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あなたになりたい(前編)
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ミーンミーンミーンみが4つと言わんばかりに今日も学校で蝉が鳴く。
「う~む攻略その1、桜子さんは最近魚にハマっている」
精霊バナナ·ガールことナナに貰った『対桜子ちゃん用攻略紙』をあれから3日間ずっと熟読し対策を練っていた末信だった。
「そのため図書館では古いお魚図鑑を常に読んでいる、中でも太刀に似てるから太刀魚が本人には面白かったという。熱弁する桜子ちゃんはカワイイね・・・当たり前だろ」
と、このようにあんなにナナのことを危険視していたにも関わらず放置するほど桜子に夢中であった······。
一方で、
「フンフンフーン」
ナナは鼻歌を歌いながら今日はバナナを語るか、ギャルを語るかと中休みに廊下を歩いていた。とそこに彼女を待っていた女の子が、
「あ、あのっ、ナナ、さん」
「ありゃ、桜子ちゃん」
前回はなしをした桜子はあれから3日の間にナナが積極的に話しかけた結果、心を許してきていた。
「その・・・」頬を赤らめてもじもじしているが、ナナは広角を上げニコッと「どうしたの」安心させるような声にようやく、
「あの・・・ナナさんと話したくて」
なんだそういうことかと、
「いいよ、一緒にお話ししよ」
「は、はい!」
2人は教室に入り適当な椅子に座ったナナと机で話すことにした。
「さあ、なに話そうか?」
「え、え、えっとー・・・」
緊張しているのかそれとも話すのが苦手なのかなかなか言葉が出てこない桜子。
「どどど、どうしてっ、バナナなんですか?」
「へ?」
「お話してくれたときから、ずっと気になっていたんです。ナナさんってバナナのイヤリングとか、バナナのヘアアクセサリーにバナナのネイル、バナナのTシャツとか」
これでもかというほどの全身でのバナナアピール。
「たしかに、あたしのこのフアッションはウザいかもしれない・・・」
「そ、そういうことは」
「でもね、桜子ちゃん」
なぜか立ち上がり窓の外を眺めに連れていき、
「たとえ『バナナ強調しすぎでウザい』と言われようと『どうしてバナナ? 草』と書かれようと、自分の好きな物を、好きと貫くのがギャル道なのよ!」
桜子は太陽を見上げるギャル・ナナの姿に熱いものを感じる。
空を見上げた肝心のナナは振り向き、
「思ったより暑かったわ、机に戻りましょう」
本当に暑かっただけだった······。
「ナナさんって、なんていうか~、大人なんですね」
「そう? あたしは桜子ちゃんのほうが大人に見えるな~」
「そんなこと、ありません。私は人苦手だし、上手くコミュニケーションとれないし・・・だから友だちも・・・」
「んなこのナイナイ、あたしとコミュニケーションとってんじゃん?」
「それはナナさんが、なんていうかお姉さんみたいな感じがして、フレンドリーで、やさしいから・・・うらやましい」
話しているうちにみるみると桜子は下をむき出しまるで自分を咎めるような顔に。
「あたしだって、桜子ちゃんはいいな~って思うことあるよ」
「え、わたし?」
驚く桜子、笑顔のナナは椅子に寄りかかって天井を見ながら話し始めた。
「だってさ~、おっとりして、静かに本を読んでて、勉強も出来て、文句の付け所もないわ」
「そんなっ、そんなこと、言われたことない。わたしは自分が、好きじゃないから」
「少しは自分を褒めてあげれば?」
思わず桜子はナナの目を見た。
「それって、どういうことですか?」
「桜子ちゃんは自分の出来ない事があるたびに自分を嫌いになってるのよ」
人間はもともと不完全、出来る事できないことは生まれたときからほとんど決まってる。もちろん出来るようになる事は成長過程の中であるが、大半は出来ないまま終わるとナナ言う。
「じゃあどうすれば自分を、許せるようになるの?」
「人に頼ればいいわ」
どういうことと頭をかしげる。
「出来ないことは1人で悩まずちゃんと知り合いや先生に相談、んでっ教えてもらったあとは感謝、これだけよ」
「人に、頼る・・・」
「うんっ、出来ない自分を咎めることに時間を費やすんじゃなくて、頼った人にひたすら感謝したほうが両方のためになるとあたしは思う」
ナナの言葉が頭を巡った桜子だった。これまで、ここまで自分の気持ちを打ち明けたのは父親以外いなく徐々に別の気持ちが芽生え、
「いいな~、わたしナナさんみたいになりたい」
「ほーう」
両眉が動きながら目が輝いた。
「あたしみたいになりたいのね桜子ちゃん、よっしゃまかせなさーい――」
「あ~あ~、最新の魚図鑑でも3000円以上するのか~・・・金ねえし、トホホッ」
トイレの帰り、あれからスマホで調べるもチョビチョビ小遣い制の末信にはどうしようもなかった現実に直面していた。
「もうすぐ夏休みだし、バイトでもすっかな~、ん?」
教室を出たナナとすれ違い、
「また来てたのか~」
「まあねん、もうそろそろ授業の時間よ」
「んあ、ああそうだな」
「頑張りなさい、高校生君」
