専門書だった。思い出し、頭が甘く痺れるような感覚があった。
(考えてはだめだ。少なくともイリスの前では――)
こみ上げた懐かしさを押し込もうとしていると、ライラと目が合った。
「きゃあ! ディミトリオス様!」
たちまち彼女は顔を真っ赤にして後ずさりした。
幽霊じゃないんだから――苦笑すると、ライラはますます顔を赤くする。
「お兄様、どうされたの?」
立ち上がり、小首を傾げるイリスに、ディマは言う。
「君を誘ってもいいだろうか。可愛らしい侍女の許しが出ればだが」
ライラはよくイリスに懐いているようだ。姉を重ねているのかもしれないが、ライラは姉の話を、聞かれた時以外は決して話さなかった。よく訓練された娘だと、ディマは思う。
だが姉のいない寂しさが消えたわけではないのだろう。陰で泣いている姿を見ることがあるとイリスも涙を流しながら、先日教えてくれたからだ。
姉を止めたい一心だったにせよ、命の恩人の彼女に、ディマはとりわけの感謝を示すため、望むものを与えると言った。彼女の望みは一つだけだった。
――お姉ちゃんと一緒に暮らしたい。
その望みは、まだ叶えられていない。
君の姉に聴取をするのだとは、まさか言えない。ライラは未だ頬を染めたまま、無言で何度も頷いた。
行き先と目的を告げると、イリスは複雑そうな表情になる。当然だろう、彼女の記憶の中では、聖女の力を最後に持っていたのはアリアで、処刑の最も大きな原因だ。それが今では立場はまるで違うのだから。
大聖堂の中で空間転移等の魔法を使うことは禁止されていた。おまけにクロードが何十にも強固な守りの魔術をかけているから、実質的にも使用不可能だ。
皇帝家の馬車は目立ちすぎるから、目立たない馬車を用意させた。屋根の付いた、黒塗りの馬車だ。窓にはカーテンもある。閉めれば誰も皇帝と聖女が乗っているとはまさか思わないだろう。
横に座り、そう長くない距離を移動している最中に、イリスがぽつりと言った。
「皆様、囁いています。お兄様はまるで氷像のようにお美しいお方だと」
この立場になって分かったが皇帝をけなす人間はまずおらず、闇雲に褒めてくるばかりだ。
それに、美しいのはイリスの方じゃないのかとディマは思った。
以前の彼女は自らの――というよりは、イリスの美貌に気がついていて、時にはそれを利用する強かさもあったが、今のイリスは自分の容貌の美しさに気がついていないらしい。
ディマを見つめる人の、特に女性からの視線には、前から気付いていた。皇帝という地位を得てからはなお、熱い視線を向けられる。
慣れたが、時には疲れることもあった。
「いっそ顔を変えてしまおうかな」
イリスは目を丸くした。
「だ、だめですっ! イリスはお兄様のお顔、好きですもの!」
そう言った後で、慌てて言い訳のように言葉を発する。
「でも! 好きなのは、お顔だけじゃありません。ディミトリオスお兄様が、好きです」
「ありがとう」
手を取りキスをすると、とろけてしまいそうなほど嬉しそうに、彼女は笑った。
今のイリスは、素直だった。前のイリスは、こうは言わないような気がする。
――どんなディマだって、わたしは好きだわ。
きっと笑いながら、こんな風に、言うだろう。
彼女がディマを守ってくれたように、ディマも彼女を守りたかった。守れたのだろうか。分からない。
イリスに気付かれないように、右手を握りしめた。
(比べるな。彼女は戻らない。僕は今のイリスを愛すると決めただろう)
今のイリスを受け入れることにしたのは本心だ。恋をしつつあるのも、本心だ。愛すると決めたことも、やはり本心ではある。たとえかつての彼女の面影を求めているのだとしても、今のイリスを必要としていた。
だがそれでも彼女の残した手帳を毎晩読み返しては、その中に彼女が生きた痕跡を、必死に探ろうとしていた。まろやかで切ない思い出として、懐かしく彼女を思い出す――というようになることは、断固として嫌だった。思い出の中に閉じ込めたくない。忘れたくない。
毎晩、彼女の夢を見た。夢の中の二人は故郷にいて、時に幼く、時に老人として、幸福に暮らしている。そうして夢を見た朝は、目覚めたことに絶望した。
もし、目の前にイリスが二人いて、以前の彼女と今の彼女に分かれていたら、自分はどちらを選ぶだろうと考えて、考えたこと自体にぞっとした。答えは、決まりきっていることのように感じたからだ。
イリスの涼やかな声で、現実に引き戻される。
「お兄様、大丈夫ですか? 怖いお顔をされています。お疲れでしょうか。魔術の研究もされていると聞きました。きちんと休まれておりますか?」
聖女を頼り来る人間は後を絶たず、イリスの負担が少しでも減ればいいと、このところ暇があると魔法使い達と魔術の研究をしていた。実際、いくつか新たな魔術式も生み出し、実用化した。
「イリスのことで、悩まないでくださいね。わたし、こうしてお兄様と穏やかに過ごせることだけで、幸せなのですから」
これから偽聖女に会いに行くのだ。穏やかとは言い難い。
(この子は一体、どれだけ過酷な状況を生きてきたんだ?)
