25日のスローライフ

ヒムネ

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フライング・クリスマス

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「「メリークリスマ~スッ!」」
 私は今日は茉莉さんのお姉さん黄華さんのお店『メモワール』にお邪魔しています。きっかけは地球が亡くなる前にクリスマスをやっちゃおうというフライング・クリスマスをやろうと黄華さんの思いつきだそうで、誘われたのでした。
「後光さんもさ」
「はっ、はい」
「今日は一日楽しもうよ!」
「そうですね……はぁ~っ」
「お姉ちゃん、ちょっとトイレ」
「えっ、ああ……って後光さんを連れてトイレか? 意味わかんない……」

「ちょっと後光さん」
「は、はい?」
「どうしたの、何か元気ないし、病気?」
「実は~……」
 昨日の恐い人達とそれによる暴力事件を茉莉さんお話しました。
「――それは大変だったね~」
「はい~、まだ若干の恐かった時の緊張が残ってて~」
 パシャッ。
「えっ、茉莉さん」
「今日の後光さんは、初めてって言うくらい弱々しいから1枚と思って」
「すいません」
「いえ、それ聞いて安心したから」
「そうですか?」
「うん、ちゃんと理由が分かってるし、無理して元気出しても楽しめないしね」
「茉莉さん、分かってくれてありがとう」
「戻って、ケーキでも食べよ」
「はい」
 今日の『メモワール』は休んでクリスマス会を開いているため黄華さんの友だちの紅沢さんと蒼井さんも来ていました。
「お~来たか~、二人で友ションか~?」
「お姉ちゃん、そんなわけないてをしょっ!」
「黄華~、なんか言葉が悪いわよ」
「えっ、そう? 茶緑さより
「黄華は相変わらずだな」
 唯一の黄華さんの男性の友だち蒼井凛空りくさんも呆れ顔です。
「えっと後光さんだっけ?」
「え、はい……紅沢さん」
「何があったか分からないけど、元気出さないと損よ」
「心配していただきありがとうございます」
「え~っ、今どきこんな礼儀正しい女子高生いるんだ~!」
「そんな~……にゅんっ!」
 突然後ろから黄華さんに首に腕をかけられました。重いです。
「そうなのよ~、茉莉は良ーい友だち連れて来てくれたわ」
「くっ、くるしいです~」
 その時です。私は黄華さんからお酒の臭いがしました。どうやらビールを飲んで酔っているようです。
「もっ、もしかしてっ、黄華さん、お酒を」
「おーう、そうよ、お前も飲むか? そうしましょっ、ねっ、ほらっ、飲めっ、後光」
「ちょっとお姉ちゃん!」
「「黄華っ!」」
 みんなが止めてくれて何とか飲まずに済みました。
「ゴメンね後光さん」
「い、いえ、でもせっかく友だち居るんだからお酒はあとなすればいいのに」
「お姉ちゃん、うまく言えないんだけどさ」
「ん?」
「やっぱり少し寂しいのかもしれない」
「……地球の事ですか」
 頷いた茉莉さん、やはり地球が亡くなると言うのはもう日本人の心に影響を及ぼしているような気がしました。
「ねえ後光さん、さっき言ったケーキ食べてみない」
「そうでした、一緒に食べましょう」

 ――入り口辺りにテーブルの椅子に座って、大きな7号という大きな約21cmのショートケーキを丁度良い大きさに切っていただきました。このショートケーキは黄華さんだけでなく茉莉さんも手伝ったケーキでした。
「ケーキを手伝ったんですか、だからか美味しいですよ」
「ありがとう~、後光さん、なんか作ってよかったって感じがする~」
「あの~」
「あたしたちも食べていいかな?」
「蒼井さんに紅沢さん、どうぞ、どんどん食べてよ!」
「やった、いただきまーす」
「いただきます」
 大きな口を開けて食べる紅沢さんと、丁寧に食べる蒼井さん。私たちは眠ってしまった黄華さんをよそに四人でケーキを食べ進めていきます。
 やはりショートケーキはクリームの中に苺がアクセントとなって美味しいです。
「そういえば二人に聞きたいのですが、黄華さんって学生の時はどういう人だったんですか?」
「え、あたしたちに聞かなくても茉莉ちゃんに……」
「あたしも二人が見て感じたお姉ちゃんを知りたいです」
「そうか~、学生の頃と言っても~」
「黄華は昔も今も変わらないわよね?」
「うん、なんていうか誰に干渉されることもなく常にマイペース」
「そうね、あと……」
「あと、なんですか?」
、ね」
「え?」
 紅沢さんの話しを続けて聞くと、黄華さんの家族、つまり茉莉さんの家族ほ経済的にけっして裕福ではないため常に先のことを考えて高校でも仕事をしていたそうです。それでも自分のために使う姿はほとんど見たことないと言います。
「それであたしが少しは自分に使ったら? って言ったら、『妹がいるから、とっときたいの』って言ってたもの」
「だからオレがバイト紹介したこともあったんだ」
「へ~っ……初めて知った、そんなお姉ちゃんのこと……」
 頬が赤くなっていた茉莉さん、黄華さんのことをどう思っているのか私には兄弟は居ませんから羨ましいです。
 ガタンッ、そのとき黄華さんが起きました……。
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