3 / 4
星降る夜
しおりを挟む
――仕事を終えて夕方のコンビニに寄ると窓ガラスに時期なのでクリスマスやケーキのチラシが貼ってあり目に入ると、
「はぁー······ぐすっ」
自分も楽しんでいたかもしれないと想像して悲しくなりながら買い物を済ませた。
「――ただいま~」
「おかえりなさい」
ふわりと飛んできたサイネリアは、
「あら? 泣いたのかしら」
「え······ううん、疲れてあくびしただけよ。それよりもさ、サイネリアは何してたわけ?」
「ふふっ、焦らないで、食事を取ってからにしましょうよ」
焦らされて先にコンビニの弁当を食べることに。
「ほれ、サイネリア、あ~ん」
「あ~んっ······もう、ワタシは子供じゃないんだけど、もぐもぐっ」
「良いじゃん、それでなんなの? いいかげんに教えてよ」
そう言うと笑顔でテーブルの下からノートをだし何だろうと開いたら、
「こ、これって『介護福祉士が誠実に業務を行う······』やっぱり福祉の問題じゃん、なんで?」
ノートとにびっしりと丁寧に書かれている。
「決まってるでしょ、国家資格を取るため」
サイネリアは目を閉じて優しく伝えた。
「ええ―、ここまでしなくても~」
「そうかしら? ワタシは必要だと思うな~······それに、どうしても資格、取ってほしいの」
「な、なんでよ?」
「だって······」
この一週間、凛桜の仕事ぶりを見て患者に対する接し方や心遣い、そしてなにより人に対する優しさを見ていて、
「ワタシがもし、おばあちゃんだったらあなたにお世話になりたいもの」
「な、なに言ってるのよ······もう」
嬉しいのか顔が赤くなる彼女、それでもサイネリアは、
「それと······しあわせは自分で掴みにいってみない?」
言いたい事がなんなのかわかった凛桜、ノートを見ると1日中書いていたに違いない。妖精とはいえここまでする彼女の本気度が伝わってくる。
「うん、そうね」
「じゃあ、ちょっとやってみましょ」
「ええ~、いまから~?」
「勿論、毎日夜に少しずつ問題を出していくわよ······」
こうして二人三脚で介護福祉士の資格を取るための勉強にさらに力をいれる。それは彼氏の事で傷ついた気持ちを乗り越えて貰うためにとサイネリアが想ったこと、それを凛桜も薄々気づいて心の中で『ありがとう』と思いながら出された問題に答えていく······。
そんな中の1月4日の事だった。
午後の11時半頃、二人は徒歩で犀川河川敷公園で夜空を眺めていた。
「ねぇ凛桜、一体なんなの?」
気になって彼女の方を向くと、
「あっ、降ってきたっ!」
「えっ、なに?」
「もう、ほらっ、あたしばかり見てるから~······よっ!」
両手でサイネリアの頭を掴み上に向けると、
「······き、キレーイ」
夜半に無数に流れる星。
「こ、これって流星群!」
「正解、しぶんぎ座流星群よ······あーきれーい」
二人はしばらく星の海の世界にうっとりしていた。
いつの間にかサイネリアを抱きながら観ていると、
「······あたしさぁ、元カレとプラネタリウム行く約束したときあったの」
手日記に書いてあった話と気づくが黙って聞いてみる。
「せっかく楽しみにしてたのに~」
「ちょ、ちょっと苦しい~」
「あ、ごめんごめん······結局そこから彼とどんどん会う数も減っちゃって、あたしのなにが悪かったんだろうと考えちゃうの」
悲しい顔に心も寂しくなる。
「知ってるわ」
「え、なんで?」
「ごめんなさい、ゴミ箱に捨ててあった手日記、読んだの」
「えーっ、ちょっとそれ犯罪だぞ~、く~恥ずかし」
恥ずかしがる凛桜にサイネリアは星を眺めてながら、
「浮気する元カレが悪いわよ、だから悔しがらせてあげましょっ、資格を取って」
いつも励ましてくれる彼女、その言葉を聞いて心にポッと暖かなって元気に変わっていくのだ。
その時ふと、
「······サイネリアさぁ、元気になるまでって、どういうことなの?」
「······凛桜の気持ちが満たされれば、凛桜はワタシが見えなくなる」
「そう、なんだ······」
彼女が突然見えなくなるなんて、当たり前のように今はいるけど複雑な気持ちに、
「そっか、ならこの流星群にお願いしちゃおっかな~、ず~っとみえるようにって」
凛桜の気持ちを感じ、
「違うでしょ『資格取れますように』じゃない」
「そうかな、やっぱり?」
楽しく話ながらも互いに別れるときがくるのを薄々と感じたがそれでも胸の奥にそっと閉まって、二人は今の夜空の星をこのなんとも言えない気持ちのいい感覚を味わった······。
そしてついに試験の日、
「はぁー······ぐすっ」
自分も楽しんでいたかもしれないと想像して悲しくなりながら買い物を済ませた。
「――ただいま~」
「おかえりなさい」
ふわりと飛んできたサイネリアは、
「あら? 泣いたのかしら」
「え······ううん、疲れてあくびしただけよ。それよりもさ、サイネリアは何してたわけ?」
「ふふっ、焦らないで、食事を取ってからにしましょうよ」
焦らされて先にコンビニの弁当を食べることに。
「ほれ、サイネリア、あ~ん」
「あ~んっ······もう、ワタシは子供じゃないんだけど、もぐもぐっ」
「良いじゃん、それでなんなの? いいかげんに教えてよ」
そう言うと笑顔でテーブルの下からノートをだし何だろうと開いたら、
「こ、これって『介護福祉士が誠実に業務を行う······』やっぱり福祉の問題じゃん、なんで?」
ノートとにびっしりと丁寧に書かれている。
「決まってるでしょ、国家資格を取るため」
サイネリアは目を閉じて優しく伝えた。
「ええ―、ここまでしなくても~」
「そうかしら? ワタシは必要だと思うな~······それに、どうしても資格、取ってほしいの」
「な、なんでよ?」
「だって······」
この一週間、凛桜の仕事ぶりを見て患者に対する接し方や心遣い、そしてなにより人に対する優しさを見ていて、
「ワタシがもし、おばあちゃんだったらあなたにお世話になりたいもの」
「な、なに言ってるのよ······もう」
嬉しいのか顔が赤くなる彼女、それでもサイネリアは、
「それと······しあわせは自分で掴みにいってみない?」
言いたい事がなんなのかわかった凛桜、ノートを見ると1日中書いていたに違いない。妖精とはいえここまでする彼女の本気度が伝わってくる。
「うん、そうね」
「じゃあ、ちょっとやってみましょ」
「ええ~、いまから~?」
「勿論、毎日夜に少しずつ問題を出していくわよ······」
こうして二人三脚で介護福祉士の資格を取るための勉強にさらに力をいれる。それは彼氏の事で傷ついた気持ちを乗り越えて貰うためにとサイネリアが想ったこと、それを凛桜も薄々気づいて心の中で『ありがとう』と思いながら出された問題に答えていく······。
そんな中の1月4日の事だった。
午後の11時半頃、二人は徒歩で犀川河川敷公園で夜空を眺めていた。
「ねぇ凛桜、一体なんなの?」
気になって彼女の方を向くと、
「あっ、降ってきたっ!」
「えっ、なに?」
「もう、ほらっ、あたしばかり見てるから~······よっ!」
両手でサイネリアの頭を掴み上に向けると、
「······き、キレーイ」
夜半に無数に流れる星。
「こ、これって流星群!」
「正解、しぶんぎ座流星群よ······あーきれーい」
二人はしばらく星の海の世界にうっとりしていた。
いつの間にかサイネリアを抱きながら観ていると、
「······あたしさぁ、元カレとプラネタリウム行く約束したときあったの」
手日記に書いてあった話と気づくが黙って聞いてみる。
「せっかく楽しみにしてたのに~」
「ちょ、ちょっと苦しい~」
「あ、ごめんごめん······結局そこから彼とどんどん会う数も減っちゃって、あたしのなにが悪かったんだろうと考えちゃうの」
悲しい顔に心も寂しくなる。
「知ってるわ」
「え、なんで?」
「ごめんなさい、ゴミ箱に捨ててあった手日記、読んだの」
「えーっ、ちょっとそれ犯罪だぞ~、く~恥ずかし」
恥ずかしがる凛桜にサイネリアは星を眺めてながら、
「浮気する元カレが悪いわよ、だから悔しがらせてあげましょっ、資格を取って」
いつも励ましてくれる彼女、その言葉を聞いて心にポッと暖かなって元気に変わっていくのだ。
その時ふと、
「······サイネリアさぁ、元気になるまでって、どういうことなの?」
「······凛桜の気持ちが満たされれば、凛桜はワタシが見えなくなる」
「そう、なんだ······」
彼女が突然見えなくなるなんて、当たり前のように今はいるけど複雑な気持ちに、
「そっか、ならこの流星群にお願いしちゃおっかな~、ず~っとみえるようにって」
凛桜の気持ちを感じ、
「違うでしょ『資格取れますように』じゃない」
「そうかな、やっぱり?」
楽しく話ながらも互いに別れるときがくるのを薄々と感じたがそれでも胸の奥にそっと閉まって、二人は今の夜空の星をこのなんとも言えない気持ちのいい感覚を味わった······。
そしてついに試験の日、
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?
無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。
どっちが稼げるのだろう?
いろんな方の想いがあるのかと・・・。
2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる