夏にバナナから出てきたヤツは『2ヶ月間すませてください』と言うギャルの精霊バナナ·ガールだった。

ヒムネ

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初めてのハ大高校(後編)

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「――たっだいま~」

「あら、ナナちゃんおかえりなさい。末信すえのぶはどうだった?」

「ちゃんと学校ガッコ行ってましたよ」


 そ~う、とリビングで何かの本を見ている末信ママ。靴を脱ぎ並べた精霊バナナ·ガールのナナは気になり、


「何見てるのママっち」

「これはね、ワタシの若い頃のアルバムなのよウフフッ」


 恥ずかしそうに微笑む末信ママのアルバムを見せてもらうとそこには白いシャツとショートパンツ姿の若々しい末信ママと部活だろうか仲間たちの姿。


「へ~お母さん可愛い~いチョベリグって感じ~」

「キャッ、ナナちゃん、褒めても何も出ないわよウフフ」

「ラケット、テニス部か~」

「そうなの、こう見えても昔はサーブをバシンバシン打ったのよ、えいってね」


 卒業して今の末信パパつまり旦那さんと結婚してからテニスとは無縁になったと言う末信ママ。
昔話をしながらめくっていくと今度は、


「あ、この写真もしかして」

「そうよ、お父さんなの」


「えっ」ナナが引くのも無理はない。アルバムに載っている末信パパは今のタプンタプンお腹とは違う、たくましいラグビー部のカッコイイ姿。


「お父さんカックイイね~」

「でしょ~、この頃のお父さん、すんごくカッコよかったわ~、ハ~ッ」


 天井を見上げながら過去の記憶に目を光らせる末信ママであった。


「でもいまは・・・」

「さっ、お掃除を始めましょっナナちゃん」


「超OPPか~」意味は、超お腹ポンポン······。



 ――キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコォーン。


「というわけで中休みです、では」


 バタンッ、和林わばやし先生が扉を閉めるとガタガタガタンと各生徒がそれぞれの行動を起こしていく。


「ああ~、終わった~、頭から煙プシューだぜ~」


 椅子にもたれ天井を見上げ教室の扇風機で涼む末信、目を閉じ風を感じていると「いくぞーっ、エイホーッエイホーッエイホォーッ!」外から声が、2階の窓から覗くと、野球部の者たちの元気な声。


「こんな暑いのによくやるよ。頑張るね~」


 まるで別世界の人間のように遠く感じるほどの暖冷の差。


「そんなのより俺の夢は~・・・」


 机で本を読む桜子ようこに目を向けニタニタと鼻の下を伸ばしだす。


「デヘヘッ、観てるだけで目の保養だぜ~」


 だがすぐに覚める声が、


「あのね、バナナは~便秘とか冷え性とか改善にいいの」


 ふむふむと興味ある女子たちに指導しているよく知っているギャルだ。


「ビタミンBとかビタミンCも豊富だから~、みんなもキレイに」


「ナナァァッ!」


 声を上げ彼女の左腕を捕み廊下へ、


「「ナナさ~ん!」」


「今日はここまで、まーたね~」引きずられながら右手を振るナナだった。


「――どういうことだよっ、帰ったんじゃなかったのかっ!」

「1回帰ったよ? んでまた来たんじゃん」

「来なくてええわいっ!」

「ええ~ひどーい、そんな言い方しなくたって~チョベリバ~って感じ~」

「チョ、チョべ? 言い過ぎたけど、とにかくお前がウロチョロされるとオレは気が散って勉強に集中できないんだよっ」

「だらけてたクセに~」

「うっ、そ、それは~」


 そんな二人が扉の前で話し合っていると、


「あの、すみません、どいていただけないでしょうか」


「あ、あっ、あ、桜子、ちゃん」


「ん?」なんだこの反応の違いは、と先程のような攻める口調はどこえやらと言わんばかりの固まりよう。2人はそっと退いてあげると桜子は自分の席に座り図書館から借りてきたであろう本を再び読み始める。


「あぶねー、き、嫌われてはないだろうか」

「お~い」


「だ、大丈夫だよな」

「お~い末信く~ん」


「は、はいっ、てナナか・・・な、なんだよ」


 細目でニヤけるナナは「末信君もしかしてあの子のこと~、好きなんじゃな~い?」



 ドッキーンッ、



 ま、まずい、ナナコイツにバレてしまっては何かすんごーく面倒くさい事になりそうな予感、何としても誤魔化さねばと直感するがそんな思惑の末信をみていてナナはバレバレじゃんと呆れていた。


「ベっ、ベベっ、別にそうことはないというか」

「ふーん、あそっ、じゃあーっ」

「あ、てめっ」


 すぐ近くの大切な末信の女神こと桜子に黒魔女ナナが魔の手を伸ばし接近してしまう。


「――チョモロハ~、え~っと桜子さん」

「え、あ、はい、こんにちは・・・あなたは~、すいませんどなたでしたっけ?」

「アハッ、あたしはナナ、あなたとは初めて」

「そうでしたか、よかった~。それで何でしょうか?」

「それなに読んでるのかな~って思って」

「これ、ですか? これは海の生物が載っている本です」


「へ~」と言いつつ机の正面だったのが少しづつ彼女の横に近づいていく。
 そんな二人を黙って見ていた末信は「あんのヤロ~ッ、う、羨ましいことを~、くう~」扉の手前で隠れてハンカチを噛み締め見ていることしか出来なかった······。


「あ~あ、楽しかった」屋上に来た2人、背伸びしているナナを睨みつける末信に、


「な~に、ま~だ怒ってるの?」

「ったりめーだ、あ、あんなに桜子ちゃんに、ち、近づいて」


「ナハハハッ」笑われて顔を赤める彼をよそに1回転すると制服から魔女のような姿になって紙を渡す。


「な、なんだよこれ?」

「桜子ちゃんの好きな事とか好きな物。さっき色々と話して聞いたやつ」

「え、えっ、マジかっ、ありがとう」

「へヘーンどうよあたしのコミュニケーション能力は」


 末信はツッコミどころか夢中になって見ていた。


「もう~、まあいいか、んじゃあたし帰るね」

「ん、ああ、ここ屋上だぞ? どうやって~」


 すると右手の指を、


 パチンッ☆


 鳴らすと魔女のほうき、見たことある木に「バナナの木か」と自然と口にでるとナナは
「正しくは草よ、ほいっと」そう言いこれまた魔女のようにバナナ草に乗り、


「じゃあママっちと待ってるね~」と颯爽と帰っていった。


「木じゃなくて草なんだ······」
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