25日のスローライフ

ヒムネ

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「――ここが亀ノ湖よ」
「うわぁぁ……
 私は玄武町にやって来ていました。それは昨日、スマートフォンに以前出会った保村千暖ほむらちはるさんから湖の写真を送られてきたことから、私は見てみたくて今日会うことにしたのです。それで町を紹介してくれると千暖さんが言ってくれて私から玄武町に向かって亀ノ湖に来たんです。
「前よりも、光の数が増えてる」
「私も昨日茉莉さんから写真をもらったのですが光が増えてました」
「……やっぱり」
「地球ですか」
「まあ、学者でもないあたしたちが考察しても終わらなそうだし、やめよ」
「ふぅ~っ、そうですね、こういうのはそういう専門の方に任せましょう」
「じゃあ行こっ、一花さん!」
「はいっ、千暖さん」

 頭を切り替えてせっかく来た玄武町です。なので私たちはまずファッションセンターに行って服を選ぶことにしました。
「やっぱり冬はロングコートでしょうか~」
「そうね、冬といえばマフラーとかも定番よね」
「あっ、でも私たちあと十日くらいしか地球ないから……すいません、また言ってしまいました」
「あ~……だったらさ、今着て丁度いい物を見てみようよ」
「そ、そうですね」
 切り替えたはずがうっかり出てしまった地球という言葉、別に悪い言葉ではないのに今ではネガティブ・ワードになってしまってちょっと可哀想です。今どきの服ということで、さっき見た冬服は入り口を入ってすぐにあったので、今どきの服はそのもっと奥にありました。
「う~ん秋服は大体がブラウンが多いかな~」
「そうですね、でも、ネイビーのジャケットもありますね」
「ねーねー、アレの大人コーデいいよね!」
「大人コーデ、憧れるな~」
 二十代後半から三十代をターゲットにした大人コーデは私達には真似できないカッコよさと美しさを兼ね備えていて、あの余裕のある姿が良いんです。
「う~んどうしましょう」
「買うか迷ってるのね、一花さん」
 たくさん見ると服が欲しくなってきてしまって、この前働いて稼いだお金をもう使ってしまいそう……。

「コレッ、どうかな?」
「そのブラウンのジャケット似合うわよ一花さん」
「千暖さんの、紫のカーディガンも素敵です」
「えっ、ありがとう一花さん」
 結局、色々見て欲に負けてしまった私は千暖さんと一緒に買ってしまいました。でも、働いて稼いだお金ですから使わないと、と前向きに考えました。
 私と千暖さんは新しい服を買って気分良く次はどこに周るかと話していたら怒号が聞こえました。

「ヘーイッ、楽しいなぁーっ、毎日よーおーうっ!」
「ヘッヘッヘッ!」

「まっ、まさか不良、ですか!?」
「一花さん、震えてるわよ」
「実は、前に恐い思いをしたことが、ありまして」
「大丈夫よ、一花さん」
 千暖さんの袖を掴んで震えていた私、でも彼女の一声がとても心強く安心感を感じました。
「千暖さん……」
「あたしの後ろにいれば大丈夫だから、行こ」
「は、はい」
 力強い千暖さんの言葉で、道をふさぐように立っている不良二人組を素通りする私たち、でもやっぱり目をつけられてしまいました。
「おいっ、姉ちゃんたち、オレとデートしてくんない?」
「……」
「おい無視はねぇだろ、そこのメガネ!」
「ちょっと、どいてください、迷惑なので」
「カッチーンッ、オレッ、怒っちゃいました~」
「ヘッヘッ、亀山田はつえーぜ?」
「一花さん、走ろっ」
「はいっ!」
 私たち逃げましたが、やっぱり二人組は少しの距離とって追ってきます。女の子二人を追うのを楽しんでいるように見えました。
 入り口を出て息を切らす私と千暖さん、でも二人組の不良も追いついてしまいました。
「鬼ごっこは終わりかい?」
「ゼェッ、ゼェッ、かっ、覚悟しなヘッヘッ」
「……ほんっとに、めんどくさ」
「あん? なんだとテメェッ!」
「千暖さんっ!」
「かかって、きなさいよっ」
 そんな、と私は頭を抱えました。私とそんなに体格も変わらない千暖さんが不良と喧嘩なんてどうしようと恐怖と戦いながら頑張って考えて私と言い聞かせようとした時でした。

 ドスッ、という音で見てみると二人の不良組は千暖さんに頭を下げて去っていきました。

「えっ、えっ、ちっ、千暖さん?」
「ふぅ、口ほどにもない奴等、恐い思いさせてゴメンね一花さん」
 転々点とは、この事だと思いました……。
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