わかってると言ったあとどうしたのかルンルンと帰るナナに一体なんなんだと気になる末信だった······。
そして土曜日。
「う~む攻略その1、桜子さんは最近魚にハマっている」
精霊バナナ·ガールことナナに貰った『対桜子ちゃん用攻略紙』をあれから3日間ずっと熟読し対策を練っていた末信だった。
「そのため図書館では古いお魚図鑑を常に読んでいる、中でも太刀に似てるから太刀魚が本人には面白かったという。熱弁する桜子ちゃんはカワイイね・・・当たり前だろ」
と、このようにあんなにナナのことを危険視していたにも関わらず放置するほど桜子に夢中であった······。
一方で、
「フンフンフーン」
ナナは鼻歌を歌いながら今日はバナナを語るか、ギャルを語るかと中休みに廊下を歩いていた。とそこに彼女を待っていた女の子が、
「あ、あのっ、ナナ、さん」
「ありゃ、桜子ちゃん」
前回はなしをした桜子はあれから3日の間にナナが積極的に話しかけた結果、心を許してきていた。
「その・・・」頬を赤らめてもじもじしているが、ナナは広角を上げニコッと「どうしたの」安心させるような声にようやく、
「あの・・・ナナさんと話したくて」
なんだそういうことかと、
「いいよ、一緒にお話ししよ」
「は、はい!」
2人は教室に入り適当な椅子に座ったナナと机で話すことにした。
「さあ、なに話そうか?」
「え、え、えっとー・・・」
緊張しているのかそれとも話すのが苦手なのかなかなか言葉が出てこない桜子。
「どどど、どうしてっ、バナナなんですか?」
「へ?」
「お話してくれたときから、ずっと気になっていたんです。ナナさんってバナナのイヤリングとか、バナナのヘアアクセサリーにバナナのネイル、バナナのTシャツとか」
これでもかというほどの全身でのバナナアピール。
「たしかに、あたしのこのフアッションはウザいかもしれない・・・」
「そ、そういうことは」
「でもね、桜子ちゃん」
なぜか立ち上がり窓の外を眺めに連れていき、
「たとえ『バナナ強調しすぎでウザい』と言われようと『どうしてバナナ? 草』と書かれようと、自分の好きな物を、好きと貫くのがギャル道なのよ!」
桜子は太陽を見上げるギャル・ナナの姿に熱いものを感じる。
空を見上げた肝心のナナは振り向き、
「思ったより暑かったわ、机に戻りましょう」
本当に暑かっただけだった······。
「ナナさんって、なんていうか~、大人なんですね」
「そう? あたしは桜子ちゃんのほうが大人に見えるな~」
「そんなこと、ありません。私は人苦手だし、上手くコミュニケーションとれないし・・・だから友だちも・・・」
「んなこのナイナイ、あたしとコミュニケーションとってんじゃん?」
「それはナナさんが、なんていうかお姉さんみたいな感じがして、フレンドリーで、やさしいから・・・うらやましい」
話しているうちにみるみると桜子は下をむき出しまるで自分を咎めるような顔に。
「あたしだって、桜子ちゃんはいいな~って思うことあるよ」
「え、わたし?」
驚く桜子、笑顔のナナは椅子に寄りかかって天井を見ながら話し始めた。
「だってさ~、おっとりして、静かに本を読んでて、勉強も出来て、文句の付け所もないわ」
「そんなっ、そんなこと、言われたことない。わたしは自分が、好きじゃないから」
「少しは自分を褒めてあげれば?」
思わず桜子はナナの目を見た。
「それって、どういうことですか?」
「桜子ちゃんは自分の出来ない事があるたびに自分を嫌いになってるのよ」
人間はもともと不完全、出来る事できないことは生まれたときからほとんど決まってる。もちろん出来るようになる事は成長過程の中であるが、大半は出来ないまま終わるとナナ言う。
「じゃあどうすれば自分を、許せるようになるの?」
「人に頼ればいいわ」
どういうことと頭をかしげる。
「出来ないことは1人で悩まずちゃんと知り合いや先生に相談、んでっ教えてもらったあとは感謝、これだけよ」
「人に、頼る・・・」
「うんっ、出来ない自分を咎めることに時間を費やすんじゃなくて、頼った人にひたすら感謝したほうが両方のためになるとあたしは思う」
ナナの言葉が頭を巡った桜子だった。これまで、ここまで自分の気持ちを打ち明けたのは父親以外いなく徐々に別の気持ちが芽生え、
「いいな~、わたしナナさんみたいになりたい」
「ほーう」
両眉が動きながら目が輝いた。
「あたしみたいになりたいのね桜子ちゃん、よっしゃまかせなさーい――」
「あ~あ~、最新の魚図鑑でも3000円以上するのか~・・・金ねえし、トホホッ」
トイレの帰り、あれからスマホで調べるもチョビチョビ小遣い制の末信にはどうしようもなかった現実に直面していた。
「もうすぐ夏休みだし、バイトでもすっかな~、ん?」
教室を出たナナとすれ違い、
「また来てたのか~」
「まあねん、もうそろそろ授業の時間よ」
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そして土曜日。
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