コロシアムでチャンピオンになった勇者は、気ままに魔王討伐にむかいます

ヒムネ

文字の大きさ
32 / 40

ふたつ

しおりを挟む
「――失礼します魔王様……いっ、今のは一体!?」
「ふう~……カニングか、こんなところで油を売っていいのか?」
「ありがたい御言葉、抜かりなく
「いい顔をするようになったじゃないか」
「して魔王様、今のは?」
「クックックッ、我は自分の力を持て余していたようだ」
「……なるほど、それで魔王城を停止させ地上には天変地異が起きてなかったのですね」
「ああ」
「しかしこれで気がかりなのは勇者がまた来るようなことがなければよいのですが」
「逆だろ」
「はあ」
「勇者が来たら派手に試せる、我の力をな」
「さすが、魔王ディメント様」
「噂をすれば何とやらだ」
「まさか……」
 魔王城が騒がしくなるとカニングは魔物達に勇者を倒すよう命令したあと自身も出陣するのだった……。

「――うわスゲーッ、さすが風の精霊さま!」
「シルフってよんでよね、あと、これくらいあたりまえだから」
 早朝、シャルル、レイジ、イコーナ、炎と雷の精霊も含めて風の精霊シルフにより風に運ばれ魔王城を目指し飛んでいたのだ。
 すると早速、魔王城の入り口や窓の中から空を飛ぶ魔物の大群が続々と現れた。
「たくさん現れたな、ワタシの炎で」
「いえ、待ってイフリートここは私がやるわ……雷雲よ、邪なる魔物に天なる裁きを……天罰スカージっ!」
 全ての空飛ぶ魔物達は雷の精霊エクレールの雷により激しい雷鳴と共に黒焦げになった。おかげで魔王城の入り口まで辿り着く。そこで力を失っているシルフは退却しシャルル一行は風の精霊に感謝しながら入っていった。
「よしっ……い、いくぞ~……」
 中は前とは違いたくさんの魔物がいてこれは時間がかかりそうだと考えていたシャルル。
「前のように簡単にはいかないか~」
「前はお前にアレをするためにだったからだろ」
「……うん」
炎の道エスターテっ!」
 覚悟を決めると突然、部屋にいるシャルルたちもろとも炎に包まれる。
「こ、これは!?」
「いけっ、シャルル、レイジ、イコーナ」
「イフリートさん!」
「アタシのこの炎は魔王まで続いてるはず、他の魔物を倒しながらすぐ追いつくから行くんだシャルル!」
「でも……」
「でもじゃないっ、行けっ!」
「すまない!」
 そう言って炎の精霊にこの場を任せてレイジがシャルルを引っ張りイコーナと共に走り去っていく。
「ちょっとレイジ」
「大丈夫、炎の精霊は魔物等にはヤラレはしない」
「信じて行きましょ、シャルルさん」
「……うん、わかった!」
 レイジの言うとおり冷静に考えてこの地上の炎を司る精霊イフリートがそこらの魔物にやられるはずがない、と頭を整理したシャルルは走っていった……。

「――魔王っ……いない……のか?」
 周りを見渡すも椅子はあれど肝心の魔王は見当たらない。これは罠なのかと警戒する三人。
「よく来たな勇者!」
「この声はっ、カニングかっ!」
 レイジは誰よりも早くその声の主に気がついた。そのカニングは魔王が座っていた椅子を吹き飛ばすと、後ろには不気味な大きな魔物の姿が見える。
「あ……あれは?」
「下がってイコーナ、なんだろあれ……っ!」
「まさかあのは!?」
白竜ホワイト・ドラゴン!?」
黒竜ブラック・ドラゴンなのか!?」
 予想とは違いその
「フッフッフッ、驚きましたか、この竜はね黒と白の二匹の細胞で肉体を復活、融合させた二頭暴竜グレイト・ツイン・ドラゴンです」
「ギャオォォォッ!」
「貴様らはっ、魔王様の姿を見ることなく死ぬのですっ!」
 そう言葉を発した瞬間に二首の黒竜ブラック・ドラゴンは口から竜の火炎ファイア・ブレスを吐いてきて、後ろに下がったシャルルたち。
「くっ、カニングッ!」
「どうしたました勇者シャルル、まさか命乞いですかな?」
「魔王は、魔王はどこにいるっ!」
「クックックッ、魔王様なら上で待っておる」
「この部屋の2階に魔王が……ならここでカニングを倒してやる!」
「シャルルッ」
「レイジ……」
「ここはオレとイコーナでやる、やれるかイコーナ?」
「……はい」
「そんな……」
 嫌な予感はした。いや、そうやっていつも自分のために動いてくれる二人、でも、だからこそ苦戦したあの竜が融合して更に強さを増したことに不安と心配がシャルルを迷わせていた。
「オレも、戦うよ」
「ここでお前が力を使ったら誰が魔王を倒すんだ」
「そうだけど、でも……」
「シャルルさん、あたしたちを信頼してください」
「イコーナまで」
 その迷いに気がついたカニングは二頭暴竜グレイト・ツイン・ドラゴンに命令し白竜ホワイト・ドラゴンの首は嵐の息ゲイル・ブレスシャルルに吐き出した。初めて見た技に避けることができない棒立ちのシャルルは、『ヤバいっ』と心が叫んだ。

風の渦傘ウィンド・シルム
 真空の刃は弾かれ壁に激突……。

「え……」

 シャルルの前に立つ二人の女性の姿に彼の時が止まった……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」  ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

処理中です...