夏にバナナから出てきたヤツは『2ヶ月間すませてください』と言うギャルの精霊バナナ·ガールだった。

ヒムネ

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調子のりナナ

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 ――時間は12時を過ぎ、どこのお家も大体は昼食である。森田家でもご飯を食べようとなったが、今日は特別な日であるため、


「はいナナさん、冷やし中華です」

「おーっ、美味そう」


 桜子ようこと千夏の提案で二人が冷やし中華を協力して作ったのだ。


「って、これ・・・あたしの顔?」

「そう、あたしと桜子お姉ちゃんでデコレーション考えたんだ~」

「ありがとう~二人とも~、写メとろ」


 髪の毛は麺に眼はミニトマト、嬉しくてパシャパシャとスマホで写真をいろんな角度で撮っていく。


「うま、うま、うま」


 桜子に想いのある末信は手作りとしって精霊バナナ·ガールのナナのこともかまわず麺をツルツルツルーッと食べ進めていた。



「お兄ちゃん、ナナお姉ちゃんの日なのに・・・なんかサイテー」

「ガブッ・・・ゴホッゴホッ」


 不味い、ではなくまずい、調子に乗ってしまったとそ~っと桜子を見ると眉尻を下げガッカリしているような感じが伝わってくるので即座に箸を止めるも、遅かった······。



「「――ごちそうさま」」


 みんなで冷やし中華を食べ終えると末信パパママからは絶賛で安堵の桜子と千夏、でも1番言葉がほしいのはナナの言葉。


「美味かったぜ、ありがとな2人とも」


「えへへっ」

「桜子お姉ちゃん、イエ~イッ」

「ふふっ、イエ~イッ」


 パチンッとハイタッチ、嬉しい2人はナナの胃袋を掴んだよう。テンションが上がり盛り上げようと千夏は両の手を頭の後ろに付けて呑気な末信に問いかけた。


「次はお兄ちゃんの番ね、ナナお姉ちゃんに何してあげるの」

「へ?」

「『へ?』っじゃないよ、なんにもないの?」

「え、あ・・・なにも、ねえよ!」


「「えー~っ」」


 2人だけじゃなく末信ママにもだ顰蹙ひんしゅく


「お兄ちゃん、ナナお姉ちゃんあと3日しか一緒にいないのに~」

「末信君・・・いくらなんでも」


「げっ、え、ああ、あ、あと3日あるし、そのときに・・・と思って、ははっ」


「パパ、末信があんな冷たい子なんてママショック」


 我慢ならず末信ママはパパに抱きつく。コホンッと今回主役のは細目でやっぱりなというような呆れたような顔をしていた。


「ナ、ナナ?」

「べつに、超期待してたわけじゃあないけどさー・・・こういうときに行動しないと末信あんた彼女もできねえぞ」

「うっ」


「あのな、プレゼントってただあげれば良いんじゃなくて、相手が何が欲しいか、この1年でサラッと言ってた欲しい物は何だったのかで決めるもんよ」


「ナナさん素敵です!」

「はぁーっ、安いものでもいいからさ、自分の両親とか妹にプレゼントあげて『プレゼント·スキル』でも上げることね、へっ」


 ガクリと完全に周りの敵になってしまった末信、プレゼントなんて恥ずかしくてほとんど手を出したこともなく地面に顔を向ける。


 暗い雰囲気になるもそこは大人、いやギャルのナナは空気を変えようとみんなを二階の千夏の部屋から出たベランダに誘い出す。


「冷徹男で変な感じになったけど、そんなこといつまでウジウジしてても何も変わらないからさ」


 ボワンッとバナナ草を左手に出すと、



バナナ草これで空、飛ぼうよっ!」



 ――ヒュンッ、近くで飛んでいた鳥たちも目を飛び出す勢いの四人の姿がそこにはあった。


「やっほぉぉぉーっと」

「ナ、ナナやめろよ聞こえるだろ」

「大丈夫よ姿は見えないようにしてるし、空耳とか思うでしょ、やっほ~」


 どうして『やっほー』なのか、まあどうでもいいかと末信も空飛ぶバナナ草を慎重に乗る。なにせバランスを崩すと、


「キャーッ」

「大丈夫だよ桜子お姉ちゃん、ほいっと」

「あ、危ないわよ、千夏、ちゃん、キャッ」


 誤ってぐるりと回転してしまったりして落ちそうで恐い一方で、千夏はほんとうに楽しそうにまるでホントの魔女のように乗りこなす。


「あははっ、ナナお姉ちゃん楽しいねこれ」


「だろう? センスあるぜ、千夏ちゃん・・・どうした桜子ちゃん空なんか見たりして」


「あ・・・うん、なんか青空って大きいなって」


「いつもみてるっしょ」


「そうなんだけど・・・すんっごく大きくみえて、なんか偉大」


 それは何というか亡くなっているお母さんに抱きしめられる感じがして、ちょっと涙を拭う桜子だった。


「末信~、あたしとバナナ草これでスピード勝負するか~?」

「あん? いいぜやってやる!」

「やめた方がいいですよ」


 ワクワクしてきたのか桜子の言葉もお構いなしに二人は高度を下げ市街地を飛び回り始める。


 高層ビルを高速で右に左に曲がるまがる、慣れてきた末信もナナに負けじと付いて行く。


「ほーりやー」


 高速ビルを渦巻きを描くように上昇、


「あかんべー」


 透明で見えないため窓の人たちに舌を出したり、


 パチンッ☆


 地上の人にバナナを降らしたり、


「急降下~」


 さらに8件のビルをジグザグしたり等やりたい放題のナナや末信を心配する2人。


「2人とも調子に乗り過ぎだし~」

「もう、ナナさんまで・・・あぶないですよっ」


「大丈夫だいじょうぶ~、ホラッ、二人も一緒に遊ぼうぜ・・・ホゲェェェー!」


 よそ見をして信号の横棒に腹を激突、内臓が飛び出るほどの衝撃。


「バーカ、何やってんだナナ・・・」


 ドンッ、


 末信もやはりよそ見をしたため高速ビルの壁に激突。


「・・・ほら、ね」

「はぁ~だから言ったのに」


「あっ、ナナお姉ちゃんが落ちたら車に引かれちゃうよっ!」


「早く助けなきゃ・・・あら」


 大変と思ったがバナナ草が自動でナナの片足を先端でぐるぐると掴んでプカプカと連れてきてくれた。


「あはっ、よかった末信君も助けてくれたわ」

「・・・なんか吊るされて干物みたい」


 言葉も出ない桜子だった。


「グヘヘ・・・お、おれの勝ち、だ・・・ガクッ」

「い、いーや・・・あ、あたしの勝ち・・・だ・・・ガクッ」


 このあと二人は目を覚まし、森田家に戻ってトランプやナナのお化粧教室などで楽しい時間はあっという間に過ぎていった。


「じゃ~ね~、桜子ちゃんまた明日~」

「さようなら~、また明日」


 ――そして残りの日をナナのお別れ会延長で思うままに遊び、話し合い、心を通わせる日は続いていく······。
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