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ふたつ
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「――失礼します魔王様……いっ、今のは一体!?」
「ふう~……カニングか、こんなところで油を売っていいのか?」
「ありがたい御言葉、抜かりなく準備をしてまいりました」
「いい顔をするようになったじゃないか」
「して魔王様、今のは?」
「クックックッ、我は自分の力を持て余していたようだ」
「……なるほど、それで魔王城を停止させ地上には天変地異が起きてなかったのですね」
「ああ」
「しかしこれで気がかりなのは勇者がまた来るようなことがなければよいのですが」
「逆だろ」
「はあ」
「勇者が来たら派手に試せる、我の力をな」
「さすが、魔王ディメント様」
「噂をすれば何とやらだ」
「まさか……」
魔王城が騒がしくなるとカニングは魔物達に勇者を倒すよう命令したあと自身も出陣するのだった……。
「――うわスゲーッ、さすが風の精霊さま!」
「シルフってよんでよね、あと、これくらいあたりまえだから」
早朝、シャルル、レイジ、イコーナ、炎と雷の精霊も含めて風の精霊シルフにより風に運ばれ魔王城を目指し飛んでいたのだ。
すると早速、魔王城の入り口や窓の中から空を飛ぶ魔物の大群が続々と現れた。
「たくさん現れたな、ワタシの炎で」
「いえ、待ってイフリートここは私がやるわ……雷雲よ、邪なる魔物に天なる裁きを……天罰っ!」
全ての空飛ぶ魔物達は雷の精霊エクレールの雷により激しい雷鳴と共に黒焦げになった。おかげで魔王城の入り口まで辿り着く。そこで力を失っているシルフは退却しシャルル一行は風の精霊に感謝しながら入っていった。
「よしっ……い、いくぞ~……」
中は前とは違いたくさんの魔物がいてこれは時間がかかりそうだと考えていたシャルル。
「前のように簡単にはいかないか~」
「前はお前にアレをするためにだったからだろ」
「……うん」
「炎の道っ!」
覚悟を決めると突然、部屋にいるシャルルたちもろとも炎に包まれる。
「こ、これは!?」
「いけっ、シャルル、レイジ、イコーナ」
「イフリートさん!」
「アタシのこの炎は魔王まで続いてるはず、他の魔物を倒しながらすぐ追いつくから行くんだシャルル!」
「でも……」
「でもじゃないっ、行けっ!」
「すまない!」
そう言って炎の精霊にこの場を任せてレイジがシャルルを引っ張りイコーナと共に走り去っていく。
「ちょっとレイジ」
「大丈夫、炎の精霊は魔物等にはヤラレはしない」
「信じて行きましょ、シャルルさん」
「……うん、わかった!」
レイジの言うとおり冷静に考えてこの地上の炎を司る精霊イフリートがそこらの魔物にやられるはずがない、と頭を整理したシャルルは走っていった……。
「――魔王っ……いない……のか?」
周りを見渡すも椅子はあれど肝心の魔王は見当たらない。これは罠なのかと警戒する三人。
「よく来たな勇者!」
「この声はっ、カニングかっ!」
レイジは誰よりも早くその声の主に気がついた。そのカニングは魔王が座っていた椅子を吹き飛ばすと、後ろには不気味な大きな魔物の姿が見える。
「あ……あれは?」
「下がってイコーナ、なんだろあれ……っ!」
「まさかあの竜は!?」
「白竜!?」
「黒竜なのか!?」
予想とは違いそのどちらも付いている。
「フッフッフッ、驚きましたか、この竜はね黒と白の二匹の細胞で肉体を復活、融合させた二頭暴竜です」
「ギャオォォォッ!」
「貴様らはっ、魔王様の姿を見ることなく死ぬのですっ!」
そう言葉を発した瞬間に二首の黒竜は口から竜の火炎を吐いてきて、後ろに下がったシャルルたち。
「くっ、カニングッ!」
「どうしたました勇者シャルル、まさか命乞いですかな?」
「魔王は、魔王はどこにいるっ!」
「クックックッ、魔王様なら上で待っておる」
「この部屋の2階に魔王が……ならここでカニングを倒してやる!」
「シャルルッ」
「レイジ……」
「ここはオレとイコーナでやる、やれるかイコーナ?」
「……はい」
「そんな……」
嫌な予感はした。いや、そうやっていつも自分のために動いてくれる二人、でも、だからこそ苦戦したあの竜が融合して更に強さを増したことに不安と心配がシャルルを迷わせていた。
「オレも、戦うよ」
「ここでお前が力を使ったら誰が魔王を倒すんだ」
「そうだけど、でも……」
「シャルルさん、あたしたちを信頼してください」
「イコーナまで」
その迷いに気がついたカニングは二頭暴竜に命令し白竜の首は嵐の息シャルルに吐き出した。初めて見た技に避けることができない棒立ちのシャルルは、『ヤバいっ』と心が叫んだ。
「風の渦傘」
真空の刃は弾かれ壁に激突……。
「え……」
シャルルの前に立つ二人の女性の姿に彼の時が止まった……。
「ふう~……カニングか、こんなところで油を売っていいのか?」
「ありがたい御言葉、抜かりなく準備をしてまいりました」
「いい顔をするようになったじゃないか」
「して魔王様、今のは?」
「クックックッ、我は自分の力を持て余していたようだ」
「……なるほど、それで魔王城を停止させ地上には天変地異が起きてなかったのですね」
「ああ」
「しかしこれで気がかりなのは勇者がまた来るようなことがなければよいのですが」
「逆だろ」
「はあ」
「勇者が来たら派手に試せる、我の力をな」
「さすが、魔王ディメント様」
「噂をすれば何とやらだ」
「まさか……」
魔王城が騒がしくなるとカニングは魔物達に勇者を倒すよう命令したあと自身も出陣するのだった……。
「――うわスゲーッ、さすが風の精霊さま!」
「シルフってよんでよね、あと、これくらいあたりまえだから」
早朝、シャルル、レイジ、イコーナ、炎と雷の精霊も含めて風の精霊シルフにより風に運ばれ魔王城を目指し飛んでいたのだ。
すると早速、魔王城の入り口や窓の中から空を飛ぶ魔物の大群が続々と現れた。
「たくさん現れたな、ワタシの炎で」
「いえ、待ってイフリートここは私がやるわ……雷雲よ、邪なる魔物に天なる裁きを……天罰っ!」
全ての空飛ぶ魔物達は雷の精霊エクレールの雷により激しい雷鳴と共に黒焦げになった。おかげで魔王城の入り口まで辿り着く。そこで力を失っているシルフは退却しシャルル一行は風の精霊に感謝しながら入っていった。
「よしっ……い、いくぞ~……」
中は前とは違いたくさんの魔物がいてこれは時間がかかりそうだと考えていたシャルル。
「前のように簡単にはいかないか~」
「前はお前にアレをするためにだったからだろ」
「……うん」
「炎の道っ!」
覚悟を決めると突然、部屋にいるシャルルたちもろとも炎に包まれる。
「こ、これは!?」
「いけっ、シャルル、レイジ、イコーナ」
「イフリートさん!」
「アタシのこの炎は魔王まで続いてるはず、他の魔物を倒しながらすぐ追いつくから行くんだシャルル!」
「でも……」
「でもじゃないっ、行けっ!」
「すまない!」
そう言って炎の精霊にこの場を任せてレイジがシャルルを引っ張りイコーナと共に走り去っていく。
「ちょっとレイジ」
「大丈夫、炎の精霊は魔物等にはヤラレはしない」
「信じて行きましょ、シャルルさん」
「……うん、わかった!」
レイジの言うとおり冷静に考えてこの地上の炎を司る精霊イフリートがそこらの魔物にやられるはずがない、と頭を整理したシャルルは走っていった……。
「――魔王っ……いない……のか?」
周りを見渡すも椅子はあれど肝心の魔王は見当たらない。これは罠なのかと警戒する三人。
「よく来たな勇者!」
「この声はっ、カニングかっ!」
レイジは誰よりも早くその声の主に気がついた。そのカニングは魔王が座っていた椅子を吹き飛ばすと、後ろには不気味な大きな魔物の姿が見える。
「あ……あれは?」
「下がってイコーナ、なんだろあれ……っ!」
「まさかあの竜は!?」
「白竜!?」
「黒竜なのか!?」
予想とは違いそのどちらも付いている。
「フッフッフッ、驚きましたか、この竜はね黒と白の二匹の細胞で肉体を復活、融合させた二頭暴竜です」
「ギャオォォォッ!」
「貴様らはっ、魔王様の姿を見ることなく死ぬのですっ!」
そう言葉を発した瞬間に二首の黒竜は口から竜の火炎を吐いてきて、後ろに下がったシャルルたち。
「くっ、カニングッ!」
「どうしたました勇者シャルル、まさか命乞いですかな?」
「魔王は、魔王はどこにいるっ!」
「クックックッ、魔王様なら上で待っておる」
「この部屋の2階に魔王が……ならここでカニングを倒してやる!」
「シャルルッ」
「レイジ……」
「ここはオレとイコーナでやる、やれるかイコーナ?」
「……はい」
「そんな……」
嫌な予感はした。いや、そうやっていつも自分のために動いてくれる二人、でも、だからこそ苦戦したあの竜が融合して更に強さを増したことに不安と心配がシャルルを迷わせていた。
「オレも、戦うよ」
「ここでお前が力を使ったら誰が魔王を倒すんだ」
「そうだけど、でも……」
「シャルルさん、あたしたちを信頼してください」
「イコーナまで」
その迷いに気がついたカニングは二頭暴竜に命令し白竜の首は嵐の息シャルルに吐き出した。初めて見た技に避けることができない棒立ちのシャルルは、『ヤバいっ』と心が叫んだ。
「風の渦傘」
真空の刃は弾かれ壁に激突……。
「え……」
シャルルの前に立つ二人の女性の姿に彼の時が止まった……。
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