夏にバナナから出てきたヤツは『2ヶ月間すませてください』と言うギャルの精霊バナナ·ガールだった。

ヒムネ

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1年後・・・

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 ――キーンコーンカーンコーンとハ大高校の終わりのチャイムがなり校舎を出ていく、ダルい授業にアクビをするともう少しで夏休み、か。



「じゃあな末信すえのぶ

「ああ、じゃあな」



 去年ナナが帰ってからテンションを戻すのに2週間くらい掛かったっけな~オレ、もっと色々話しときゃよかったとか考えちまった。
なのに千夏と桜子ようこちゃんはあんなに泣いてたのがまるで嘘みてえに学校行って吹っ切れたかのような感じで、ホント女子は切り替えが早いったりゃありゃしない。



「ただいま」

「お兄ちゃんお帰り、早く準備してよね」



 中学生になった千夏、前はツインテールだったけど髪をロン毛にしてイメチェン、制服も着て少しは大人に見えるけど・・・まだまだまだ子どもだ。



「何ボーッとしてるの、今日はでしょ、しっかりしてよ」

「あ~、はいはい、わるかったよ」



 今日は7月の1日、去年ナナが家に来た日でその日を忘れないための誕生日としてみんなでバナナを食べることにしたんだけどさ。


 ピンポーンッ、


「はいは~い」

「お邪魔します」

「お、おう桜子ちゃん、へへ」



 インターホンがなってドアを開ければそこには桜子ちゃん、ナナの誕生日に参加するんだけど元々は千夏と二人で提案したことなんだ。



「はい、バナナ持ってきたわ」

「そ、そうなんだ、あがってあがって」

「ねぇねぇ桜子お姉ちゃん、今度の休み一緒にお買い物しない? 化粧品とかさ、オススメがあるの」

「うん、いいわよ」



 あれから2人は仲良くなっちまってよく休みの日には千夏の友だちの向日葵ひまわりちゃんと一緒に3人では遊んでることが多いらしい、話の掛け合いもなんかいつの間にか自然体みたいな感じで・・・羨ましいぜ、ったく。



「どうしたの末信君?」

「あ、いや、なんでもない」



 そんな俺はというと・・・はぁ~、あれから桜子ちゃんにコクってもいない。ナナとの別れもあってそんな雰囲気じゃなかったしやっぱ恐いのもある、万が一フラレでもしたら・・・いやいや、まぁ、桜子ちゃんに一発告ればいつでもオレと、



「な~に、ブツクサ言ってんの、早く座ってよね」

「なんでもねえよ」



 付き合ってくれるはず······。



「――ではこれより、ナナさんの誕生日を始めます」

「わくわく、わくわく」

「母さんやめろよ、ワクワクとか恥ずかしいからさー」



 母さんは楽しそうにしているが、誕生日と言っても本当にただデパートで買ったバナナ1本を食べるだけ。



「だって~、もしかしたらナナちゃんが出てきたりしてん」

「はあ? 無理むり、何億万本とか言ってたしそんな都合の良いこと起きるわけない・・・」



 シーンッ、



「ん?」



 シーンッ、



 うっかり言っちまったことで千夏や桜子ちゃんまで沈んじまった。



「いやいや待てまてっ、も、もしかしたら、もしかするかもしれないなー」


「・・・末信君に言われなくたって、私も家で食べれるときにバナナ食べたわ。けど全然ナナさんが出てくる気配もないし、わかってる」


「え・・・」


「あたしだって、太らないように朝バナナたまに食べてたけど無理だった」



 とんでもなーく悪い雰囲気、開けてある窓からくる生暖かい風でも俺はブルッとするほど。やべー早く空気を変えないと、



「ほ、ほらよ、早くバナナ開いて見ようぜ、ナ、ナナが現れるかもしれないし」


「・・・そう、だね、お兄ちゃん」

「うん、希望は捨てちゃダメ」

「ママも頑張るわん」



 とはいえ、オレも実は気持ちのどこかでアイツを期待している自分がいる、確率がスゲー低くても。



 さてと・・・、



 あれ・・・、



 開け俺、開かんかい。バナナを見つめてると何ていうか・・・ハズレるビジョンが頭に浮かじまう。
 グズッてる俺をよそに千夏は剥き出しさらに桜子ちゃんや母さんまで開くときれ~な白いバナナ。



「ハズレちゃった、桜子お姉ちゃんは?」

「はぁ~っ、あたしもハズレ」



 ガッカリ顔をしている2人、母さんは食べてるけど。ここで俺がナナを当てれば信頼は不動なもの。



 よしっ、と勢いで、



 ビリッ、



 バナナを向いた。



「どうだ!」



 そこに現れたのはきれ~なバナナだった。



「はぁ~・・・やっぱりな」


 わかっていたはずだけど、皆んなテンションはガタ落ち。こんな沈んだ気持ちになるならナナの日はやらないほうがよかったかもと思っちまうよ、ナナ。



 外は晴れ、でも家は雨のようなテンションのなか桜子ちゃんは空気を変えようとしてるれたのかバッグから、


「千夏ちゃん末信君はこれ、もってる?」


 それはバナナの形をしたアクセサリーだった。


「異世界VRクリアでナナお姉ちゃんがくれたやつ、あたしも持ってるよ・・・御守りだもん」

「よかった・・・あたしもね、これ持ってるとナナさんが見守ってくれてる気がするの」


「うん、ナナお姉ちゃんが・・・」

「ナナさんが・・・」



 いや、どう見てもテンションダウンで逆効果だろうとツッコミそうになっちまう。



「お兄ちゃんは、ちゃんと持ってる?」

「あ、オレは~・・・つ、机に入れてある」


「お兄ちゃんも持ってきてよ」

「う、うん、わかった持ってくるわ」



 階段を上る、が意味がない。



 実はアクセサリーは



 オレもなんとなく持っていたかった、こうすればポッカリ空いた心の穴が少しは埋まる気がして。
 こんなことを言えば茶化されるに決まってるからムダに2階の部屋のドアを開け締めしてすぐ戻る。



「あ、あったぜ」

「お兄ちゃん早っ、ホントにちゃんとしまってたんだー」

「そ、そうだよ」


 テーブルに置かれた3つアクセサリー、並べてみるとなんの変哲もないバナナの形をしたアクセサリーでもあのときの楽しかった事を鮮明に想い出す。



「バナナの精霊、か」



「ナナさん」



「ナナお姉ちゃん・・・ん?」



 オレたちは驚く、それは突然と3つのアクセサリーが光りだしたから。



「なになに、なに?」



「母さんっ、落ち着いてっ!」



 ボワンッ、



 みたことある白煙が部屋いっぱいに・・・もしかしてとオレは、オレたちは想った、確信した!



 パンパカパーンのメロディ、



 パンッパンッとクラッカー、



 チリンチリーンと鐘の音、去年にもそれは起きたこと、



 少しづつ見えてきたシルエットには、みたことあるバナナの帽子に、



 またみたことあるバナナアピールのローブ、



 そして焼けたような茶色い肌。



「・・・ふ~、ただーいま、ナナさんよ♡」



「ナナさんっ!」



「ナナおねぇちゃぁーん、えぇーんっ!」



「え、え、ナナちゃんっ!」



 みんなが知っている·だ。



「・・・おかえり、ナナ」



「すぅ~・・・


    たっだいまぁぁぁーあぁぁぁっ!」



「「キャッ」」


「のあっ・・・バッ、バカヤロー、耳の鼓膜が破れるだろうがっ!」



「へへっ、チョモロハ、みんなありがとう、みんなの気持ちが伝わって帰ってくることができました~パチパチパチ~ッそんなわけで8月31日まで・・・いーんや、今度はず~~~っとすませてく・だ・さ・い・な♡」



 やれやれ、またあの騒がしい日々が帰ってきぜ、へへっ。



        お・わ・り
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