51 / 53
最後の一日
しおりを挟む
「――う~ん、朝……」
朝、目が覚めました。ベッドから起き上がると朝日が差していたのでカーテンを覗くと変わらない天気のいい朝です。
着替えても今のところ崩壊のような感じはしません。まあ、まだ今日は始まったばかりだけど。
今日の朝ご飯は、ご飯に目玉焼きとハムで朝食はいつものお母さんのメニュー。それとおじいちゃんとおばあちゃんとも一緒の食事です。
「いただきます」
ふと、家族は今日が最後と分かっていても普通の日常にしてくれているような雰囲気をしました。
「あっ、おじいちゃん」
「フンフーン」
「醤油かけ過ぎ~」
お皿にできた醤油の池、見るからにしょっぱそう。
「一花、おじいちゃんは何度いってもこうなのよ」
「美味い食い方をしてなにが悪い、いただきまーす」
お母さんは子供みたいと呆れてました。私は醤油を少量、たまに塩とかそのままとかで食べたりするけど今日は醤油にしようかな。
朝食が終わると、お母さんやお父さんのスマートフォンに知り合いからの連絡が。そのあと続くようにおじいちゃん、おばあちゃんにも。やっぱり国民のほとんどは今日が最後だからと思い残さないように連絡しているようでした。
「一花、ちょっと来て」
「ん? なにお母さん」
お母さんが私と話したい人がいるとスマートフォンを渡されました。
「もしもし」
「もしもし、飛娜です。一花お姉さんですか?」
「飛娜ちゃんっ、ひさしぶりですね」
一緒に山を登ったお母さんの同級生で照井史名さんの娘の飛娜ちゃんでした。
「うんっ、あのとき山をお姉ちゃんと登った以来だね」
「そうですね、元気でしたか?」
「うん、体力つけるために運動してるよ」
「そうですか、すごいですね~!」
「お姉ちゃんは、人に会ったりしてたの?」
「はいっ、していました」
「楽しかった?」
「はいっ、たくさんの人に会えて楽しくて面白かったです」
私も飛娜ちゃんに嬉しくて喋りだすと次からつぎへと思いついて言葉が止まりませんでした。
「ねえ一花お姉ちゃん、本当に地球が今日でなくなっちゃうのかな……」
「おそらく、そうだと思ってます」
「そうっか……」
「でも」
「でも?」
「もし地球が……もしですけど、無事だったらほんとうにまた一緒に山を登りましょう、ね!」
「うん、あたしもそうなるように願う!」
「フフッ、じゃあまたね、飛娜ちゃん」
「うん、またね、一花お姉ちゃん」
こうしてスマートフォンをお母さんに返しました。このあと飛娜ちゃんたち家族は様子を見ながら山で地球の最後をむかえるようです。山で地球の最後を家族でむかえるなんて素敵ですね。
このあともそれぞれ連絡は続いたので、仕方なく今日も昼食は外食にすることになりました。
「どこに行こうかな……あっ、地震!?」
グラグラと少し揺れましたが、幸い大きな地震ではなく震度2くらいな気がします。今日初めて地球の最後の影響かもと直感しました……。
「――お姉ちゃんいつくらいに閉める?」
「そうね、今日が最後かもしれないし午後3時前には閉めてメッセージの……」
「こんにちはー」
「いらっしゃいませ、って後光さんっ!」
「茉莉さん」
「後光さんっ、その人たちは家族?」
「うん、家族できました」
「メッセージもらったから後で会うと思ったのに、来てくれてありがとう!」
「フフッ、実はまだお昼食べてなくて、最後だからって私の好きなショートケーキを食べようってことになったのでこのメモワールに来ました」
「ありがとう後光ちゃん」
黄華さんの顔も嬉しそう。おじいちゃんおばあちゃんも一緒に来たということで椅子を追加で用意してくれて、私たちはケーキ屋メモワールで丸テーブルにショートケーキを家族で囲んでお昼にしました。
「うん、美味しいっ、やっぱりメモワールのショートケーキは、黄華さんのケーキは最高です!」
「そう言ってくれると嬉しいわ」
そのあとお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんまで黄華さんに『美味しい』の言葉が次々とおくられました。
「ありがとうございます……もしかしたら、あたし最後の料理だと思うのでそう言っていただいて真に光栄です、後光ちゃんの両親と祖父母さん」
なんていうか覚悟が決まったっていうのか、いつもの黄華さんの姿が一人のパティシエに見えて、本当に自分のケーキを食べてくれた人に感謝をする大人の黄華さんを見た気がしました。
「黄華さん」
「なに? 後光ちゃん」
「最初面接してくれたとき、地球が亡くなるのにずっと働いてられないって言ってたのに黄華さんは働いてますね」
「よっ、よく覚えてるわね~……まあ、やっぱりあたしはケーキが好きってことだったみたい。何やかんや言ってケーキを作ってる時が楽しいからね」
「フフッ、素敵なお姉さんですね茉莉さん」
「えっ、えっ……うん、お姉ちゃんは、やっぱりすごいよ」
「まっ、茉莉まで、あたしのことはいいから、食べてたべて」
これいじょう褒めると、黄華さんの顔が赤くなって沸騰しちゃいそうなのでケーキを食べることにしました……。
「――ごちそうさまでした」
「後光さん、あたしとお姉ちゃんと両親も後で行くから」
「えっ、そうですか、よかった!」
「あとで会いましょう」
「ええ……茉莉さんいろいろありがとうございました」
「もう後光さん、こちらこそ、あなたに会えてよかったって姉妹で思ってるよ」
黄華さんに向くと笑顔で頷いてくたので私も笑顔で返しました。茉莉さんに出会えたのも外に出てラーメン屋で1日働いたからでした。今では良い親友な感じがします。
「じゃあ地球があれば私たちも、4時頃には行きますから」
「待ってるから後光さん」
「はい」
昼食を終えて私たち家族は自分たちの自宅に帰りました。そこで少し休憩したら、鶏ノ湖にむかおう思います……。
朝、目が覚めました。ベッドから起き上がると朝日が差していたのでカーテンを覗くと変わらない天気のいい朝です。
着替えても今のところ崩壊のような感じはしません。まあ、まだ今日は始まったばかりだけど。
今日の朝ご飯は、ご飯に目玉焼きとハムで朝食はいつものお母さんのメニュー。それとおじいちゃんとおばあちゃんとも一緒の食事です。
「いただきます」
ふと、家族は今日が最後と分かっていても普通の日常にしてくれているような雰囲気をしました。
「あっ、おじいちゃん」
「フンフーン」
「醤油かけ過ぎ~」
お皿にできた醤油の池、見るからにしょっぱそう。
「一花、おじいちゃんは何度いってもこうなのよ」
「美味い食い方をしてなにが悪い、いただきまーす」
お母さんは子供みたいと呆れてました。私は醤油を少量、たまに塩とかそのままとかで食べたりするけど今日は醤油にしようかな。
朝食が終わると、お母さんやお父さんのスマートフォンに知り合いからの連絡が。そのあと続くようにおじいちゃん、おばあちゃんにも。やっぱり国民のほとんどは今日が最後だからと思い残さないように連絡しているようでした。
「一花、ちょっと来て」
「ん? なにお母さん」
お母さんが私と話したい人がいるとスマートフォンを渡されました。
「もしもし」
「もしもし、飛娜です。一花お姉さんですか?」
「飛娜ちゃんっ、ひさしぶりですね」
一緒に山を登ったお母さんの同級生で照井史名さんの娘の飛娜ちゃんでした。
「うんっ、あのとき山をお姉ちゃんと登った以来だね」
「そうですね、元気でしたか?」
「うん、体力つけるために運動してるよ」
「そうですか、すごいですね~!」
「お姉ちゃんは、人に会ったりしてたの?」
「はいっ、していました」
「楽しかった?」
「はいっ、たくさんの人に会えて楽しくて面白かったです」
私も飛娜ちゃんに嬉しくて喋りだすと次からつぎへと思いついて言葉が止まりませんでした。
「ねえ一花お姉ちゃん、本当に地球が今日でなくなっちゃうのかな……」
「おそらく、そうだと思ってます」
「そうっか……」
「でも」
「でも?」
「もし地球が……もしですけど、無事だったらほんとうにまた一緒に山を登りましょう、ね!」
「うん、あたしもそうなるように願う!」
「フフッ、じゃあまたね、飛娜ちゃん」
「うん、またね、一花お姉ちゃん」
こうしてスマートフォンをお母さんに返しました。このあと飛娜ちゃんたち家族は様子を見ながら山で地球の最後をむかえるようです。山で地球の最後を家族でむかえるなんて素敵ですね。
このあともそれぞれ連絡は続いたので、仕方なく今日も昼食は外食にすることになりました。
「どこに行こうかな……あっ、地震!?」
グラグラと少し揺れましたが、幸い大きな地震ではなく震度2くらいな気がします。今日初めて地球の最後の影響かもと直感しました……。
「――お姉ちゃんいつくらいに閉める?」
「そうね、今日が最後かもしれないし午後3時前には閉めてメッセージの……」
「こんにちはー」
「いらっしゃいませ、って後光さんっ!」
「茉莉さん」
「後光さんっ、その人たちは家族?」
「うん、家族できました」
「メッセージもらったから後で会うと思ったのに、来てくれてありがとう!」
「フフッ、実はまだお昼食べてなくて、最後だからって私の好きなショートケーキを食べようってことになったのでこのメモワールに来ました」
「ありがとう後光ちゃん」
黄華さんの顔も嬉しそう。おじいちゃんおばあちゃんも一緒に来たということで椅子を追加で用意してくれて、私たちはケーキ屋メモワールで丸テーブルにショートケーキを家族で囲んでお昼にしました。
「うん、美味しいっ、やっぱりメモワールのショートケーキは、黄華さんのケーキは最高です!」
「そう言ってくれると嬉しいわ」
そのあとお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんまで黄華さんに『美味しい』の言葉が次々とおくられました。
「ありがとうございます……もしかしたら、あたし最後の料理だと思うのでそう言っていただいて真に光栄です、後光ちゃんの両親と祖父母さん」
なんていうか覚悟が決まったっていうのか、いつもの黄華さんの姿が一人のパティシエに見えて、本当に自分のケーキを食べてくれた人に感謝をする大人の黄華さんを見た気がしました。
「黄華さん」
「なに? 後光ちゃん」
「最初面接してくれたとき、地球が亡くなるのにずっと働いてられないって言ってたのに黄華さんは働いてますね」
「よっ、よく覚えてるわね~……まあ、やっぱりあたしはケーキが好きってことだったみたい。何やかんや言ってケーキを作ってる時が楽しいからね」
「フフッ、素敵なお姉さんですね茉莉さん」
「えっ、えっ……うん、お姉ちゃんは、やっぱりすごいよ」
「まっ、茉莉まで、あたしのことはいいから、食べてたべて」
これいじょう褒めると、黄華さんの顔が赤くなって沸騰しちゃいそうなのでケーキを食べることにしました……。
「――ごちそうさまでした」
「後光さん、あたしとお姉ちゃんと両親も後で行くから」
「えっ、そうですか、よかった!」
「あとで会いましょう」
「ええ……茉莉さんいろいろありがとうございました」
「もう後光さん、こちらこそ、あなたに会えてよかったって姉妹で思ってるよ」
黄華さんに向くと笑顔で頷いてくたので私も笑顔で返しました。茉莉さんに出会えたのも外に出てラーメン屋で1日働いたからでした。今では良い親友な感じがします。
「じゃあ地球があれば私たちも、4時頃には行きますから」
「待ってるから後光さん」
「はい」
昼食を終えて私たち家族は自分たちの自宅に帰りました。そこで少し休憩したら、鶏ノ湖にむかおう思います……。
0
あなたにおすすめの小説
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる