〜クイーン·ザ·セレブレイド〜

ヒムネ

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プリンセス ―ショート―

裏切り者

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「私も2日前、そこに居られるロベリー王女に自身の行いを止めてもらうようターキシムへ向かう途中で彼女と話しました」


 確認の為にベラ王女はロベリーの方を向くと、はいっと申し訳なさそうに返事をすると、そうかと腕を組んだ。


「そこで力及ばずロベリー王女を止められずに別れた時の事でした。それは、我が国のであるデモン·サー·プレシャに襲われたのですっ!」


 内心落胆するものもいた。それは誰もが感じた事だがオメラはシリカ王女とロベリー王女を一度目を合わせて、


「ですが私はロベリー王女に救われ、プレシャは樹林へと逃げて行きました」


 オメラは祈るような両手を胸に当て、



「「一個人の行いにしては余りに偶然が重なりすぎています。つまりこれはですっ、よってこの場で私たちがが戦う事はないのですっ!」



 彼女は何者かの陰謀による争いに命を失う事の無意味さを伝えた。


「ではオメラ王女」


 シリカ王女はオメラの言葉に納得しながらも問う、


「これは何者かの陰謀、ではそれはロベリー王女ではなくて?」


「いえ、違います」


 間髪入れずにシリカに向き答える。


「ロベリー王女が犯人ならば、私をあそこで救った意味がありません。それにプレシャも驚いてもいました」


 ロベリー王女ではない、そのシリカに対する目はロベリーを信じ切っている強い目で見つめ合う。


 しばらくしてシリカが目を閉じ、


「では、ロベリー王女がこれまでに侵した王女殺害はどうすると言うの? オメラ王女がいくら信用しても沢山の王女を殺したのは事実なのよ」


「それは······」


 オメラは思わずロベリーの方を向くが、目を合わせず彼女は下を向く。


「信じたい気持ちはわかる。でも、それは同時に亡くなった王女たちを裏切ることなのよ」


「シリカ王女」


「それに私のたった一人の友を殺したかも知れないロベリー王女を許すわけにはいかない」


 犯人は別にいる、それはそうかもしれない。


 だが、それとロベリー王女が殺した事は別、シリカにとってこの王女がこれまで重ねてきた罪を考えれば友を殺したと疑うのは自然な事なのかも知れない。


 すると徐々に両軍の騎士兵士達は構え始め、一気に争う雰囲気へと変わってっいってしまう。


「だめっ、だめよシリカ王女、ベラ王女、ロベリーッ!」


「オメラ王女!」


 必死に叫びながら前に出ようとするオメラの右手をエマリンが両手で掴み止める。


「ロベリー王女、良いのか?」


 ベラはロベリーに答えを託したがロベリーは眉を下げ下を向いている。


「シリカ王女、ここは我々に任せてお下がりを」


 鉄仮面の騎士はシリカ王女を下がるよう促すとスッと背を向けると、


「シリカ王女ッ!」


 ロベリーは声を上げた。


「私は······」


 シリカは振り向き悲しい目で、


「ロベリー王女、あなたはもう私の知っているロベリー王女じゃない。よ」


 話は決裂し戦争と思いきや遠くから、



「はぁああーっ」



 そこにいる者のほとんどが何だと女性の声を発する方に顔を傾けた。


 馬が駆けフードを被った者が剣を抜く、


「あっ、あの人は!」


 思わず声が出たエマリン王女にオメラは、


「エマリン王女?」


、さん」


 えっ、と同時にエマリンを救ったのは『姉殺しのデナ』と気づくオメラ。


「御心配なく」


 1人の鉄仮面の騎士はシリカにそう言い剣を抜き構える。


 馬に乗るフードを被った者はその1人の仮面の騎士に狙いを定めた。


 だがよく見ると、


「ん、2っ!」


 鉄仮面の騎士はフードを被った者をよく見ると後にもう一人被さっているようだと見抜く。


 それが当たっていて、もう一人が弓を引いている姿に気づいた時、



「矢かっ!」


 ピュッ、


 左肩の方へと飛んできた矢を咄嗟に身体が動き交わすことは問題はなかったが、


 その事により体制が乱れすれ違うと同時に、


 ガツンッ、と鉄仮面に剣を当てられ背中から地面へと倒れた。


 フードを被った者も何故か馬から倒れ、被さっていたフードが顔を顕にすると、


「デ、デナさんっ!」


 よく見れば包帯だらけの彼女に声を掛け心配するエマリン。



 背中から倒れた者の仮面が衝撃で外れてその顔にロベリーは、



「ラ、······」



 自国を裏切り、



 ロベリーを殺そうとし、



 バーナを殺した男······。



「おやおや、これは失態」



 ロベリーを前にしても笑顔でにこやかなランク城の元騎士団長ラドルフ·ヌー·クラサ。


「御心配なくシリカ王女は御戻りを」


「ええ」


「シリカ王女っ!」


 先程のロベリーとは違い心に焔がやどり怒りと憎しみに満ちた強い声で、



「なぜあなたの国にラドルフが、バーナを殺したラドルフがいるのっ!」



 憎しみ感じる声に王女達はロベリーが大切な人を失ったのだと気がつく。



 黙るシリカと息を荒げるロベリー、



「シリカが、だ」



 じわっと包帯から血が滲みながらロベリーに答えるデナ。



、だと?」



「それはどういうことでしょうか、シリカ王女っ!」



 そう聞かされ睨むベラ王女と厳しい眼差しで問いかけるオメラ王女、だが黙って城へと歩をすすめるとラドルフは待機している全軍に、



「構いません、進めぇぇぇーっ!」



 ギトス軍の騎士兵士達が疑問は持ちつつも命令されたことに忠実にランク軍へと立ち向かって行く。



「始まって······しまった」


「オメラ王女」



 愕然とするオメラと同仕様もないと思うエマリンだった。


 ランク軍も王女を護るためにも全軍迎撃する。


 そんな大変な時にも関わらずロベリーは、


「離してっ、私はあの裏切り者のラドルフを、ベラ王女っ!」


 左手を離さないベラ王女は、


「落ち着け、戦場の真ん中にでも立つつもりか」


 冷静差を欠いたロベリーを必死に掴んで説得していると、その空きに背後から剣を持ち2人の王女に仕掛ける者が······。



「ハァ、ハァ······」


「デナ、様」


 立つのも辛そうなデナを囲んでいたのはこの戦いに参加せざる得なかった騎士カリムを含めたラバーグの騎士兵士たち。


「お前、たち」


「あの話は本当なんですか?」

「どういう事なんですか?」

「教えてください!」


 四方八方から兵の質問が飛んでくるが、


「私は、姉じゃ、王女じゃない。ただの」



、ですかな?」



 その声に憎悪とともに立ち上がり憎しみの目で睨みつけた相手は、


「ラムールッ······、キサマ······よくも姉をっ」


 周りは動揺した。あのプレナが亡くなったあと辞職した元騎士団長ラムール·サウ·エルなのかと鉄仮面の騎士にカリムは、


「そうなのですか?」


 返答を待つも彼は、


「そんなことは重要ではありません。早くこの方を殺しなさい」


「いえ、我々はあくまでもラバーグ軍です。あなたの返答次第では」


「違う、今の君たちはギトス軍だ。余計な詮索はせずその者を殺せと言われれば殺すのが軍人の役目だ」


 言い争うカリムと鉄仮面の騎士、そんなことは関係ないと言わんばかりに、



「死ねぇぇ、ラムールゥゥーッ!」



 周りを跳ね除け姉の想いを込めた剣で嵐のような連撃を仕掛ける。


「ほう、あれだけ痛めつけたのに良く動く」


「姉の、貴様への憎しみが、私を動かすっ!」


 フッ、と鉄仮面の騎士は華麗に全てを受け流していると「くっ」動きが鈍くなるデナに、


「くたばれ――」


 一方のロベリーは周りが見えずにベラ王女に左手を掴まれながら説得を続けられるが、そのせいでラドルフの姿が他の兵に隠れるようになり見えなくなる。


「ラドルフ······くっ!」


「今の周りの見えないロベリー王女では奴に殺されるぞっ!」


「ベラ王女、でも······でも」


 憎しみの気持ちとあの笑顔を奪ったラドルフを思うだけで抑えきれない自分自身。



「うおぉぉーっ!」



 背後からか声がすると、



「しまった」



 ベラは咄嗟に大剣を持ち、



 キンッ、



 襲ってきた剣を受け止めたがロベリーを掴んでいた手を離してしまう。
 そしてロベリーはラドルフの元へと走って行く。


「まてっ、ロベリー王女っ!」
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