22 / 82
第二章 南の国へ
第二十話 湯けむりの中で
しおりを挟む
レイア達の宿泊している宿には、大浴場があった。
大きなお風呂の存在が明らかになった時、二人の少女達は歓喜の声をあげた。
アーサーの家を出てからかれこれ一週間になる。
野宿もあった分、二人共そろそろお風呂に入りたくてうずうずしていたのだ。
まだ酒を飲んでいるアーサーとアリオンをお店に置いて、一足先に宿に帰ってきた女子二人はお風呂に入ることにした。
白い湯気で覆われた浴室内は、想像以上に広そうだ。
石でできたタイルの上を裸足で歩いて行くと、
大きな岩で縁取られた浴槽が現れた。
鯉の形をした湯口からはどばどばと、透明なお湯が浴槽へと注がれている。
「わぁ岩風呂だ。凄いな! おっきい!! そして誰もいない!!」
「時間帯的にもまだ人が少ない頃合いだもんね。レイア、早く入りましょ」
衣服と下着を脱いで脱衣用のかごに入れた後、セレナは部屋の鍵を己の右手首にくくりつけた。
手ぬぐいを片手に二人は大急ぎで髪と身体を洗ったあと、髪を頭上に巻き上げた状態で大きな湯船に身を沈める。
湯の温度は熱過ぎずぬる過ぎず、丁度良い湯加減だ。
レイアは湯船の中で「ん~っ!」と手足を伸ばし、思いっきり背中を伸ばした。つい「ふあぁ」と大きなあくびが出る。
「やだぁレイアったら大きいお口!」
「ごめんごめん。ついねぇ……」
妙に面白くなってきて、二人できゃはは!と笑い出した。二人以外誰もいない浴室に甲高い声が響き渡る。
「温度も丁度いい! 気持ちい~い!!」
「私はこういう大きなお風呂に入るの久し振りだけど、たまには良いわね」
「せっかくだからしっかり温まろう~」
「レイア、人がいないからって泳いじゃ駄目よ」
「やだなあ。アーサーみたいなこと言わないでよ。何か興醒めしちゃうじゃん」
まだ真冬の季節ではないが、程よい温もりは二人の旅の疲れをゆっくりと連れ去っていってくれる。
(浴槽がこれだけ広ければ、アリオンも人魚の姿に戻ってゆっくり出来るだろうな……)
と、レイアは人魚姿のアリオンをぼんやり思い浮かべた。
しかし彼は現在、人前で人魚の姿をあまり大っぴらには見せられないことを思い出し、頭をぷるぷると左右に振った。
顔が妙に赤いのは、のぼせているわけではない筈だ。
(馬鹿馬鹿馬鹿! 何能天気な想像をしているんだ私は……!! )
アリオンは目下指名手配中なのだ。
今のところ追っ手の影や気配は感じないが、きっと心休まる間もないだろう。
アーサーの家にいた時とは異なり、周囲の目がある。
いつ狙われてもおかしくない状態だ。
彼を絶対に一人にしてはいけない。
(まあ、アーサーが一緒だから、心配ないのだが……)
きっと、入浴時ぐらい本来の姿でのんびりしたいだろうにと思うと、王子を少し可哀想に思った。
まあ、幸いこの宿は部屋にも浴室がある。
身体を清めること自体に問題はなかろう。
「ところであの二人、お酒を酌み交わしてたけど、まだ飲んでるのかなぁ?」
「どうかしらね。……レイア、ひょっとして気になる?」
セレナはくすくす笑う。
その目は「妬いてるんじゃないの?」と言いたげで、どこかいじわるだ。
レイアは慌てて二つの膨らみの前で両手を左右に振り、否定のジェスチャーをした。バシャバシャと湯に小さな荒波が生まれる。
「き……気になるほどではないけど、二人ともあっという間に仲良くなっているから、ちょっと安心した……というところかな」
「そうね。アーサーはほとんど一人だし、あまり友達と騒ぐタイプじゃないしね」
「ところで、アーサーには言った?」
「え? 何を?」
「あなたがアーサーのことを好きだということ」
突然寝耳に水なことを言われ、セレナは頭から熱湯をかけられたような気がした。
顔を桃色に染めながらレイアに反論しようと、口をもごもごさせている。
「え? え? え? ……言えるわけないじゃない! レイアったら突然何よう!」
「へぇ~まだ言ってなかったんだ。一緒に住んでるのなら、タイミングはいつだってあるのに……」
彼女は薄い胸を押さえつつ、雪の妖精のような色白の肌を、ゆでダコのように真っ赤にした。
余程恥ずかしかったのだろう。
いつの間にか、浴槽の湯に鼻から下を沈めていた。その周囲でぶくぶくと泡が出来ている。
(セレナったらカニみたいだ。面白いなぁ)
レイアはセレナがアーサーに想いを寄せていることを知っている。
彼女にとってアーサーは大切な人間だ。
お互い一人っ子である為、話せる兄弟姉妹がいない。互いに兄妹代わりと思いながらすくすくと育ったのだ。
生まれも育ちも分かっていて、付き合いの長いセレナならアーサーのことを任せても大丈夫だとレイアは本気で思っている。
「言いにくいなら私からそれとなく伝えようか? ……と言いたいところだけど、それは自分で言ったほうが良いよな。やっぱり止めとくよ」
セレナは元々一人住まいだったが、火付け強盗に襲われたところを、通りかかったアーサーに助け出されて以来、彼の家に居候している。
アーサーの家は、一人住まいにしては広い。
台所や浴室以外で四・五人住める位の部屋があり、それぞれ広すぎず狭すぎず……という塩梅だ。
強盗に襲われて以来、セレナはアーサーに色々護身として短剣の扱い方や弓術の指導を受けた。
昔と異なり、自分一人の身を守るだけの力を身に付けている。医術師としての資格はあるし、本来であれば一人でも充分やっていけるのだ。
でも、前のように一人暮らしをするには今の生活があまりにも心地良すぎて、すっかり離れ難くなってしまった。
誰かと一緒に生活すると生み出される“温もり”。
こればかりは一人住まいでは得られない。
アーサーはアーサーで特に何も言ってくることもなく、いつの間にか一緒にいるのが当たり前となっている状態だ。悪く言えば所帯じみている。
「そうね。いつかは言うわ。はっきりしないまま二年も過ぎているんだもの。言葉にしてはっきり伝えないと相手も分からないし」
「私は思うんだけど、多分、口に出して言わないだけで、アーサーはセレナのことを大事に思っていると思うよ。早いうちに言いなよ」
「うん。ありがとう。レイアは良いな。アーサーとあんなに自然なやり取りが出来るんだもの。羨ましい。私には絶対無理」
レイアはそれを聞くと盛大に吹き出した。
そして、腹を抱えて笑い出す。周囲のお湯にさざ波が生まれた。
「あはははっ! セレナ~私を真似しちゃ駄目だよ。アーサーと私は兄妹や男友達みたいな、どちらかというと家族みたいな付き合いなんだから。彼とは仕事関係者繋がりでもあるわけだし」
「そうね。次元が違ったわね……ところで、レイアの方はどうなの?」
突然話題を振られたレイアはきょとんとなる。
豆鉄砲を食らった鳩のような顔だ。
「へ? 私?」
「うん。あなたよ」
「どうって……」
「気になっているんじゃないの? 王子様のこと」
一方的にやられっぱなしのセレナではなかった。
反撃に出られたレイアは、アーサーの家を出る少し前のことをぼんやりと思い出していた。
(そう言えば、全然考えたことなかった。私は彼のことをどう思っているのだろう……?)
今は異常事態だから、言葉遣いも態度もあえて砕けたままで通しているが、アリオンは一国の王子である。
彼は将来の為政者であり、本来であれば失礼に当たる為、今のような対等なやり取りは出来ない。
(私は至って普通の平民だもんな。生まれも育ちも平民育ち。尊い生まれであるアリオンとは住む世界が違うのだから)
今は当たり前のように見ていても、
いつかは顔すら見られなくなる日が来るのだ。
たくさんの家臣達に囲まれ、その姿さえ見られなくなる日が。
声一つ聞こえなくなる日が。
来るのだ。
いつか。
良く分からないが、その日は正直来て欲しくなかった。
(……妙に虚しくなってきた。思い出すなら別のことにしよう)
つい先日崖から落ちた時のことを思い出した。
あの時は途中で気を失っていた。
最後に覚えていたのは、
自分の身体を包み込んだ青緑色の光と、
自分を守ろうと強く抱きしめる、
誰かの腕と体温だった。
その相手が誰なのかは、分かっていた。
絶対絶命のはずなのに、何故か全く恐怖を感じなかったのだ。
全てを委ねてしまいたくなるような安心感が、そこにはあった。
記憶はないのだが、身体が覚えているようだ。
前にもどこかで似たようなことがあったような気がする……。
そう考えていると、鋭い痛みが脳の底から込み上げて来そうになった。
(痛っ……まただ。これ以上は考えないでおこう。せっかくの極楽気分が台無しだ)
妙に頭の芯が痛みを訴え続けたが、レイアは素知らぬ顔で湯につかったままやり過ごすことにした。
大きなお風呂の存在が明らかになった時、二人の少女達は歓喜の声をあげた。
アーサーの家を出てからかれこれ一週間になる。
野宿もあった分、二人共そろそろお風呂に入りたくてうずうずしていたのだ。
まだ酒を飲んでいるアーサーとアリオンをお店に置いて、一足先に宿に帰ってきた女子二人はお風呂に入ることにした。
白い湯気で覆われた浴室内は、想像以上に広そうだ。
石でできたタイルの上を裸足で歩いて行くと、
大きな岩で縁取られた浴槽が現れた。
鯉の形をした湯口からはどばどばと、透明なお湯が浴槽へと注がれている。
「わぁ岩風呂だ。凄いな! おっきい!! そして誰もいない!!」
「時間帯的にもまだ人が少ない頃合いだもんね。レイア、早く入りましょ」
衣服と下着を脱いで脱衣用のかごに入れた後、セレナは部屋の鍵を己の右手首にくくりつけた。
手ぬぐいを片手に二人は大急ぎで髪と身体を洗ったあと、髪を頭上に巻き上げた状態で大きな湯船に身を沈める。
湯の温度は熱過ぎずぬる過ぎず、丁度良い湯加減だ。
レイアは湯船の中で「ん~っ!」と手足を伸ばし、思いっきり背中を伸ばした。つい「ふあぁ」と大きなあくびが出る。
「やだぁレイアったら大きいお口!」
「ごめんごめん。ついねぇ……」
妙に面白くなってきて、二人できゃはは!と笑い出した。二人以外誰もいない浴室に甲高い声が響き渡る。
「温度も丁度いい! 気持ちい~い!!」
「私はこういう大きなお風呂に入るの久し振りだけど、たまには良いわね」
「せっかくだからしっかり温まろう~」
「レイア、人がいないからって泳いじゃ駄目よ」
「やだなあ。アーサーみたいなこと言わないでよ。何か興醒めしちゃうじゃん」
まだ真冬の季節ではないが、程よい温もりは二人の旅の疲れをゆっくりと連れ去っていってくれる。
(浴槽がこれだけ広ければ、アリオンも人魚の姿に戻ってゆっくり出来るだろうな……)
と、レイアは人魚姿のアリオンをぼんやり思い浮かべた。
しかし彼は現在、人前で人魚の姿をあまり大っぴらには見せられないことを思い出し、頭をぷるぷると左右に振った。
顔が妙に赤いのは、のぼせているわけではない筈だ。
(馬鹿馬鹿馬鹿! 何能天気な想像をしているんだ私は……!! )
アリオンは目下指名手配中なのだ。
今のところ追っ手の影や気配は感じないが、きっと心休まる間もないだろう。
アーサーの家にいた時とは異なり、周囲の目がある。
いつ狙われてもおかしくない状態だ。
彼を絶対に一人にしてはいけない。
(まあ、アーサーが一緒だから、心配ないのだが……)
きっと、入浴時ぐらい本来の姿でのんびりしたいだろうにと思うと、王子を少し可哀想に思った。
まあ、幸いこの宿は部屋にも浴室がある。
身体を清めること自体に問題はなかろう。
「ところであの二人、お酒を酌み交わしてたけど、まだ飲んでるのかなぁ?」
「どうかしらね。……レイア、ひょっとして気になる?」
セレナはくすくす笑う。
その目は「妬いてるんじゃないの?」と言いたげで、どこかいじわるだ。
レイアは慌てて二つの膨らみの前で両手を左右に振り、否定のジェスチャーをした。バシャバシャと湯に小さな荒波が生まれる。
「き……気になるほどではないけど、二人ともあっという間に仲良くなっているから、ちょっと安心した……というところかな」
「そうね。アーサーはほとんど一人だし、あまり友達と騒ぐタイプじゃないしね」
「ところで、アーサーには言った?」
「え? 何を?」
「あなたがアーサーのことを好きだということ」
突然寝耳に水なことを言われ、セレナは頭から熱湯をかけられたような気がした。
顔を桃色に染めながらレイアに反論しようと、口をもごもごさせている。
「え? え? え? ……言えるわけないじゃない! レイアったら突然何よう!」
「へぇ~まだ言ってなかったんだ。一緒に住んでるのなら、タイミングはいつだってあるのに……」
彼女は薄い胸を押さえつつ、雪の妖精のような色白の肌を、ゆでダコのように真っ赤にした。
余程恥ずかしかったのだろう。
いつの間にか、浴槽の湯に鼻から下を沈めていた。その周囲でぶくぶくと泡が出来ている。
(セレナったらカニみたいだ。面白いなぁ)
レイアはセレナがアーサーに想いを寄せていることを知っている。
彼女にとってアーサーは大切な人間だ。
お互い一人っ子である為、話せる兄弟姉妹がいない。互いに兄妹代わりと思いながらすくすくと育ったのだ。
生まれも育ちも分かっていて、付き合いの長いセレナならアーサーのことを任せても大丈夫だとレイアは本気で思っている。
「言いにくいなら私からそれとなく伝えようか? ……と言いたいところだけど、それは自分で言ったほうが良いよな。やっぱり止めとくよ」
セレナは元々一人住まいだったが、火付け強盗に襲われたところを、通りかかったアーサーに助け出されて以来、彼の家に居候している。
アーサーの家は、一人住まいにしては広い。
台所や浴室以外で四・五人住める位の部屋があり、それぞれ広すぎず狭すぎず……という塩梅だ。
強盗に襲われて以来、セレナはアーサーに色々護身として短剣の扱い方や弓術の指導を受けた。
昔と異なり、自分一人の身を守るだけの力を身に付けている。医術師としての資格はあるし、本来であれば一人でも充分やっていけるのだ。
でも、前のように一人暮らしをするには今の生活があまりにも心地良すぎて、すっかり離れ難くなってしまった。
誰かと一緒に生活すると生み出される“温もり”。
こればかりは一人住まいでは得られない。
アーサーはアーサーで特に何も言ってくることもなく、いつの間にか一緒にいるのが当たり前となっている状態だ。悪く言えば所帯じみている。
「そうね。いつかは言うわ。はっきりしないまま二年も過ぎているんだもの。言葉にしてはっきり伝えないと相手も分からないし」
「私は思うんだけど、多分、口に出して言わないだけで、アーサーはセレナのことを大事に思っていると思うよ。早いうちに言いなよ」
「うん。ありがとう。レイアは良いな。アーサーとあんなに自然なやり取りが出来るんだもの。羨ましい。私には絶対無理」
レイアはそれを聞くと盛大に吹き出した。
そして、腹を抱えて笑い出す。周囲のお湯にさざ波が生まれた。
「あはははっ! セレナ~私を真似しちゃ駄目だよ。アーサーと私は兄妹や男友達みたいな、どちらかというと家族みたいな付き合いなんだから。彼とは仕事関係者繋がりでもあるわけだし」
「そうね。次元が違ったわね……ところで、レイアの方はどうなの?」
突然話題を振られたレイアはきょとんとなる。
豆鉄砲を食らった鳩のような顔だ。
「へ? 私?」
「うん。あなたよ」
「どうって……」
「気になっているんじゃないの? 王子様のこと」
一方的にやられっぱなしのセレナではなかった。
反撃に出られたレイアは、アーサーの家を出る少し前のことをぼんやりと思い出していた。
(そう言えば、全然考えたことなかった。私は彼のことをどう思っているのだろう……?)
今は異常事態だから、言葉遣いも態度もあえて砕けたままで通しているが、アリオンは一国の王子である。
彼は将来の為政者であり、本来であれば失礼に当たる為、今のような対等なやり取りは出来ない。
(私は至って普通の平民だもんな。生まれも育ちも平民育ち。尊い生まれであるアリオンとは住む世界が違うのだから)
今は当たり前のように見ていても、
いつかは顔すら見られなくなる日が来るのだ。
たくさんの家臣達に囲まれ、その姿さえ見られなくなる日が。
声一つ聞こえなくなる日が。
来るのだ。
いつか。
良く分からないが、その日は正直来て欲しくなかった。
(……妙に虚しくなってきた。思い出すなら別のことにしよう)
つい先日崖から落ちた時のことを思い出した。
あの時は途中で気を失っていた。
最後に覚えていたのは、
自分の身体を包み込んだ青緑色の光と、
自分を守ろうと強く抱きしめる、
誰かの腕と体温だった。
その相手が誰なのかは、分かっていた。
絶対絶命のはずなのに、何故か全く恐怖を感じなかったのだ。
全てを委ねてしまいたくなるような安心感が、そこにはあった。
記憶はないのだが、身体が覚えているようだ。
前にもどこかで似たようなことがあったような気がする……。
そう考えていると、鋭い痛みが脳の底から込み上げて来そうになった。
(痛っ……まただ。これ以上は考えないでおこう。せっかくの極楽気分が台無しだ)
妙に頭の芯が痛みを訴え続けたが、レイアは素知らぬ顔で湯につかったままやり過ごすことにした。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
【完結】花咲く手には、秘密がある 〜エルバの手と森の記憶〜
ソニエッタ
ファンタジー
森のはずれで花屋を営むオルガ。
草花を咲かせる不思議な力《エルバの手》を使い、今日ものんびり畑をたがやす。
そんな彼女のもとに、ある日突然やってきた帝国騎士団。
「皇子が呪いにかけられた。魔法が効かない」
は? それ、なんでウチに言いに来る?
天然で楽天的、敬語が使えない花屋の娘が、“咲かせる力”で事件を解決していく
―異世界・草花ファンタジー
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる