夏にバナナから出てきたヤツは『2ヶ月間すませてください』と言うギャルの精霊バナナ·ガールだった。

ヒムネ

文字の大きさ
46 / 50

精霊ナナのお別れ会

しおりを挟む
「――ふぁ~あ~ん・・・あ、ご飯ごは~ん」


 千夏の部屋で目が覚めた精霊バナナ·ガールのナナ、眠たそうにしつつもいつものように末信すえのぶママのお手伝いをするのだが、


「え、8時っ、ヤバッ、寝坊しちゃったしっ」


 うっかりと起きそこねてしまう。森田家にお世話になってから6時半、7時には起床して家事のお手伝いをしていたというのに。


 パチンッと指を鳴らして魔法によりパジャマ姿から私服に、ノーメイク顔から化粧を施し急いで一階のリビングに駆け込んだ。


「ごっめーんっ、寝坊・・・」


「「ナナちゃんおはよう~!」」


「あっ、あ、お、おはよう」


 妙にテンションが高いみんな、


「はいっ、ナナお姉ちゃん椅子っ」

「あ、ありがとね、ははっ・・・」


 それは、


「は~いナナちゃん、ご飯よ~」

「う、うん」


 今日8月の28日は、


「んじゃ、いただき・・・」

「ちょっと待って、ナナちゃんに『いただきます』の挨拶をお願いするわん」


「あ~、はい、いただきます~」


「「いただきまーすっ!」」


 なのだ。


 正直やりづらい、いや、祝ってあげようという気持は嬉しい。でもこう~、妙に構えられるとなんか変な感じがするナナ、気分転換にテレビを付けようとすれば、


「あ、パパがやるよ~」


 末信パパが代わりに付けてくれし、


「なにか飲もうかな~」

「はーい、ナナお姉ちゃんなに飲みたい~?」

「う、う~ん・・・じゃバナナ·ジュース」


 千夏が冷蔵からジュースを出してコップに注いでくれたりと、みんな何かしら自分の代わりに動いてくれる。自分で出来るのだがみんなの熱意に言い出せず。
 だが一人だけ肝心の末信だけは、


「あ、いいよママっち自分の皿は自分で洗うから」

「だいじょうぶよん」

「ナナ、今日は特別な日なんだから母さんにやってもらえよ」

「う、う~ん」


 ボソッと、


「ニシシシシッ、ナナのヤツ


 と楽しんでいた。


 何時もいつもイツモ・・・思い返せばきりがないくらいナナには懲らしめられてきたのだから少しくらいは困らせても。


 こっちは良いことをして向こうが勝手に困ってくれるのならばこんなチャンスはない、と楽しんでいた······。



 朝起きてから1時間、2時間とナナはトイレ以外はずっと座りっぱなし。もちろん千夏が肩をもんでくれたり、末信ママと『お母さん雑誌』を一緒に読んだりしてはいるがやっぱり動きたい。


「も、もうありがとう、だいじょうぶ、十分やってもらったわ」


 すると、


「いえいえ遠慮なさらずナナ様、肩をもみましょう」

「ええ、いいよもう末信、それとはヤメイ」

「いえいえ、お疲れのようなので」


 仕方なく肩を揉んでもらうも5回目くらいか、それもほとんどは何故か末信がしてくれている。


「千夏~、自分のお部屋のお掃除しなさ~い」

「はーい」

「あ、あたしも手伝うよ」

「いえいえ、ナナ様はそこに座っていてください」

「そうだよ、今日はナナお姉ちゃんの日なんだから」

「そ、そう・・・はぁ~」


「ププッ」

「ん?」


 いま一瞬笑い声と振り向くと真顔の末信、気のせいか。


「ププッ」

「んっ」


 やっぱりと振り向くもやはり気のせい。このあと4、5回繰り返し6回目に、


「ププッ・・・あっはっはっはっはー」

「あー、やっぱ笑ってた~!」


 我慢できずに大笑いの末信。


「だって、周りに気遣いされて疲れてるしー」

「え、そうなのナナちゃん?」


 聞こえていた末信ママとパパに悪いとは思いつつもナナは作り笑顔をしながら困った顔をするのだった······。


 トンッ、トンッ、トンッ、と軽快に階段を下っていく千夏は掃除を終わらせてナナの元へと戻って何をやろうかと考えていたら、


 キュッ、キュッ、


「ナナお姉ちゃん何してるのよ」

「んあ、窓拭きよまどふき」


 綺麗きれ~いに窓を新聞紙で拭いていたのだ。


「新聞紙で窓のゴミとれるのよね~」

「ゴミとれるじゃないよ~、お母さ~ん」

「ごめんね千夏~、ナナちゃんジッとしてるの限界だったみた~い」


 末信も口笛を吹いて知らんふり、も~っと牛のような声を出しては頭を抱える千夏。悩んでいる千夏にナナは気をかけて、


「ありがとう、でもやっぱジッとしてるのは~・・・別のことしない?」


 他のことを促す。う~んと一旦悩んだ千夏だがすぐ頭を上げる。


「まあいいや、だし」

「ん、あーそうか、そうだったわ」


 ピンポーン、


「「きたっ」」


 ナナと千夏、その後ろに末信とが玄関に向かい開けると、


「ナナさん、千夏ちゃん、末信君、今日はよろしくね」


 お昼ごはん前に桜子ようこがやってきたのだ。それは最後のナナのお別れ会のためにどうしても参加したかったのだ。


「じゃあ、お邪魔し・・・新聞? ナナさん何してたの?」

「あ、あーこれね、窓拭き······」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...