〜クイーン·ザ·セレブレイド〜

ヒムネ

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プリンセス ―ショート―

ロベリーの想い

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「······クイーン·ザ·セレブレイド」



 シリカはオメラに目線を合わせ静かにそう答えた。



「嘘をついたことは謝ります。ですが私もそう宣言した以上負けは許されないのです。分かるわよね顔を隠した王女達?」



 カチャ、



「バレていたかシリカ王女」



 可動面頬から顔を出すレスタがそう言うと4人は兜を脱いだ。



「勿論よ、レスタ王女、ベルディ王女それにバイオレット王女とガーネット王女、しかしなぜ生きて?」



 するとレスタがロベリーの腰の袋を取り上げ、地面に投げると、



「キャッ!」とエマリンがつい声を出してしまう。



 それはべチャッと地面に真っ赤な血のような液体。



「これは、······」



「そうです、シリカ王女。



 言葉からはロベリーの強固な意思は周りを肌で感じさせるほど強かった。



「······バーナが死に、チュリンも亡くなって私は私の弱さを憎みました。覚悟が足りないのだと」



 だから彼女は決意する。全ての国の王女達を欺いても、憎まれる的になっても、必ずこのオブスーンに災いをもたらす者の正体暴き出すと。



 様々な人が亡くなっていきロベリーは疑問に思う中で親友であるチュリンの死が疑問から決意に変わったため。  
 もはやロベリーにはとしか思えない。



 そこで円卓の間で話題になった『クイーン·ザ·セレブレイドになる』という事を囮には出来ないものかと考え、犠牲を出さないためにも1対1の口実を作り出す。



 しかしそれには当然相手と本気で戦うことになる、負ければ死。だが勝てば相手を気絶させホマに達に調達させた血のりを利用し周りを誤魔化し、さらには念を入れ棺桶のような物にクイーン·ザ·セレブレイドになるためと言えば誤摩化せるとふんだ。



 誰が犯人かは現時点では分からなくとも、自分と対峙したとき何かしらの化けの皮が剥がれるとその時は強く思っていたロベリー。



「フンッ」と気に入らないのかバイオレットはロベリーと逆に向く。



「ですが私が命を懸けて戦った何処の国も怪しい事はなかった。だから不安は尽きなかった。本当に正しいのかと」



「······それで?」シリカは問う。



「でもここに来てラドルフだけでなく他にも多くの裏切った元騎士団長たちがいた事実」



 シリカに強く剣を先を向けたロベリー、さらに剣先を向けるバイオレット、ガーネット、レスタ。



「首謀者は貴女です。王女シリカッ!」



 ロベリーの王女の威厳と隠した憎しみを含んだ表情誰の目から見ても真剣だった。



 しかしそれでもシリカは微動だにせず、



「ロベリー王女、貴女の意見と覚悟はわかったわ。でもラドルフが殺った事もチュリン王女が亡くなった事も私が関与した言う証拠も何もないわ、残念だけど」



「くっ、シリカ王女!」



「ロベリー王女のいうとおりだ」



 エマリンの肩を借りたデナも語る。



 1度動揺したデナは冷静さを取り戻し姉を殺したヤツがラムールだと感づきラバーグを見回るも、その時既に騎士団長を辞職し消えたあとだった。



「何処に行ったのか、私は顔を隠し情報を探した。すると目撃した者が皆言うのは、と」



 目撃者の情報により徒歩で向かい隣国べオレ更にその隣国のレンプル、ムース。
 だが徒歩では時間が掛かるということでムース城のエマリンに馬を貰おうと潜入した。その後各国に渡り情報を集めた結果、



「それぞれの騎士団長を目撃した者は東に向かったといい、しかもそれは全て。これでもしらを切るのかシリカ王女」



「全て偶然よ、ロベリー王女にデナさん」



「シリカ王女!」



 これだけの証言でもシリカ王女は認めようとはしない。



「兵達よっ!」



 すると隠れていた騎士兵士たち1000人ほどが2階や地下から突然と現れた。



「これは、まさか!」



 囲まれる王女達だがレスタだけはシリカの思惑に気がづいた。



「フンッ、ならば全員斬りすてるまで」



「よせバイオレット王女!」



「レスタ王女、なんだ」



「さすが、冷静なターキシムの王女様ね。そう、この数に貴女たちたったの10人程ではどうにもならない」



 だがシリカは立ち上がり、



「さぁ、罪深き王女達よ、剣を捨てなさいっ。そして私に刃を向けた自身を悔い、王女の座を自ら捨てるのですっ!」



 王女達は気がついた。始めからシリカは自分達を始末するつもりだったのだと。そしてシリカ以外の王女は消え全ての国は統一されクイーン·ザ·セレブレイドになる。



「レスタ王女」



「この数では」



「フフッ、懸命な判断よ。貴女達の本当の事は牢屋で聞いてあげる」



 するとここまで黙っていたベラ王女がシリカに、



「私やオメラ王女、エマリン王女にベルディ王女、王女でないデナは剣を向けてはいないが」



「ンフッ、ベラ王女貴女が貧困生まれだろうとロベリー王女に付いた時点あなた達は共犯よ」



 少しずつ騎士兵士達が階段を降りてきて、または登ってきてエマリンは左右をキョロキョロしだし、



「え、えっ、い、いや、来ないで」



「落ちついてエマリン王女」



「だって、だって、私も共犯なんて」



 涙を浮かべビビるエマリンにオメラは近づき慰めつつシリカを向き、



「シリカ王女っ、あなたに人の心があるのなら真実を話してっ、そして真の平和を」



「私は真実を語ったわ。揃いも揃って悪魔に陥れようとしたのはあなた達全員」



「······本当にそれで良いのかシリカ王女」



「今度はなに? デナさん」



 デナの眼は芯が通るほど強く冷静にシリカに問う。



「これがシリカ王女の計画だとすれば、1つ見落としがあるはずだ」



「見落とし······」



「あんたは勘違いしている。知っているはずだ



 シリカの目が途端に形相を変える。ロベリーも他の者もデナはまだ何かを知っているのだと感ずき、



「······なにを」



········私は彼女達に救われ全てを知った」



 ロマンス·シー·ホワイト、一体誰の名なのか。しかしロベリーの記憶には、微かに聞き覚えがあったが出てこず、しかし渋い顔をするシリカは、



「ま、まさか······」



 その時、



「みんなっ、さがりなさいっ!」



 強い女性の声にざわついているギトス城の兵達、歩いてくると日に照らされ姿が見えるも知らない女性。



「シリカ王女、ローズ城のスパイの任を終えロマンス·シー·ホワイト只今戻りました」



? まさかっ······」



 ロベリーは現れた彼女に睨みつけ質問する。



「あなた、もしかしてチュリンを」



「······ええ、殺しました」



 答えた瞬間、持っている右手の剣が震える。これはラドルフと出会った時の様な怒り。それに気づくベラはそっと左手に触れ、オメラにも見つめられ、気持ちを落ち着かす。そしてデナが、



「ホワイトが私を救い、ラドルフの鉄仮面に矢を放った協力者」



「えっ、そんなっ!」



 友を殺した者に援護されたと衝撃を受けるロベリーは複雑な思いへと変わっていく。



「ホワイト、あなたは······」



「私を殺す手筈でしたでしょうが、こうして生きておりますシリカ様」



 シリカの顔が徐々に険しくなっていく。だがホワイトは王女達に目を向け、



「これは全て26年前から仕組まれた··だったのです」



「26年、そんな前から」



「はい、私たちはギトス国の孤児院『ミノリ』出身で――」



 私達とはラドルフやホワイト、ラムールなど裏切った者全員を指す。彼等は親に捨てられまたは売られ、放置や虐待により外をふらつく子どもを孤児院の人達に拾われた子たちのこと。



「孤児院ミノリには沢山の子がいたため生計を立てるのが大変、だから私達は子どもの頃から大人に混じって仕事をしてきた」



 しかし大人に混じって仕事とするという事は簡単ではなく、男なら疲れていても理不尽に働かされ、女であればセクハラまがいの事は当たり前。でも、それでも自分達に戻る場所は孤児院を無くして他にはなかった。



「そんな孤児院にまさかの奇跡が起きた」



 孤児院ミノリにがやってきたのだ。
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