〜クイーン·ザ·セレブレイド〜

ヒムネ

文字の大きさ
27 / 54
プリンセス ―ショート―

青髪の王女

しおりを挟む
 それはターキシム軍の余りの少なさで明らかにこちらの半分以下で下手をすればが100人いるかいないかである。どういう事かと、


「レスタ王女、これは」


「ロベリー王女、お久しぶりで」


 しっかりと直立で立ち、顔色一つ変えず挨拶をしてくるレスタに馬を降りてロベリーも、


「失礼、レスタ王女、お久しぶりです」


 挨拶を返えす。


「それで、これはどういうおつもりですか?」


 動揺した様な彼女の質問には、


「貴女の噂は聞いている。一対一で闘っているという話なので兵の数はそれほど必要ないと判断したまで、驚くような事ではないと思いますが」


 噂通りの冷静な方、何処まで見透されてるのか分からない。いままで闘った王女とはまた別の強さを感じる。


「では私もお聞きしたい······貴女の目的は何ですか?」


 やりづらい相手、尋問されている様なプレッシャーでも、


「······クイーン·ザ·セレブレイドになるためです」


 いつもの様に答えた。当然レスタ城の騎士兵士たちはざわつくが肝心のレスタ王女は、


「なってどうする?」


「······神の啓示を受け、世界を永久の平和に」


「そうか······では闘うか」


「えっ······はい」


 この人は何を考えているのかやはり読めない。でもこちらもこの戦いに負けるわけにはいかないと疑念を捨て、迷わずロベリーから向かっていく。



「「はぁぁーっ!」」



 剣と剣の乱れ合いは始まった。



 レスタ王女の剣は力ではなく速さ、それでもベルディ王女の方が総合的には上と力量を測る。



 ロベリーの動きも引けは取らない。



 一見有利に感じたものの戦っているうちに違和感が、


 この人、動きがはやい?



 右上から剣を振ると後ろへとかわす。

 

 ちがう、


 左上から剣を振ると先程より早く後ろへとかわし、また右上から剣を振る前に避けながら一回転し左手でロベリーの右頬を、



「うっ!」



 叩いた。


 表情一つ変えないレスタ、速さではない間違いなくこの人は、それも正確に。そのため彼女にはわたくしの次の動きが見えているかのようにと察する。



「頭いいのね、ロベリー王女」



「くうっ!」



 いま考えている事も読まれているようだ。


 このあともしばらく剣を交えるがレスタの動きはまるでロベリーを手駒にするかのように彼女に5回、6回と頬を叩かれていく。


 さすがに同じところを叩かれ続けていると、


「なぜ、斬らないのですか」


「ロベリー王女にやられる気がしないだけだ、頬が真っ赤だぞ。もう諦めたらどうだ」


「止め、ません!」


 強い、もう完全に私の動きを見切られている。これがターキシム城のデュモル·イブ·レスタ王女。いままでにない戦いに動揺するもすぐ気持ちを切り替え、一息して風の音や流れが分かるほどに落ち着かせ集中していく。


「······行きます」


 気迫のない声でもレスタは気を緩ませる事なく互いの本当の戦いが始まった。



 レスタはロベリーの動きを予知する。



 右上からの斬りかかり、次に左の拳、次には右脚の蹴り、それを避け私が左頬を叩く。



 だがロベリーも彼女の予知に付いて行こうと、



 私の右上の剣をレスタ王女は既に読んでいる。なら左の拳で、避けられたらすかさず右脚で蹴る。



 互いの読み通りの展開になり剣を左に避け、左の拳を顔を引いてまた避け、ロベリーの蹴りを、



「そんなっ!」



 避けて、左頬を叩かれた。



「くっ、このっ!」



 ロベリーは果敢に攻めるがレスタも熱くならず周りの音が聞き取れるほどに落ち着き、自然と集中していく。



「やぁっ!」



 横薙の剣を飛び上がり避け、思いっきり振ったためあの体制からなら回転して左の拳で殴ろうとするだろうと読む。



 ロベリーは横薙の遠心力を利用し左の拳を振るが、
レスタの左腕の小手で防がれ、



「はっ······」



 彼女の鼻ぎりぎりのところでレスタの剣先が、



 止まる。



「どうしたロベリー王女、落ち着かせた感情がまたこもってきたぞ、そんな剣で私は倒せない。その程度の覚悟か?」


 レスタ王女が剣を止めなければ自分はやられていた事実に忘れていた死への恐怖を思い出す。
 2人の王女に勝って自分は死なないと心のどこかで思っていたのかも知れないと彼女のおかげで気付くロベリーだった。



