1 / 7
田舎者?
しおりを挟む
――2002年。
「どうだ宏伸このキャラ、カッコカワイイだろ」
「しらないよ」
「数年後には女子の時代が来ると思う、だからオレはこのキャラでいずれ漫画家としてデビューするのさ」
「ふーん、宏隼兄さんはホントに大学いかずに漫画家になるつもりなんだね」
「ああ、前は急げだ、見てろよ大ヒットさせてやるからなー!」
――2022年現在。
ガザガザッと段ボールから、
「う~っしゃあああぁぁぁーっ!」
ショートカットで制服を着た女の子が現れた。
「やっと祈りが届いたか・・・って汚なっ」
暗く押し入れだと気づき開けてみた。驚くほどのたくさんの派手な衣装やドレスたち、どうやら衣装部屋のようだ。
「すごい派手な服・・・っと、とにかく」
とにかく出口を探すと窓あり、悪いと思いつつカギを開けてそこから外へ。すると自分の知っている景色とはまるで違っていた。
「大きな東京タワー・・・じゃないか」
東京タワーより高い謎のタワーがあるなんてと驚くしかない。さらにそこかしこと訳のわからない場所、それでもとある二人を探すため聞き込みから始めることにした。
さすが東京たくさんの人がいる。だがまず目に入るのはほとんどと言っていいほど皆が片手に持ったモノをみていること。人に聞くとそれはスマートフォンという。これで通話とかインターネットに繋がるなんて信じられないと不思議そうな顔をすると田舎者って言われてしまった。それだけ全国に浸透してるみたい。
「あの~すいません、高橋 宏隼と宏伸ってしりませんか?」
老若男女に聞いていくもやはり中々たどり着けない。っていうか、
「スゲー女の人みんな綺麗だな~」
自分の世界ではコギャルメイクで目を強調アイメイクが流行っているが、ここは肌艶、化粧に至るまでメイクが何ていうか上手な気もしてもはや自分の世界とは次元が違うと思わずにはいられない。変わった景観を感じつつ探し続けていく。
「絶対みつけてやる、あんの二人~、許さないっ!」
――とある出版社『未子ノ社』の仕事部屋。
「んが~・・・がが~・・・んが~、ちゃんと期限まもってよ、んっん~・・・」
昨日は一日中、仕事の世話をしている作家たちをを訪ねたために職場に帰ってきて眠ったのは夜中の3時過ぎでそのまま自分の椅子で目が閉じてしまった。最近の作家はアナログやデジタルなど一つに孤立する者が多く未来に向けてそれらを使い分けるように促すということも仕事に入り忙しさに拍車を掛かったためである。
「はっ、今何時だっ・・・8時か~」
朝飯は抜きにして今日も仕事、とここ2階の窓から何やら騒がしい人たちの声。
「何だなんだ?」
だがまぁおそらくは、漫画を持ち込んでダメ出しされてトラブったのかと大体の予想はついていた。
「ふぅ」
「――のぶをだせ・・・」
「ん?」
「――ろのぶがいるで・・・」
なんか自分の名前を名指しされているような感じがすると、扉が開いて慌てる後輩。
「高橋さんっ!」
「どうした?」
「女子高生が、高橋 宏伸とヒロハヤを出せって怒ってて」
「おいおい」何者だ? 年上のことを呼び捨てにする失礼な高校生は、と鼻息をフンスカしながら一階の入り口へと向かった。
「ここにいるのは知ってるのよっ、スマホって物で調べてもらったんだからっ!」
「君っ、関係者以外は立入禁止なの」
「関係だったら大ありなんだからどきなさい」
「証拠は」
「ないっ!」
「じゃダメでしょっ」
「どいて―っ!」
「僕が高橋 宏伸だけどっ、なんのようだい?」
ほんとうに普通の制服を着たただの黒髪女子高生で会ったこともない。
「だれ君、僕は知らないよ、許してあげるからサボらないで学校にいきなさい」
「・・・違う」
「ん、なにが」
「違うって言ってんのっ、宏伸はあんたみたいなデブじゃない!」
「デ、デブってっ、失礼だな君はっ!」
「宏伸は済まし顔だったけど、漫画をヒットさせたいって言ってたお兄さんをホントは応援してたような兄弟で弟なんだから」
「え・・・」
突然の彼女の言葉に動揺する。なぜこの子が昔の兄さんと自分の事を。
「君はいったい」
「あたしは勇気 舞、世界を救うはずだった女子高生よ」
「どうだ宏伸このキャラ、カッコカワイイだろ」
