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1 新たな出会い
薙刀の女性
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病院での騒動は、死傷者もなく、ガラスなど設備品の損壊程度で済んだことから、病院側も、事を荒立てたくないとの方針で、患者による一時的精神錯乱によるものとして、片付くことになった。
真希乃たちも、巻き込まれたようなもので、病院側から謝罪を受けた程だ。
忍の病室
「彩花は、かすり傷程度らしい、今、処置してもらってる」
真希乃は、ホッとした表情で皆に告げる。
「そう、よかった」
蓮華が胸を撫で下ろす。
忍が
「それにしても、何者ですかな。先程の黒ずくめは」
麗美が腕を組んで、やや厳しい顔で答える。
「刺客よ。相手は三人。真希乃くん、彩花ちゃん、蓮華ちゃんを狙ったのね」
真希乃が食い入る。
「なぜですか?なぜ、狙われなくちゃ、ならないんですか?」
視線を真希乃に向ける麗美。
「そのことは、彩花ちゃんが、戻ったら、全て話してあげる」
椅子に腰掛け、膝の間で、腕を組む真希乃。
「わかりました。それにしても、麗美さんが来てくれて助かりました」
「いいえ、それほどでも。それにしても、真希乃くん、初めての実戦であれだけ立ち回れるなんて、大したものよ」
実戦と、聞いて真希乃は、自分の不甲斐なさを感じていた。
真希乃が首を振る。
「僕なんか、まだまだです。彩花と蓮華に比べたら」
「そうね、まだまだね」
「ぐは・・」
あっさり認められて、肩を落とす真希乃。
ガラガラと、入り口の引き戸が開く。彩花が左腕が問題なく動くか見るように回しつつ、入ってきた。
心配そうに近づく真希乃。
「大丈夫?」
「少し痛むけど、平気」
「さすが、南雲伝助のお孫さんね」
麗美が、腕組みしてニンマリと彩花を見る。
「お爺さまをご存知なんですか?あなたはいったい・・」
「鷺月麗美です。今朝方は、どうも」
今朝方?と、彩花は思い出す。
「ああ!真希乃んとこで」
「そおそお」
彩花は、何かを思い出して
「鷺月?あの鷺月風雪流薙刀術の?」
嬉しそうに麗美。
「あ、そうよ。知ってるなんて光栄だわ」
驚きと疲れで、どっと椅子に座り込む彩花。
「祖父から、話はよく聞いてました。そんな人が、なんで真希乃に?」
麗美は、人が変わったように
「だって、真希乃くん、可愛いんだもん。食べちゃいたいくらい」
それを聞いた真希乃と彩花は、えっと麗美を見るなり顔を赤くした。
ぷぷぷ・・してやったりと麗美は、楽しんでいる。
蓮華が、そんな麗美を見て
「実際のところ、お聞きしてもよろしいですか?麗美さん?」
「ん?」
「薙刀の使い手で、御高名な方が、なぜ、私たちを?」
口元に、人差し指を当てて、考える麗美。
「んー、隠す必要がないから、言っちゃうね。私、真希乃くんの警護を任されたの」
「はっ?」
一同、麗美を見る。
そおそおと、うなずく麗美。
「朝から尾行中」
真希乃と腕組みする麗美。
「二十四時間、離れないわよ」
ムニンと、ふくよかなものに、真希乃の腕が沈み込む。
「あひ」
たまらず真希乃。一旦引き攣るも、とろけている。
これを見聞きした彩花の眉が、ピクピクする。
蓮華が麗美を見る。
「警護の目的は?」
「さっきみたいな刺客から守ることよ」
「そもそも、なぜ、真希乃が狙われるのを知っていたのですか?」
麗美は、しばし考えた。
「どうか、しました?」
思案中の麗美は目を開いた。
「しのごの話してても仕方ないわね・・わかったわ。なら、こうするのが一番ね」
言うと、自らの胸元に手を差し入れる麗美。
真希乃たちも、巻き込まれたようなもので、病院側から謝罪を受けた程だ。
忍の病室
「彩花は、かすり傷程度らしい、今、処置してもらってる」
真希乃は、ホッとした表情で皆に告げる。
「そう、よかった」
蓮華が胸を撫で下ろす。
忍が
「それにしても、何者ですかな。先程の黒ずくめは」
麗美が腕を組んで、やや厳しい顔で答える。
「刺客よ。相手は三人。真希乃くん、彩花ちゃん、蓮華ちゃんを狙ったのね」
真希乃が食い入る。
「なぜですか?なぜ、狙われなくちゃ、ならないんですか?」
視線を真希乃に向ける麗美。
「そのことは、彩花ちゃんが、戻ったら、全て話してあげる」
椅子に腰掛け、膝の間で、腕を組む真希乃。
「わかりました。それにしても、麗美さんが来てくれて助かりました」
「いいえ、それほどでも。それにしても、真希乃くん、初めての実戦であれだけ立ち回れるなんて、大したものよ」
実戦と、聞いて真希乃は、自分の不甲斐なさを感じていた。
真希乃が首を振る。
「僕なんか、まだまだです。彩花と蓮華に比べたら」
「そうね、まだまだね」
「ぐは・・」
あっさり認められて、肩を落とす真希乃。
ガラガラと、入り口の引き戸が開く。彩花が左腕が問題なく動くか見るように回しつつ、入ってきた。
心配そうに近づく真希乃。
「大丈夫?」
「少し痛むけど、平気」
「さすが、南雲伝助のお孫さんね」
麗美が、腕組みしてニンマリと彩花を見る。
「お爺さまをご存知なんですか?あなたはいったい・・」
「鷺月麗美です。今朝方は、どうも」
今朝方?と、彩花は思い出す。
「ああ!真希乃んとこで」
「そおそお」
彩花は、何かを思い出して
「鷺月?あの鷺月風雪流薙刀術の?」
嬉しそうに麗美。
「あ、そうよ。知ってるなんて光栄だわ」
驚きと疲れで、どっと椅子に座り込む彩花。
「祖父から、話はよく聞いてました。そんな人が、なんで真希乃に?」
麗美は、人が変わったように
「だって、真希乃くん、可愛いんだもん。食べちゃいたいくらい」
それを聞いた真希乃と彩花は、えっと麗美を見るなり顔を赤くした。
ぷぷぷ・・してやったりと麗美は、楽しんでいる。
蓮華が、そんな麗美を見て
「実際のところ、お聞きしてもよろしいですか?麗美さん?」
「ん?」
「薙刀の使い手で、御高名な方が、なぜ、私たちを?」
口元に、人差し指を当てて、考える麗美。
「んー、隠す必要がないから、言っちゃうね。私、真希乃くんの警護を任されたの」
「はっ?」
一同、麗美を見る。
そおそおと、うなずく麗美。
「朝から尾行中」
真希乃と腕組みする麗美。
「二十四時間、離れないわよ」
ムニンと、ふくよかなものに、真希乃の腕が沈み込む。
「あひ」
たまらず真希乃。一旦引き攣るも、とろけている。
これを見聞きした彩花の眉が、ピクピクする。
蓮華が麗美を見る。
「警護の目的は?」
「さっきみたいな刺客から守ることよ」
「そもそも、なぜ、真希乃が狙われるのを知っていたのですか?」
麗美は、しばし考えた。
「どうか、しました?」
思案中の麗美は目を開いた。
「しのごの話してても仕方ないわね・・わかったわ。なら、こうするのが一番ね」
言うと、自らの胸元に手を差し入れる麗美。
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