「さあこいロベリー、お前のを見せてみろ」



 なんだろう、命を賭けて戦っているのに不思議と不安な気がしない、戦い過ぎて変になったのでしょうか。


 きっとレスタ王女も何かの思惑で動いているのは分かります。


 でもこの方かはなんだかとても温かい、お姉さんとはこんな感じなんでしょうかと思ってしまい······。



 ロベリーは場違いにも笑った。



 どうしてかは今は考えない。



 やる事は1つ、



 ロベリーは飛びかかる。



 だが勿論レスタは予知、



 また右上からの剣か、



「はっ」右上から剣を振り下ろす。それを左に体全体を動かし避け、
 次は左の拳、だがそれも顔を引いて避け、右足の蹴りを腹部を引っ込めてかわし、



 左頬を叩くと、



「くっ!」ロベリーは耐え、剣を落とし右手でレスタの左頬を叩いた。



 バチンッ、



 腰を着いたレスタ。



「うっ、耐えて叩き返すとは」

 
「ハァ、ハァ、あなたならきっと私が避けると踏んでいたと思い、我慢する事にしたんです」


「なるほど、盲点だ。だがもうこうはいかんぞ」


 すぐ立ち上がるレスタに剣を構えるロベリーだが、ターキシムの兵がレスタに近づき何かを話している。


「――というわけでこのままでは」


「待て、落ち着け······」


 緊急事態のようでレスタは左手を顎につけ考え始めた。


「レスタ王女?」


 本当に調子が狂う、これは国をかけた戦いなのにと思っていたら、目を開きロベリーをキリッとした目で見て、



「ロベリー王女、悪いが早急に決着をつけさせてもらう」



 考えが決まったようでレスタは正眼に構えてきた。


「レスタ王女、いったい」


「ロベリー王女、言っておくが次はビスカ城を攻めるつもりだろう」


「え、なにを?」



「いいから聞け、ガーネットはバイオレット王女ほどではないだろうが容赦しない王女だ。私も手こずった相手だからな」



「レスタ、王女······」


 訳がわからないとその時、


「行くぞっ!」


 レスタは突然と走って来た。右上から斬りかかるつもりだと咄嗟に読み、



「はぁぁああーっ!」


 剣を避けて、



「ぐふっ······」



 レスタ王女を、倒す。



「あ、あ、レスタ王女っ!」ターキシムの騎士兵士たちは彼女を呼ぶがロベリーが抱えたレスタからは血が落ちていた。
 動揺するも騎士兵士たちは必死に落ち着かせようとして、


「ロベリー王女っ!」


 ホセに遺体を任せていたロベリーがターキシムの騎士の方を振り向くと、


「早急に、っ!」


「えっ、なぜ?」

「な、なにが?」


 何を言っているのか、ロベリーとホセはレスタが殺されたというのに自分たちの心配をしてきたターキシムの騎士兵士に困惑する表情になる。



 だが、



!」



 その声にビクッとするロベリーの振り向いた目線には、



「あっ······ああ、なんて数!」



 西側の方からこちらに馬と盾を持つ騎士兵士が向かってくる大群、



 だ。



 それも2000、3000、いったい何人もの騎士と兵士がいるのか。想像を絶する雰囲気にのまれ困惑するロベリー、だがヤクナやホセ、騎士や兵士たちは自分の指示を待っている。


 早く答えなければと焦っていると、


「ロベリー王女、ランクの方々は逃げてください!」


「あ、あなた方はどうするの――」


 ロベリーがターキシムの兵を気に掛けているところで、


「このままランク軍を叩く!」


 王女ガーネットを先頭にして進軍すると、仁王立ちのように真横に大勢の騎士と兵士が並んでいた。ガーネットは馬を止め、


「どけ、貴様等」


「ビスカ城のガーネット王女」


「······ターキシム軍か、どけと言っている。退かぬのなら」


 話をせずに逃げるランク軍を追おうとしているのは分かっていたがここで全ての騎士、兵士が、



「ガーネット王女、我等ターキシムの騎士兵士はビスカ城に



「なにっ!」


 頭を下げるターキシム軍にビスカの騎士兵士たちも衝撃を隠せなかった。



 それは事実上の王国を空け渡すという事に他ならない······。



「なん、だと······」



 ガーネットにこみ上げてくる怒り、長い歴史の間ビスカとターキシムは戦い合い攻略しようにも攻略出来なかった思いのため。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

ディバイン・レガシィー -箱庭の観測者-

月詠来夏
ファンタジー
魔法が当たり前、人間によく似た長寿の生命体は「神」と呼ばれる異世界、「デウスガルテン」。 かつて一つだった世界は複数の「箱庭」という形でバラバラに分かたれてしまい、神も人間も別々に生きている。 物語は、神のみが生きる箱庭「キャッセリア」から始まる。 ユキア・アルシェリアは、若い神の少女でありながら、神と人間が共存する世界を望んでいる。 それは神としては間違いで、失敗作とも役立たずとも揶揄されるような考え方。 彼女は幼い頃に読んだ物語の感動を糧に、理想を追い続けていた。 一方。クリム・クラウツは、特別なオッドアイと白銀の翼を持つ少年の姿をした断罪神。 最高神とともに世界を治める神の一人である彼は、最高神の価値観と在り方に密かな疑問を持っていた。 彼は本心を隠し続け、命令に逆らうことなく断罪の役割を全うしていた。 そんな中、二人に「神隠し事件」という名の転機が訪れる。 ユキアは神隠し事件に巻き込まれ、幼なじみとともに命の危機に陥る。 クリムは最高神から神隠し事件の調査を任され、真実と犯人を求め奔走する。 それは、長く果てしない目的への旅路の始まりに過ぎなかった────。 生まれた年も立場も違う二人の神の視点から、世界が砕けた原因となった謎を追うお話。 世界観、キャラクターについては以下のサイトにまとめてあります↓ https://tsukuyomiraika.wixsite.com/divalega ※ノベルアップ、カクヨムでも掲載しています。 【2023/12/19】 1~3話を約二年ぶりにリライトしました。 以前よりも世界観などがわかりやすくなっていると思いますので、読んでいただければ幸いです。

処理中です...