幸せそうに微笑むイリスを見て、ディマはそんなことを思った。
大聖堂に着くなり、出迎えたクロードは、あいさつもそこそこに手早く言った。
「会うのはディミトリオスだけだ。もうすぐ尋問官がやってくるから、時間はない」
「二人でなぜ彼女に会えないのです」
「彼女と聖女を会わせることはできないと、教会が取り決めた。禁は破れない。彼女は自分の状況を悟って大人しいものだが、自分を窮地に追いやった人間に、一度に会ったら逆上するとも限らない。イリスに危害が及ぶぞ」
司祭は政治不介入という禁を気ままに破っているのはそっちじゃないかと、言いたいことはあったがディマは堪えた。
「……分かりました。イリスを頼んでいいですか」
ああ、と返事をするクロードと、不安げな表情を浮かべるイリスを残し、大聖堂の一番奥の部屋に、ディマは向かった。
アリアの姿を見るなり、イリスに会わせなかったのは正しい判断だったかもしれないと、ディマは思う。
彼女は高度な魔術により両手両足を拘束され、犬のように金属製の口枷までされていた。四肢には魔法陣が浮かび上がる。気配からして、クロードの魔術だった。イリスに危害が及ぶ可能性があるとクロードは言ったが、この調子では危害どころか指一本でも動かせないだろう。こんな状態のアリアを、イリスに見せたくないというのが、彼の方便の本心に思えた。
聖堂は明るくは作られていない。夜、暗い室内に、燭台の炎が揺らめいているだけの光源があるだけだ。
アリアはベッドの上に体を横たえ、朧気な光にちらちらと照らされた顔には血の気はなく、目は落ちくぼみ、唇はひび割れていた。目覚めたと聞いていたが、両の目は閉じられている。急激に老けたようにも感じた。
「アリア・ルトゥム。君に聞きたいことがある」
瞬間、アリアの目が見開かれ、ぎょろりとディマを見つめた。
火急の用だということは、様子を見れば明らかだ。平素司祭が、こちらの呼びつけ以外で、事前の連絡なしに現れることはない。裏付けるように、司祭の顔は険しかった。
「陛下、ヴァリ聖密卿からの伝言です」
手渡された手紙には、丁寧に魔法で固く封がしてあった。ディマの魔力であれば開封できると、クロードが考えたのだろう。魔法を解除し開くと、クロードの字で走り書きがあった。
『アリア・ルトゥムが目覚めた。数時間後には尋問が始まる。今すぐに会いに来れるのならば、時間を作れる』
ディマは息を呑みこんだ。
彼女が大聖堂にて身柄を確保されていることは、一部の司祭とディマのみ知っていることだった。使いの司祭も高位の者だ。それだけ厳重な秘密だった。
一切の迷いはなかった。
アリアには聞きたいことが山ほどある。おおよその予想は付いているにせよ、どのようにして聖女の力を得るに至ったか、企みは何か。
ディマは予定をすべて取りやめ、すぐに上着を羽織った。
一人で行くつもりはなかった。
イリスの部屋の前に行くと、両脇に控えていた護衛が規則正しく頭を下げ、扉を開いた。彼女の姿は、手前の部屋にはない。手前の部屋に控えていた侍女たちがディマを見て色めき立ったが、にこやかに笑いかけ通り過ぎる。奥の部屋の方から、楽しげな声が聞こえてきた。
「すっごーい! イリス様、いつの間にそんなに刺繍が上手になったんですか? 前はライラがいくら教えても、全然上達しなかったのに!」
ライラ・ルトゥムの声の後に、困ったようなイリスの回答が聞こえてきた。
「えっと、こっそり練習していて、それで上手くなったんですよ」
「さすがイリス様ですね。このお花のところなんて、イリス様の方がずっと上手ですもの!」
ディマは彼女等の手元を覗き込む。イリスが手に持つ刺繍は、確かに見事なものだった。
以前のイリスは繊細な作業が苦手だったことを、ディマは思い出した。その代わり、剣術や馬が好きだった。
前世は体が弱かったから、こうして思い切り動くのが楽しいのだと言っていた。好んで読む本も、ロマンスではなく戦記か歴史書、でなければ魔術の専門書だった。思い出し、頭が甘く痺れるような感覚があった。
(考えてはだめだ。少なくともイリスの前では――)
こみ上げた懐かしさを押し込もうとしていると、ライラと目が合った。
「きゃあ! ディミトリオス様!」
たちまち彼女は顔を真っ赤にして後ずさりした。
幽霊じゃないんだから――苦笑すると、ライラはますます顔を赤くする。
「お兄様、どうされたの?」
立ち上がり、小首を傾げるイリスに、ディマは言う。
「君を誘ってもいいだろうか。可愛らしい侍女の許しが出ればだが」
ライラはよくイリスに懐いているようだ。姉を重ねているのかもしれないが、ライラは姉の話を、聞かれた時以外は決して話さなかった。よく訓練された娘だと、ディマは思う。
だが姉のいない寂しさが消えたわけではないのだろう。陰で泣いている姿を見ることがあるとイリスも涙を流しながら、先日教えてくれたからだ。
姉を止めたい一心だったにせよ、命の恩人の彼女に、ディマはとりわけの感謝を示すため、望むものを与えると言った。彼女の望みは一つだけだった。
――お姉ちゃんと一緒に暮らしたい。
その望みは、まだ叶えられていない。
君の姉に聴取をするのだとは、まさか言えない。ライラは未だ頬を染めたまま、無言で何度も頷いた。
行き先と目的を告げると、イリスは複雑そうな表情になる。当然だろう、彼女の記憶の中では、聖女の力を最後に持っていたのはアリアで、処刑の最も大きな原因だ。それが今では立場はまるで違うのだから。
大聖堂の中で空間転移等の魔法を使うことは禁止されていた。おまけにクロードが何十にも強固な守りの魔術をかけているから、実質的にも使用不可能だ。
皇帝家の馬車は目立ちすぎるから、目立たない馬車を用意させた。屋根の付いた、黒塗りの馬車だ。窓にはカーテンもある。閉めれば誰も皇帝と聖女が乗っているとはまさか思わないだろう。
横に座り、そう長くない距離を移動している最中に、イリスがぽつりと言った。
「皆様、囁いています。お兄様はまるで氷像のようにお美しいお方だと」
この立場になって分かったが皇帝をけなす人間はまずおらず、闇雲に褒めてくるばかりだ。
それに、美しいのはイリスの方じゃないのかとディマは思った。
以前の彼女は自らの――というよりは、イリスの美貌に気がついていて、時にはそれを利用する強かさもあったが、今のイリスは自分の容貌の美しさに気がついていないらしい。
ディマを見つめる人の、特に女性からの視線には、前から気付いていた。皇帝という地位を得てからはなお、熱い視線を向けられる。
慣れたが、時には疲れることもあった。
「いっそ顔を変えてしまおうかな」
イリスは目を丸くした。
「だ、だめですっ! イリスはお兄様のお顔、好きですもの!」
そう言った後で、慌てて言い訳のように言葉を発する。
「でも! 好きなのは、お顔だけじゃありません。ディミトリオスお兄様が、好きです」
「ありがとう」
手を取りキスをすると、とろけてしまいそうなほど嬉しそうに、彼女は笑った。
今のイリスは、素直だった。前のイリスは、こうは言わないような気がする。
――どんなディマだって、わたしは好きだわ。
きっと笑いながら、こんな風に、言うだろう。
彼女がディマを守ってくれたように、ディマも彼女を守りたかった。守れたのだろうか。分からない。
イリスに気付かれないように、右手を握りしめた。
(比べるな。彼女は戻らない。僕は今のイリスを愛すると決めただろう)
今のイリスを受け入れることにしたのは本心だ。恋をしつつあるのも、本心だ。愛すると決めたことも、やはり本心ではある。たとえかつての彼女の面影を求めているのだとしても、今のイリスを必要としていた。
だがそれでも彼女の残した手帳を毎晩読み返しては、その中に彼女が生きた痕跡を、必死に探ろうとしていた。まろやかで切ない思い出として、懐かしく彼女を思い出す――というようになることは、断固として嫌だった。思い出の中に閉じ込めたくない。忘れたくない。
毎晩、彼女の夢を見た。夢の中の二人は故郷にいて、時に幼く、時に老人として、幸福に暮らしている。そうして夢を見た朝は、目覚めたことに絶望した。
もし、目の前にイリスが二人いて、以前の彼女と今の彼女に分かれていたら、自分はどちらを選ぶだろうと考えて、考えたこと自体にぞっとした。答えは、決まりきっていることのように感じたからだ。
イリスの涼やかな声で、現実に引き戻される。
「お兄様、大丈夫ですか? 怖いお顔をされています。お疲れでしょうか。魔術の研究もされていると聞きました。きちんと休まれておりますか?」
聖女を頼り来る人間は後を絶たず、イリスの負担が少しでも減ればいいと、このところ暇があると魔法使い達と魔術の研究をしていた。実際、いくつか新たな魔術式も生み出し、実用化した。
「イリスのことで、悩まないでくださいね。わたし、こうしてお兄様と穏やかに過ごせることだけで、幸せなのですから」
これから偽聖女に会いに行くのだ。穏やかとは言い難い。
(この子は一体、どれだけ過酷な状況を生きてきたんだ?)
幸せそうに微笑むイリスを見て、ディマはそんなことを思った。
大聖堂に着くなり、出迎えたクロードは、あいさつもそこそこに手早く言った。
「会うのはディミトリオスだけだ。もうすぐ尋問官がやってくるから、時間はない」
「二人でなぜ彼女に会えないのです」
「彼女と聖女を会わせることはできないと、教会が取り決めた。禁は破れない。彼女は自分の状況を悟って大人しいものだが、自分を窮地に追いやった人間に、一度に会ったら逆上するとも限らない。イリスに危害が及ぶぞ」
司祭は政治不介入という禁を気ままに破っているのはそっちじゃないかと、言いたいことはあったがディマは堪えた。
「……分かりました。イリスを頼んでいいですか」
ああ、と返事をするクロードと、不安げな表情を浮かべるイリスを残し、大聖堂の一番奥の部屋に、ディマは向かった。
アリアの姿を見るなり、イリスに会わせなかったのは正しい判断だったかもしれないと、ディマは思う。
彼女は高度な魔術により両手両足を拘束され、犬のように金属製の口枷までされていた。四肢には魔法陣が浮かび上がる。気配からして、クロードの魔術だった。イリスに危害が及ぶ可能性があるとクロードは言ったが、この調子では危害どころか指一本でも動かせないだろう。こんな状態のアリアを、イリスに見せたくないというのが、彼の方便の本心に思えた。
聖堂は明るくは作られていない。夜、暗い室内に、燭台の炎が揺らめいているだけの光源があるだけだ。
アリアはベッドの上に体を横たえ、朧気な光にちらちらと照らされた顔には血の気はなく、目は落ちくぼみ、唇はひび割れていた。目覚めたと聞いていたが、両の目は閉じられている。急激に老けたようにも感じた。
「アリア・ルトゥム。君に聞きたいことがある」
瞬間、アリアの目が見開かれ、ぎょろりとディマを見つめた。
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