蜃気楼の向こう側

貴林

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1 新たな出会い

シンという名の人物

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食事を済ませ部屋に戻ると、これからの予定を話し合った。

すぐるちゃん、何かわかった?」
ノートパソコンをテーブルの上で広げる俊。
マウスをクリックさせ、ファイルを開く。
「暗号化されてたので、時間掛かったけど、これが出てきたよ」
画像が画面に現れる。
「どこかの、風景写真だね」
真希乃まきのは、顔をしかめる。
どこか、わからないが、山の中に、一軒の家が写っていた。
「これだけじゃ、どこの山かもわからないよね」
彩花あやかが、口をへの字にして、んーと唸っている。
「それでね、SNSで、ここ知ってる人いませんか?って、呼びかけてみたんです。そしたら、ここ、似てると思いませんか?って、コメント来て添付されてた写真がこれです」
角度、視点はやや違うが、ほぼ一致した。
「ここで、間違いなさそうね。さっそく、行ってみる?」
彩花
「えと、住所はここから、二時間くらいだね。シノ、送ったよ」
「承知、おまかせ下され」
「申し訳ないです。忍さん」
真希乃が、申し訳なさそうに頭を下げた。
「なんもなんも、お気にめさるな」
ガハハと、真希乃の背中を叩くしのぶ
「大志殿が、お待ちですよ」
「ありがとう、忍さん」
うんうんと、忍。

        ・

地図を見ると、目的地周辺にランドマークが見当たらない、何もない山中だった。

幸島こうじまさんが、会わせようとしてた人って、どんな人だろ?」 
真希乃が俊を見る。
「シン と、呼ばれる人みたいです」
「シン?」
「うん、それ以上は、よくわからないけど、山籠りをしているそうです」
「山籠り?」
「よくお坊さんがするやつ?」
忍がそれに継ぎ足すように
「剣豪、宮本武蔵も、晩年はそうだったようですよ」
彩花も、それ知ってると
「ああ、なんだっけ、輪書、五輪書を書き残したとか」
「悟りを開くってやつ?」
「そんな感じ」
常人ではないことが伺える。
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