「しらないよ」
「数年後には女子の時代が来ると思う、だからオレはこのキャラでいずれ漫画家としてデビューするのさ」
「ふーん、宏隼兄さんはホントに大学いかずに漫画家になるつもりなんだね」
「ああ、前は急げだ、見てろよ大ヒットさせてやるからなー!」
――2022年現在。
ガザガザッと段ボールから、
「う~っしゃあああぁぁぁーっ!」
ショートカットで制服を着た女の子が現れた。
「やっと祈りが届いたか・・・って汚なっ」
暗く押し入れだと気づき開けてみた。驚くほどのたくさんの派手な衣装やドレスたち、どうやら衣装部屋のようだ。
「すごい派手な服・・・っと、とにかく」
とにかく出口を探すと窓あり、悪いと思いつつカギを開けてそこから外へ。すると自分の知っている景色とはまるで違っていた。
「大きな東京タワー・・・じゃないか」
東京タワーより高い謎のタワーがあるなんてと驚くしかない。さらにそこかしこと訳のわからない場所、それでもとある二人を探すため聞き込みから始めることにした。
さすが東京たくさんの人がいる。だがまず目に入るのはほとんどと言っていいほど皆が片手に持ったモノをみていること。人に聞くとそれはスマートフォンという。これで通話とかインターネットに繋がるなんて信じられないと不思議そうな顔をすると田舎者って言われてしまった。それだけ全国に浸透してるみたい。
「あの~すいません、高橋 宏隼と宏伸ってしりませんか?」
老若男女に聞いていくもやはり中々たどり着けない。っていうか、
「スゲー女の人みんな綺麗だな~」
自分の世界ではコギャルメイクで目を強調アイメイクが流行っているが、ここは肌艶、化粧に至るまでメイクが何ていうか上手な気もしてもはや自分の世界とは次元が違うと思わずにはいられない。変わった景観を感じつつ探し続けていく。
「絶対みつけてやる、あんの二人~、許さないっ!」
――とある出版社『未子ノ社』の仕事部屋。
「んが~・・・がが~・・・んが~、ちゃんと期限まもってよ、んっん~・・・」
昨日は一日中、仕事の世話をしている作家たちをを訪ねたために職場に帰ってきて眠ったのは夜中の3時過ぎでそのまま自分の椅子で目が閉じてしまった。最近の作家はアナログやデジタルなど一つに孤立する者が多く未来に向けてそれらを使い分けるように促すということも仕事に入り忙しさに拍車を掛かったためである。
「はっ、今何時だっ・・・8時か~」
朝飯は抜きにして今日も仕事、とここ2階の窓から何やら騒がしい人たちの声。
「何だなんだ?」
だがまぁおそらくは、漫画を持ち込んでダメ出しされてトラブったのかと大体の予想はついていた。
「ふぅ」
「――のぶをだせ・・・」
「ん?」
「――ろのぶがいるで・・・」
なんか自分の名前を名指しされているような感じがすると、扉が開いて慌てる後輩。
「高橋さんっ!」
「どうした?」
「女子高生が、高橋 宏伸とヒロハヤを出せって怒ってて」
「おいおい」何者だ? 年上のことを呼び捨てにする失礼な高校生は、と鼻息をフンスカしながら一階の入り口へと向かった。
「ここにいるのは知ってるのよっ、スマホって物で調べてもらったんだからっ!」
「君っ、関係者以外は立入禁止なの」
「関係だったら大ありなんだからどきなさい」
「証拠は」
「ないっ!」
「じゃダメでしょっ」
「どいて―っ!」
「僕が高橋 宏伸だけどっ、なんのようだい?」
ほんとうに普通の制服を着たただの黒髪女子高生で会ったこともない。
「だれ君、僕は知らないよ、許してあげるからサボらないで学校にいきなさい」
「・・・違う」
「ん、なにが」
「違うって言ってんのっ、宏伸はあんたみたいなデブじゃない!」
「デ、デブってっ、失礼だな君はっ!」
「宏伸は済まし顔だったけど、漫画をヒットさせたいって言ってたお兄さんをホントは応援してたような兄弟で弟なんだから」
「え・・・」
突然の彼女の言葉に動揺する。なぜこの子が昔の兄さんと自分の事を。
「君はいったい」
「あたしは勇気 舞、世界を救うはずだった女子高生よ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる