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第十話
山頂にて
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水菜一行は、山頂に差し掛かっていた。火車のボワゴロを、馬車の車輪にくくりつけて拘束している。
馬車からヤマタノくんが顔を出す。
「いい加減、諦めたら?」
顔から出た腕を組んでいるボワゴロ。
「へっ、悪者の手下になんて、なってたまるか」
御者台の美優留が水菜を見る。
「どうする?ボワゴロ、離してやる?」
「そうね、このままってのも可哀想だしね」
手綱を引き、馬車を止めると水菜は馬車から降りた。
「一寸、お願い」
「本当に良いのですね?」
「うん」
一寸は、脇差を抜くと、ボワゴロを縛っていた縄を切った。
ありがとうと、一寸の肩に手を置く水菜。
「ボワゴロさん、悪気はなかったのよ。でも、お願いがあるの」
腕を組んで、そっぽを向くボワゴロ。
「へっ、なんだ?」
「無闇に人を苦しめるのは、やめてほしいの」
焼けた馬車を思い出すボワゴロ。
「あ、あれは・・・」
焼けた馬車に隠れて待ち伏せしていただけ。とは、言えなかった。
水菜が、気になって
「あれは?」
「へっ、なんでもねえよ。じゃあな」
クルリと背を向け歩き出すボワゴロ。
「大変や!」
キシムが偵察から戻って来た。
「この先で民家が襲われとるで」
ええ?
一寸が、玉子を駆り出す。
水菜が、鞭でバシッと地面を叩き馬車を走らせる。
馬車が走り去るのを見送るボワゴロ。
「けっ、関係ねえや」
前を向き歩き出す。
ボワゴロは、足を止め民家のある方を振り返る。
山賊らしき集団が民家に火を放とうとしていた。
一寸は、それを見るや玉子から飛び降り、前屈みに疾走する。
鞘を握る左手の親指で鍔を押し出し、抜刀の体勢になる。
一寸に向かって、棍棒を振り下ろす山賊。
素早く、横にズレてそれを避ける。
刀を抜き、横に一閃。
山賊の手から棍棒が切り落とされる。
そのまま、身をよじりクルリと、一回転すると次の山賊へ。
一寸は、松明を今にも放り投げようと構える山賊の膝を踏み台に後方宙返り。手に持った松明を蹴り飛ばしていた。クルクルと松明が飛んでいき、駆けつけた水菜たちの近くに落ちる。
民家から人の叫び声、身構える一寸。
が間に合わない。
そんな一寸の横を、何かがすり抜けて行った。
ボワゴロであった。
ボワゴロは、大きく跳ね上がると山賊に突進した。
ガシン!山賊は体勢を崩し地面に転がる。
一寸が声をかける。
「ボワゴロ!」
「へっ」
目を逸らすボワゴロ。
残った山賊たちが、棍棒や松明を握りボワゴロに迫る。
ボワゴロは、渾身の力を込めて全身を発火させる。
激しく燃え上がる炎に、山賊たちは驚き狼狽する。
悲鳴を上げながら恐れ慄き、我先にと逃げ出し始める。
ボワゴロは、山賊がいなくなったのを確認すると、ふっと炎を消しパタリとその場に倒れてしまった。
駆け寄る水菜。
「ボワゴロ!」
ボワゴロは、空を見上げている。
「へへ、やっぱ怖えや」
震えながら、息を吐くボワゴロ。
水菜は、ボワゴロの横に膝を抱えしゃがみ込むと、ふっと笑う。
「うん」
一寸が、その様子を見ながら刀を鞘に収める。
馬車からヤマタノくんが顔を出す。
「いい加減、諦めたら?」
顔から出た腕を組んでいるボワゴロ。
「へっ、悪者の手下になんて、なってたまるか」
御者台の美優留が水菜を見る。
「どうする?ボワゴロ、離してやる?」
「そうね、このままってのも可哀想だしね」
手綱を引き、馬車を止めると水菜は馬車から降りた。
「一寸、お願い」
「本当に良いのですね?」
「うん」
一寸は、脇差を抜くと、ボワゴロを縛っていた縄を切った。
ありがとうと、一寸の肩に手を置く水菜。
「ボワゴロさん、悪気はなかったのよ。でも、お願いがあるの」
腕を組んで、そっぽを向くボワゴロ。
「へっ、なんだ?」
「無闇に人を苦しめるのは、やめてほしいの」
焼けた馬車を思い出すボワゴロ。
「あ、あれは・・・」
焼けた馬車に隠れて待ち伏せしていただけ。とは、言えなかった。
水菜が、気になって
「あれは?」
「へっ、なんでもねえよ。じゃあな」
クルリと背を向け歩き出すボワゴロ。
「大変や!」
キシムが偵察から戻って来た。
「この先で民家が襲われとるで」
ええ?
一寸が、玉子を駆り出す。
水菜が、鞭でバシッと地面を叩き馬車を走らせる。
馬車が走り去るのを見送るボワゴロ。
「けっ、関係ねえや」
前を向き歩き出す。
ボワゴロは、足を止め民家のある方を振り返る。
山賊らしき集団が民家に火を放とうとしていた。
一寸は、それを見るや玉子から飛び降り、前屈みに疾走する。
鞘を握る左手の親指で鍔を押し出し、抜刀の体勢になる。
一寸に向かって、棍棒を振り下ろす山賊。
素早く、横にズレてそれを避ける。
刀を抜き、横に一閃。
山賊の手から棍棒が切り落とされる。
そのまま、身をよじりクルリと、一回転すると次の山賊へ。
一寸は、松明を今にも放り投げようと構える山賊の膝を踏み台に後方宙返り。手に持った松明を蹴り飛ばしていた。クルクルと松明が飛んでいき、駆けつけた水菜たちの近くに落ちる。
民家から人の叫び声、身構える一寸。
が間に合わない。
そんな一寸の横を、何かがすり抜けて行った。
ボワゴロであった。
ボワゴロは、大きく跳ね上がると山賊に突進した。
ガシン!山賊は体勢を崩し地面に転がる。
一寸が声をかける。
「ボワゴロ!」
「へっ」
目を逸らすボワゴロ。
残った山賊たちが、棍棒や松明を握りボワゴロに迫る。
ボワゴロは、渾身の力を込めて全身を発火させる。
激しく燃え上がる炎に、山賊たちは驚き狼狽する。
悲鳴を上げながら恐れ慄き、我先にと逃げ出し始める。
ボワゴロは、山賊がいなくなったのを確認すると、ふっと炎を消しパタリとその場に倒れてしまった。
駆け寄る水菜。
「ボワゴロ!」
ボワゴロは、空を見上げている。
「へへ、やっぱ怖えや」
震えながら、息を吐くボワゴロ。
水菜は、ボワゴロの横に膝を抱えしゃがみ込むと、ふっと笑う。
「うん」
一寸が、その様子を見ながら刀を鞘に収める。
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